2011/6/17 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、東京市場序盤こそ日足一目均衡表の雲下限や、基準線も位置する81円近辺で上昇の勢いが抑えられたものの、スペインの国債入札が中止になるとの噂を材料として、対ユーロでドルが上昇したことにつられる形で一時81.048円まで上昇。しかし、欧州勢参加後は欧州株安を背景にリスクポジション解消目的でクロス円の売りが強まったほか、上記テクニカル的な反発もあり80.50円付近まで押し下げられた。NY市場では、米住宅着工件数、米建設許可件数、米新規失業保険申請件数、米経常収支がいずれも市場予想より強い結果となったことで上昇したものの、その後発表された6月製造業景気指数が悪化すると再び80.60円付近まで下落する一進一退の展開となった。引けにかけては新規の取引材料に乏しく、積極的な売買はなかったため終値は80.644円となり、3営業日ぶりに反落して取引を終えた。

ユーロ円は、オセアニア市場から東京市場序盤かけて前日の大幅下落に対するショートカバーや、市場参加者の押し目買いが散発的に入り一時114.966円まで上昇した。しかし、買い一巡後はスペインの国債入札が中止になるとの市場での噂や、ウェリンク・オランダ中銀総裁が「欧州救済基金の規模を2倍程度に拡大する必要も」と発言したことが伝わると欧州のソブリン問題が深刻化するのではとの警戒感が強まり114円を割れるまで下値を拡大した。欧州市場でもクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、ギリシャの5年物スプレッドが過去最高水準となったほか、欧州株価の下落などを背景に回避姿勢が強まると一時113.502円まで続落した。引けにかけてCNBCが「中国は一段の欧州支援に動く可能性がある」と報じたことなどを背景に買い戻され114.609円まで値を戻し取引を終えたが、2日続落となっている。


今日の展開


ドル円は上値の重い展開となろうか。引き続き日足一目均衡表の雲下限や、基準線、5月24日高値82.207円→6月8日安値79.900円の下降フィボナッチ50%戻しや、25日移動平均線などのレジスタンスは強固で81円台定着は容易ではなさそうだ。また、足元の米経済指標も依然として米経済の鈍化を示す結果相次いでいる上、米10年債利回りが再び3%を割り込むなど、米国債の買い意欲は依然として旺盛であることが確認できるため積極的に買い進むことは困難かも知れない。ただ、80.00円付近では本邦輸入企業や、個人投資家からのドル買いが下値を支えており、底堅く推移する可能性もある。80-81円のレンジを上下どちらかにブレイクするまでは動意のつきにくい展開が続きそうだ。

ユーロは、ギリシャを中心とした欧州情勢が不透明感を更に強めており、慎重スタンスは維持したい。ギリシャは2011年1-3月期のGDPが-5.5%へ落ち込み、失業率は過去最悪の16.2%に上昇し、国民の不満が頂点に達しているなか、支援条件である緊縮財政に反対のデモが行われるなど財政健全化策の目標達成が困難な情勢にある。その上、支援する側のドイツは国民の負担増加に世論の理解を得られず、ギリシャ国債を保有する民間投資家による自発的なロールオーバーを求めているなど欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の同国支援は混迷している。当面はギリシャ国内の政治情勢、ドイツのギリシャ支援スのタンス、大手格付会社の動向など注視しなければならないだろう。ただ、ギリシャ財政問題の根本的な問題解決とは程遠いが、相次ぐネガティブなニュースに悪材料出尽くし感もあり、テクニカル的な反発が入る可能性は高く、突っ込み売りには注意したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-81.00
ユーロ・円 113.00-116.00
ポンド・円 128.50-131.50

【今日の主な経済指標】
18:00 EUR 建設支出
18:00 EUR 貿易収支
21:30 CAD 卸売売上高
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
23:00 USD 景気先行指標総合指数

≪2011年6月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
フィラデルフィア連銀製造業景況指数が弱めの内容になったものの、新規失業保険申請件数
と住宅着工件数がそれぞれ予想を上回ったのをきっかけに、参加者の買いが強まり「ブル」
となっている。今週は5日間移動平均線をサポートにした上昇基調が明確となってきている
ことで、ドル買い安心感が広まっている。テクニカルポイントである81.00円付近では戻り
売りを仕掛ける動きも散見されているが、しっかりと81円台へ乗せることが出来れば、5月
19日の高値82.227円まで上値余地が広がる可能性も出てくるだろう。ただし、米格付大手
ムーディーズは米債格付けを「Aaa」から引き下げる可能性を示唆しており、格付け会社の
動向には注視しなければならないだろう。


ポンド円「ブル」
5月英小売売上高指数が前月比1.4%低下と市場予想平均の0.6%低下を下回ったことを嫌気
した売りが確認され一時129.753円まで下落した。参加者は130円割れしたことで「ブル」
となっているが、英小売売上高が大幅に落ち込んだことで英景気減速懸念が強まっており、
下押し圧力は依然強いだろう。また、ギリシャのデフォルトリスクが高まるなか、欧州株
価下落もポンドの足枷となりそうだ。


豪ドル円「ブル」
世界的な景気減速懸念や欧州債務問題が燻るなか、リスク回避目的の豪ドル売りが優勢とな
り、短期的なサポートと期待されたと5日移動平均線85.30円を下回ると84.629円まで下落
した。参加者の押し目買いスタンスに変化はなく「強気」だが、投資家の不安心理を示すV
IX指数(恐怖指数)は、ギリシャ救済策が合意に至らず先延ばしになるなか一時24.65まで
急騰している。節目の20を超えたため、リスク資産が安全な通貨に向かいやすく、円高を想
定しておく必要がありそうだ。


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