特徴を理解できたら、CFDの魅力はかなり伝わったはず。かといって、手当たり次第にいろんな商品をトレードしようものなら、資金は瞬く間に底をつく。いきなり100倍のレバレッジをかけてトレードすると、わずかな値動きで大損することもあるだろう。では、実際のトレードではどんな点に注意するべきか?

 「まずはマイナーで出来高の乏しい商品には手を出さないこと。利ざやが稼ぎにくいのは先ほども解説しましたよね。そうした出来高が少ない商品は、まったく予想のつかない値動きをすることもあるので要注意です。こうした投資対象の選択と関連して重要なことは、レバレッジの管理です。FXをやっている人はレバレッジの怖さを十分に理解しているかもしれませんが、FXと同じ考えでCFDを始めたら、痛い目に遭いかねません。投資対象が為替以外に広がるんですから」(広瀬氏)

 ん? 商品の豊富さはCFDの特徴であり、投資家にとってのメリットだったはず。一体、どこに落とし穴があるというの?



「NY市場の変動率は世界恐慌時代を上回る!」



 「銘柄によって、日々の変動率が異なるのです。例えば米ドル/円だったら一日で98円が100円に値上がりしたら、『ずいぶん動いたなぁ』という感じですよね。2円上げたら2%の上昇率です。でも個別株のなかには10%も20%も動くものがあるのです。シティグループなんて、国有化懸念が高まって1日で37%も下げたりしました。レバレッジ3倍で資産はパーですよ。ボラティリティを計測するのにリスクグレードというツールが利用されるのですが、これで弾き出される値を見るとS&P500や金、原油などが軒並み急上昇しているんです。昨年9月以前と比較すると何倍にもなっている。NY市場の日中上下幅をグラフ化したものを見ると、'29年に起こった世界恐慌のときよりも変動幅が大きいこともわかります。それだけ個別株の値動きは荒くなっているということです」

 確かにそれは怖い……。が、それだけ値動きが激しいということは、逆に利ざやを稼ぐチャンスとなるのでは?

 「当然、稼ぐチャンスは増えているでしょう。シティなんか売りで入られていたら面白かったでしょうね(笑)。そうしたチャンスにガッツリ稼ぐためにも、リスク管理が重要だ、ということ。許容できる一日の損失額を決定して、レバレッジと損切りラインを逆算するようにしてください」

 損をするほどに熱くなってしまうのがトレードの常。負け分を取り返そうとレバを上げれば、CFDの場合は致命傷となりえるので注意チ 熱くなりすぎないよう、手仕舞いのタイミングだけはルールを決めたほうがよさそう。

 「値動きの激しい商品でトレードをする場合には、最低限、翌日に持ち越さないこと。必ずその日のうちに手仕舞うようにしましょう。値動きを左右する材料は相場が立っていないときに出るもの。この荒れ相場の中で、持ち越すのは自殺行為です。損切りラインを設定して、逆指値を入れていたとしても、相場が急変するようなときは約定しないこともあるんですから……」

 レバレッジの管理と損切りの徹底と手仕舞いのタイミング、この3点だけは押さえておこう!


指数先物実践トレード入門
寄り付き1時間の高安ブレイクアウトを狙え!


 CFDの基礎を一通り学んだところで、ここらで一つ、初心者もすぐにマネできるトレード手法を紹介しよう。教えてくれたのは、SVC證券の荒井昇一氏。

 「これは私がトレーダー時代に使ってた手法なんですけど、簡単な上、意外と勝率がいい。月20日トレードして2日しか負けなかったこともありましたね」

 いきなりのビックリ発言! 勝率9割? あくまで好調時の成績だが、期待は高まる。早速、ご教授願おう。

 「トレードするのは主要株価指数です。その主要株価指数の寄り付き1時間の高値か安値をブレイクしたら、同じ方向にエントリーする。高値を抜いたらロング、安値を抜いたらショート。それだけ」

 って、それはちょっと簡単すぎやしないか……。

 「こういうデータ知ってます?『一日の高値か安値の40%は寄り付きから1時間以内に形成される』って。最近になって昨年7月から今年の2月初旬までのデータを取ってみたら、40・
71%の確率で、1時間以内に高値か安値をつけていました」

 最初の1時間で高値か安値をつけやすいので、仮に次の足が高値を抜いてきたら安値を更新する可能性が低くなるというわけ。実際に最近の日経平均の値動きを見てみると、その傾向は顕著だった(図参照)。

 「私はFT100の先物でやっていました。値動きの幅が小さくて大損しにくかったので。20pipsぐらいのサヤ取りを狙ってやってみてはいかがでしょう?」

 FT100なら寄り付き時間は日本時間で16時(サマータイム)。早めに帰宅できたら挑戦できそう。なお、NYダウとドイツDAXは値動きが荒めなので要注意とのこと。



■荒井昇一 氏
SVC證券 取締役
外為インターバンクブローカー、外銀ディーラーを経て、'07年から現職。
著書に『TFブレイクアウト』(パンローリング)



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