実質ゼロ金利の日本では、変動10年タイプの個人向け国債は0・51%(第34回債)と、ほとんど預金金利と変わらないレベルだ。

これに対し、ブラジルの政策金利は10・75%。オーストラリアも4・75%と高く、当然債券利回りも日本より高い。豪ドル債ファンドやブラジル債ファンド、あるいはそれらの国の債券そのものに人気が集中するのも当然だ。しかし、内藤氏は「一概に高金利=高リターンとは言えないんですよね」と指摘。

「まず、外債のほうは、ファンドと違って満期まで持たないと損失が出ます。が、償還日に為替レートがどうなるかは誰にもわからないので、為替差損が出やすい。いくら高金利でも、為替差損で元本割れもありえます」(内藤氏)

その点、外債ファンドはいつでも売買できるが「いかんせん店頭だと販売手数料が1・5〜3%と高い。せっかくの高金利でも手数料分マイナスです。債券や外貨預金なら商品自体の手数料はかからないのですが、為替手数料はとられます。これは、新興国通貨ほど高額です」(内藤氏)。

要は、預金も債券もファンドもコストネックということ。コスト面で有利なFXで高金利通貨を買うほうがはるかに低コストだ。

左は豪ドル/円の為替変動と、豪ドル債ファンドの基準価額の推移だが、豪ドルが高くなっているとき、基準価額も上昇していることがわかる。豪ドル建てで運用している債券を円建てに換算したのがファンドの基準価額だからだ。

だったら、豪ドル債の代わりにFXで豪ドルを買っても似たような成果ということになる。

「FXはレバレッジ1倍ならリスクを抑えられ、実質外貨預金と同じ効果。しかも、為替手数料は外貨預金より割安。当然FXも視野に入れるべき」(内藤氏)




中村 宏氏
ファイナンシャルプランナー、ワーク・ワークス代表。個人のコンサルティングやセミナー講師、雑誌への執筆など、多方面で活躍中



内藤 忍氏
マネックス・ユニバーシティ代表。マネックス証券などを経て現職。セミナー講師も務める。新刊「貧乏は99%治る」好評発売中!