危ない外債ファンドの話ばかりしてきたが、もちろん全部が全部ダメなわけではない。しくみが複雑なものや組み入れ債券の格付けが低すぎるもの、コストが高すぎるものを避け、基準価額や残高の推移が安定しているものを選べば、十分投資妙味のある商品もある。

「外債ファンドは、大きくインデックスファンドとアクティブファンドに分かれます。ベンチマークを上回ることを目指す後者は、コストが高い上に、コンスタントに収益を挙げられているものが少ないので、私なら『eMAXIS新興国債券インデックス』のような、インデックスファンドをおすすめします」(内藤氏)

中村氏も「原則はインデックス投資のほうがベター」とのこと。「または『ABF汎アジア債券インデックスファンド』のようなETFなら、より低コストでインデックス投資ができます」(中村氏)

ややマニアックだが長期投資を前提にCB(転換社債)型も注目だという。また、どうしても高金利通貨の勢いに投資したい人には「強いて言うなら(笑)『豪ドル毎月分配型ファンド』でしょうか。保有したら、常に為替動向に注意することをお忘れなく」(中村氏)






証券マンの売り文句にだまされるな!


今年から個人向け国債や郵貯の定額貯金の満期ラッシュに入り、年2兆円規模の資金が毎年、個人に返ってくる。受け皿として外債や外債ファンドが空前の大人気だが、これは売り手である証券会社や銀行がつくったブームでもある。

「株より外国モノを売れと全店に号令がかかっています」と明かすのは、大手証券の営業マンA氏。

「販売業者にとって、外債ファンドは確実に手数料を落としてくれる超優良商品なのです」

強引な営業の売り文句には嘘が含まれているから特に注意が必要だという。

「『格付けの高い先進国の国債に投資する』と謳って、投資家を安心させようとしますが、格付け機関が格下げするのは危機前ではなく危機の最中。『国債型で安定運用』といっても、国債だって価格変動します」

金融機関が積み立て投資を勧めるのも、下心があるという。

「積み立て口座の客は解約しないから。また、『リスク分散のため』と言って、複数ファンドを買わせるのも常套手段。しかし、実際は複数買ったって、一斉にコケれば無意味。ただ、ファンドをいくつも持たせておけば、同時に全部を売却されない限り、客には逃げることはできないから買わせているだけなんですよ」

地雷を踏まないためにはどうしたらいいのか?

「まず1口当たりの基準価格を見てほしい」とA氏はアドバイスする。

「基準価格は1口1万円スタートが基本なので、8000円ならばすでに元本の2割を吹き飛ばしてしまった可能性が大きいということ。分配金が出ても、元本の目減りが大きければ何の意味もない。『○○証券が売るんだから大丈夫』と安心してはダメ。販売業者と運用成績は関係ない。メガバンクや有名な大手証券が扱うからといって安全なわけではない。思考停止せず、常に売り文句の本当の意図を考えて投資するべきということだ。



中村 宏氏
ファイナンシャルプランナー、ワーク・ワークス代表。個人のコンサルティングやセミナー講師、雑誌への執筆など、多方面で活躍中



内藤 忍氏
マネックス・ユニバーシティ代表。マネックス証券などを経て現職。セミナー講師も務める。新刊「貧乏は99%治る」好評発売中!