FXで勝つために複雑なテクニカルはいらない。研ぎ澄まされた三種の神器を使いこなせばいいだけ。その使い方とは?


その一 すべての基本はダウ理論にあり!



「すべての基本はダウ理論」。そう話すのはカリスマFX塾を主宰する杉田勝氏。イギリスでヘッジファンドのマネジャーとして活躍後、今も国家やエネルギー関連企業を顧問先にもつ、プロ中のプロだ。

「欧米では投資の教科書の最初に出てくるイロハのイ。知らずにトレードするのは、アクセルもブレーキも知らずにクルマに乗るようなものです」

ダウ理論は投資家たちの心理を汲み取るもので、極めて論理的。

「例えば、一見ランダムに動いているように見える相場でも、規則性がある。その根拠こそがダウ理論なんです。実にシンプルな論理で、相場の節目となる過去の高値や安値に水平線を引く」

相場は上下動を繰り返す。その頂点や大底に水平線を引くだけ。これがレジスタンスラインやサポートラインと呼ばれるものだ。

「なぜ高値ができると思いますか? 高値を境にして、買いたい人より売りたい人が増えたからです。買い手よりも売り手が多ければ、プライスは下がる。だから高値や安値が相場の節目になる。ところが、高値を超えて上昇する場合は、買い手に加えて『ここは超えないだろう』と思っていた売り手の損切りを巻き込んで、売り手が買い手に切り替わることを意味する。となれば、上昇の勢いは加速。だから高値(レジスタンス)を超えた場合は、喜んで買う。『高値掴み』と落ちこむ必要はありません」

ダウ理論とは値動きの基本を知るための論理。どこが相場の節目となるのか見えるようになれば、「このサポートを割ったら、一気に下げるだろうから、サポートよりちょい下に逆指値を入れておこう」と、自分なりのトレードストーリーが描けるようになるのだ。



その二 未来を予知する魔法の20EMA



杉田氏が「魔法曲線」とまで評価する強力なアイテムがEMA。僕らが普段使っている単純移動平均線(SMA)の親戚で、直近の値動きに加重して弾き出される移動平均線だ。

「海外のトレーダーは重用しているのに、なぜか日本では使う人が少ない。表示できるチャートソフトも限られていて、実にもったいないですよね。EMAの見方は簡単で、『EMAよりもプライスが上にあればロング、下にあったらショート』。これが大原則です」

このとき大事なのがパラメータの設定。EMAは20にすること。

「20EMAの傾きにも着目してください。トレンドの変わり目で、SMAよりも明らかに反応が早い。20EMAの傾きを見ていると、将来相場がどっちに動くのか、教えてくれる。逆に言えば、20EMAが横ばいでふらふらしているときは方向感がないので、傾きがはっきりするまで様子を見たほうがいい」

ここで思い出してほしいのがダウ理論。20EMAはサポートやレジスタンスとしても機能する。

「上昇トレンド中に押し目ができて拾いたい。でも、どこまで下がるかわからない。そんなときも20EMAが目安になる。いったん20EMAから乖離したプライスが落ちてきて20EMAにタッチして、再び上昇していくといった動きはよく見られます」

でも、なぜ20EMAはそうも効力を発揮するのか?

「多くの人が注目しているため、節目となる高値や安値と同じような効果を生んでくれるんです。20EMAが見られないチャートを使っているなら、今すぐチャートを変えたほうがいいですよ」

20EMAは常時表示して、時間足を切り替えてもそのまま点灯させておこう。



その三 利食いはRSIのダイバージェンス



最近の相場はわかりにくい。高値を更新して上に抜けると思ったら、ジリジリと下げだしたり……。どうにかトレンドの転換を明確に確認する方法はないものか。

「RSI(相対力指数)のダイバージェンスで判断します。RSIは『売られすぎ.買われすぎ』を示すオシレーター系のテクニカル分析ですが、そんな使い方は意味がない。それよりもダイバージェンスに着目してください」

高値を更新するとRSIも上にいくのが通常の動き。でも、まれにそうでないことも起きる。

「5時の高値を10時に更新しているのに、RSIは5時の時点より10時のほうが下がっていることがあります。これがダイバージェンス(逆行)。ダイバージェンスが発現すると相場の転換点になることが多い。上昇トレンドならば、今度は下に向かうというシグナル。ロングのポジションを持っていてダイバージェンスが発現したら、利食いを考える」

となるとノーポジのときダイバージェンスが出たら、新規でエントリーするのだろうか?
「エントリーには使いません。ダイバージェンスが連続して出ることもあり、すぐさまトレンド転換というわけではない」

ダイバージェンスを見るときはもうひとつ注意点が。

「RSIの水準です。天井を示すダイバージェンスはRSIが70以上のとき、大底を示すダイバージェンスは30以下のときのみ。30から70の間でダイバージェンスが出ても、あまり信憑性はない」

ダウ理論や20EMAをもとにトレードストーリーを描きながら利食いはダイバージェンスで、こんな使い方が理想的なのだ。値ごろ感から売買するのは大間違い。「安いから買って高いから売るトレード」から卒業しよう。



■杉田勝氏[ウィン・インベスト会長]
元ヘッジファンドマネジャー。個人向けFX塾を主宰するほか、国家や石油会社などを顧問先に市場予測を行う。
FX塾から専業トレーダーを続々輩出中。5月に初の著書を刊行予定。
http://www.win-invest.co.jp/