リバウンドなし!サンバのリズムが崩壊


億を達成した手法が、まったく通じない場合もある。下げ相場でのリバウンドを狙う、通称「ナンピンサンバ」を駆使するトレーダーFTK氏は、1900万円を損切った経験を持つ。右手の指輪をなでながら、氏はこう語る。

「あのときは、熱くなっちゃったから負けた……。この指輪はそのときに自戒を込めて買ったんです」

では、1900万円という一般人からすれば途方もない額は、如何にして失われたのか。

「’09年の10月23日にイギリスの四半期GDP発表があったんだけど、すごく悪かったんです……」

リーマンショックの余波を受けて、イギリスの景気は悪化。統計を開始して以来、最悪の景気後退だと言われた。

「だから、完全に一方通行で暴落。いつもはあるはずのリバウンドが、まったくなかったんです」。リバウンドを狙うナンピンサンバは、損切りが命。うまくリバウンドを拾えればときにはバカ勝ちできるのだが、その日はいつまで経っても変化しない。言わば、"サンバのリズムに乗れなかった"のだ。

「もう、まったく戻らずに下落していくだけ。英ポンド/円は2円ぐらい落ちたんじゃないかな。500万円を損切ってから『絶対取り返してやる!』とロットを増やしたら、さらに傷が広がって……。やっぱり損切りにつきるよ。このトレード以来、僕は『熱くならずに、無理なナンピンはしない』というルールを決めました」



FTK

3億円を達成した在日ブラジル人トレーダー。独特のナンピンサンバを駆使して、リバウンド狙いのスキャルピングが得意。しかし、熱くなると負ける。