2011/6/16 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、東京市場序盤に5・10(ゴトー)日となる仲値に向けたドル不足から下値を支えていたが、ユーロ円が大きく売られる展開にクロス円がつられて下落すると80.40円付近まで下落した。しかし、欧州勢参加後は野田佳彦財務相が「円相場に過度の変動があれば断固たる措置を取る」と警告したことで円売り介入への期待から80.60円付近まで上昇した。NY時間では6月のNY州製造業景気指数がマイナス7.79と市場予想の12.00を大幅に下回ったものの、米労働省が発表した5月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%上昇と予想を上回るとインフレ懸念の高まりから一時81.041円と先月30日以来の81円台を示現した。引けにかけてもギリシャ問題の不透明感や、原油先物相場の大幅下落からドルストレートが堅調に推移するとドル円も高値をキープし、80.953円で取引を終えた。

ユーロ円は、ギリシャ情勢の先行き不透明感が燻るなか終日軟調推移となった。東京市場ではEU財務相会合後の欧州各国要人から、ギリシャ支援の合意が当初の予定よりずれ込むとの見解が示されたことがユーロ売りに繋がったほか、米モデル系ファンドや、ロシアネームの売りも観測されて116円割れの展開。また、欧州勢参加後もギリシャ国債の金利が上昇し、ドイツ国債との金利差が過去最大水準になり、格付け会社ムーディーズ・インベスターズもギリシャ債の保有を理由に、フランス系銀行のBNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、アグリコルの3行を格下げ方向で見直したことも売りが膨らむ要因となって、115.30円付近まで下値を拡大した。NY市場に移っても地合に変化はなく、ギリシャ・パパンドレウ首相の「挙国一致内閣のために辞任する用意がある」とした報道を受け、ギリシャ救済をめぐる不透明感が高まった上、NYダウの200ドル超下落を背景に、リスク許容度が低下するとストップロスを断続的に巻き込み、一時114.555円まで下落した。終値は前日比-1.397円の114.818円で引けている。


今日の展開


ドル円は一昨日の米小売売上高、昨日のNY州製造業景気指数と市場予想を大幅に下回ったものの、下方向への反応は限定的となっている。米国経済がいわゆるソフトパッチ(景気の一時的後退)にあることが市場で周知されているため、よほど下振れしない限りはドル売りにはつながらない一方、予想より強い結果となれば、先日のようにドル買いにつながりやすい地合といえるだろう。本日もフィラデルフィア連銀製造業景気指数、住宅着工件数、新規失業保険申請件数、四半期経常収支と重要指標を控えているだけに期待したい。ただし、81.00円付近は5月24日高値82.207円→6月8日安値79.900円の下降フィボナッチ50%戻しや、25日移動平均線、日足一目均衡表の基準線などテクニカルポイント集中しているため、明確に上抜けない限りは抵抗帯として機能する可能性もあり深追いは禁物だろう。

ユーロは、今後も下落基調は続く可能性があるだろう。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は対ギリシャ追加支援をめぐる合意が7月11日まで遅れる可能性があるとの見方を示し、当初予定されていた今月20日までの合意は難しく先送りとなっている。EUは、ギリシャをデフォルト(債務不履行)させれば大きな損失が出ることから、7月11日までには解決策をまとめるものと思われるが、同国がデフォルトに陥る可能性は決して低くはなく、合意が纏まるまでバイアスは弱気となろうか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-81.00
ユーロ・円 114.50-117.00
ポンド・円 129.00-132.50

【今日の主な経済指標】
16:15 CHF 四半期鉱工業生産
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
17:30 GBP 小売売上高指数
18:00 EUR 消費者物価指数
21:30 CAD 対カナダ証券投資額
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 建設許可件数
21:30 USD 住宅着工件数
21:30 USD 建設許可件数
21:30 USD 住宅着工件数
21:30 USD 四半期経常収支
23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数

≪2011年6月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
5月米消費者物価指数(前年比)の結果(3.6%)が予想(3.3%)を上回る結果を受け、
米10年債利回りが3.0%台に回復したことで参加者は「強気」だ。米経済の減速を受け
て、一部ではQE3への期待が浮上していたが、FOMCメンバーのQE3に対する否定的な
スタンスに加え、足元の米経済指標の悪化に歯止めがかかれば、QE3期待で動いていた
債券相場にはもう一段修正が入る可能性がある。米長期金利が3%台をキープできれば
ドル円は下支えされるだろう。


ポンド円「ブル」
英国立統計局が発表した5月の英雇用統計で、失業者数が前月比で1万9600人増と市場
予想平均の前月比6500人増より弱い結果となったことを受けて下落すると、押し目買
い優勢の地合となり「ブル」となった。しかし、英早期利上げ期待が剥落しているなか、
英雇用統計も悪化しているおり、短中期移動平均線が集まる132円付近を上抜けるには
力不足かもしれない。しかし、対ユーロでは、混迷を続けるギリシャ問題を嫌気して同
じ欧州通貨であるポンドへシフトする動きから堅調地合も考えられよう。


豪ドル円「ブル」
スティーブンス豪準備銀行総裁が「物価の抑制には金利上昇が必要」「インフレ率は上
ブレの可能性の方が高い」と発言したことを受け、早期利上げ期待が再燃したことで
「ブル」は堅持されている。テクニカル面では日足一目均衡の分厚い雲に覆われており、
方向感は出にくいものの、短期的には5日移動平均線85.30円付近、もしくは25日移動
平均線86.00円付近の両移動平均線をブレイクした方向へ相場の流れが傾きそうだ。


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