2011/6/10 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場序盤は米経済の先行き不透明感を背景に売りが出て79.80円付近で弱含んだものの、仲値通過後は本邦輸入の買いが観測されて80.25円付近まで上昇した。欧州勢参入後は、NYダウ先物やWTI原油先物の上昇を受けて、投資家のリスク志向が改善するとの見方から円が売られる場面も見られたが、米貿易収支や、前週分の米新規失業保険申請件数などの結果を見極めたいとのムードが広がり、概ね80.20円付近の狭いレンジ内での取引となった。NY市場では米商務省が発表した4月米貿易収支は予想より強い内容となったものの、米労働省から発表した前週分の新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったため、強弱入り混じった結果に影響は限定的だった。ただ、その後の米国30年債入札では最高落札利回り4.238%と弱い米債券需要に長期金利が上昇したことで一時80.412円まで上値を拡大した。終値は80.325円となり、7営業日ぶりの反発となった。

ユーロ円は、前日の下落に対してショートカバーが進み、東京市場では堅調な値動きとなったものの、欧州勢参加後は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会とトリシェ総裁の会見が控え、持ち高調整の売りが散発的に入り方向感は出なかった。注目されたECB理事会後のトリシェECB総裁記者会見だが「インフレ抑制には『強い警戒』が必要」との発言を受けて、ECBによる7月の利上げ観測を強めたことから一時117.30円付近まで上昇。ただ、その直後に「2012年のユーロ圏の成長見通しやインフレ見通しが全体的に落ち着いている」と示したほか、7月の利上げを織り込んだ市場参加者は材料出尽くし感から利益確定の売りで反応すると一時115.926円まで急落した。引けにかけ、大幅下落となった反動による買い戻しや、NYダウの堅調推移からリスクが選考され116.514円まで回復して取引を終えた。終日激しい値動きとなったが、結局前日比は+0.031円と「往って来い」となっている。


今日の展開


ドル円は7営業日ぶりに反発し、下値では本邦輸入企業や、個人投資家からの買い志向が支えており、下落を押し止めている。しかし、イエレンFRB副議長が「米住宅市場は精彩を欠く回復が続いている」「住宅在庫は当面厳しい状況が続く可能性が高い」などと発言したほか、前週分の新規失業保険申請件数も悪化するなど脆弱な住宅関連や雇用指標に改善は見られず、更なる上昇には疑問が残る。チャートを見ても80.80-90円に日足一目均衡表の雲下限、基準線、転換線などポイントが密集しており、81円台へ上昇するには力不足と言えようか。下値では引き続き5月5日安値79.562円を試す展開が想定され、仮に同水準をブレイクした場合は、オプションのストップ注文が大量に控えているとの観測も出ており、投機筋の売り仕掛けで相場を崩されるリスクも頭に入れておくべきだろう。

ユーロは昨日トリシェECB総裁が示唆した通りに7月に利上げをすることはほとんど疑いの余地はないと考えられるが、ギリシャを始めとするユーロ圏ソブリン債危機を考えると、7月以降の積極的な利上げについては慎重にならざるを得ないため、市場が7月の利上げを既に織り込んでいる現状ではダウンサイドリスクの方が高いといえようか。また、今週に入りドイツの貿易収支、経常収支、鉱工業生産など、独経済指標が相次いで市場予想を下回っているほか、ECBが発表したユーロ圏の経済予想で2012年の成長率の下限とインフレ率の上限をそれぞれ引き下げたことは足枷となるだろう。テクニカル面でも対円は方向性を示す一目均衡表の基準線が急降下したことで相場が崩れるシグナルがでており、当面は心理的な節目となる116.00円付近を下値の目処としたい。仮に下抜けた場合は同指標の雲下限114.70円付近まで下値余地を広げておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-81.00
ユーロ・円 115.50-117.50
ポンド・円 130.00-133.00

【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 消費者物価指数
15:00 DEM 卸売物価指数
15:45 FRF 鉱工業生産指数
17:30 GBP 鉱工業生産指数
17:30 GBP 製造業生産指数
17:30 GBP 卸売物価指数
20:00 CAD 新規雇用者数
20:00 CAD 失業率
21:30 CAD 四半期労働生産性指数
21:30 USD 輸入物価指数
21:30 USD 輸出物価指数
03:00 USD 月次財政収支

≪2011年6月9日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
陽線引けとなり若干「ブル」の割合が減ったものの、現状レベルではやはり買い注文が圧倒
している。しかし、景気先行き不透明感の根強い米国で、超低金利政策が長期化するとの観
測から依然として米国10年債利回りは3%を下回る水準で推移しており地合いは弱い。また、
下値で当局からの介入期待感があるが、現状の相場ではドル安の様相を呈していることで、
3月18日のような海外からの協調介入などのコンセンサスを得るのは難しく過度の期待は禁
物だろう。


ポンド円「ブル」
BOE(英中央銀行)は9日、政策金利を現行の0.50%に据え置くことを決めたと発表したほ
か、資産買取プログラムも2000億ポンドで維持し、市場の予想通りの結果となったことで
参加者のポジションにも大きな反応はなく「ブル」が継続された。今週に入りレンジでの揉
み合いが続いているが、上値132円を突破できるようならば上昇期待も強まる一方、130円
をブレイクするようなら売りが加速しそうな地合となっている。本日の17:30に鉱工業生産
指数、製造業生産指数、卸売物価指数と複数の英指標が予定されており、結果次第では上記
レンジをブレイクアウトする可能性もあるだろう。


豪ドル円「ブル」
豪州の早期追加利上げ期待が後退したことや、豪雇用統計の悪化が嫌気され、84.50円付近
まで下落する場面では押し目買いが散見し「ブル」となった。しかし、豪雇用統計や先週発
表された豪GDPの下振れなど、良好だった豪ファンダメンタルに翳りが出てきたほか、NY
金など商品価格も一服していることから調整ムードが漂っている。短期的な下値の目処とし
ては5月5日安値84.308円となるが、仮にこちらをブレイクするようであればボリンジャー
バンド-2σの差し掛かる84.25円付近まで押し目買いは慎重に対応したい。


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