株式を組み入れたファンドと比べ、比較的安定したリターンが期待できるとして、ブラジルレアル建て債、豪ドル債などを中心に人気を集めている外債ファンド。
安定していて、しかも高利回りとくれば人気なのは当然だが、実は、多くのリスクが潜んでいていた!?


大人気「豪ドル債」「ブラジル債」「通貨選択型」に
買う価値はあるのか?




商品名だけでもわかる危ないポイント


投信業界で再び脚光を浴びる外債ファンド。日本を除く世界各国の国債や社債などに分散投資する投信で、売れ筋は豪ドルなどの高金利国の債券に投資する商品だ。さらに、投資する通貨を選択できる「通貨選択型」も人気。この1年のリターン(収益率) 15〜20%の商品もザラというからスゴイ。

だが、うまい話にはウラがある。

冷静に考えれば、リスクを取らずにこのようなリターンを享受できるはずがない。そもそも、よく目にする「高利回り」という言葉自体クセモノ。投資対象の債券自体の収益性ではなく、「高金利のブラジル通貨を使って利回りを高くしたファンド」という意味で使われることも。また、客寄せで無理やり分配金を増やして、見た目上の「分配金利回り」を確保しながら、基準価額が下落していることも。ほかにも外債ファンドのリスクはいくつもある。まずは当然為替変動リスク。債券は元本の安全性は高いが、現地通貨建てで元本が確保されても、為替が円高に振れると、円ベースではマイナスになることも。

金利変動リスクも留意したい。

投資した国の金利が上がれば、債券価格は下落。そうなると、ファンドの基準価額も下がってしまうのだ。信用リスクもある。株と同じで、債券も発行元が破綻すれば、元本が戻ってこないことも。そして、当然信用度の低い高利回りの債券ほど、信用リスクは高い。

「高利回りを謳った商品は、いま挙げたリスクがある。そんな危ないものを買っている自覚もなく「『儲かれば何でもいい』とリスクを気にしない人が多すぎます」と、FPの中村宏氏は言う。

中村氏は、外債ファンドのリスクレベルは商品名を見るだけである程度わかるという。投資対象の国や債券の種類、分配金の回数などが明記されているからだ。右上の表を見てほしい。「豪ドル債オープン(毎月分配型)」とある。

ここでわかるのは、オーストラリアドル建ての債券に投資し、毎月分配金が出る商品だということだ。

特に「ハイ・イールド債」などと書いていなければ、主に比較的高
格付けの公社債を対象としていることも読みとれる。ハイ・イールド債とは、信用格付けが低く「投資不適格」とされる債券のこと。ほかにも「ソブリン債」「エマージング債」など、発行体や格付けがある程度想像できる単語が商品名に入っていることが多い。

商品名以外に最低限確認しておくべき点としてマネックス・ユニバーシティの内藤忍氏が挙げるのは「基準価額の推移」「純資産残高」「信託報酬」など。基準価額や残高は、規模より、安定して推移しているかを確認。信託報酬(運用手数料)は同じ投資対象の競合商品と比べ高すぎないかは見ておくべき。中村氏が加えて挙げるのが標準偏差。標準偏差は一定期間内の値動きの度合いのこと。この数値が大きければハイリスク、小さければローリスクとわかる。

「大まかな数式は省きますが、ファンドの最大損失は『マイナス2×標準偏差』で予測。標準偏差が20%なら、最大40%の損失の可能性があると言うこと。

最大損失に耐えられるどうか考えて買わないと、知らないうちに自分のリスク許容度を超える商品を買う可能性も」(中村氏)





中村 宏氏

ファイナンシャルプランナー、ワーク・ワークス代表。個人のコンサルティングやセミナー講師、雑誌への執筆など、多方面で活躍中



内藤 忍氏

マネックス・ユニバーシティ代表。マネックス証券などを経て現職。セミナー講師も務める。新刊「貧乏は99%治る」好評発売中!