2011/6/9 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、序盤こそ散発的に買われて一時80.29円まで上昇する場面も見られたものの、仲値通過後はバーナンキFRB議長が前日の公演で「米経済に力強さがないことから、金融緩和の継続が必要だ」との見解を示したことが再び意識されると80円を割れる展開となった。売り一巡後に、本邦5月の景気ウオッチャー調査で基調判断が引き上げられると、日経平均の下げ幅縮小もあって一時80円台に反発したが、欧州勢参加後は米国の金融緩和長期化が改めて懸念されたことで米10年物国債の利回りが低下すると再び80円台を割り込み一時79.700円と5月5日以来の安値まで下げた。NY市場では引けにかけて公表される地区連銀景況報告(ベージュブック)を見極めたいとの雰囲気が強く、しばらく79.80円付近でもみ合いが続く展開。注目のベージュブックだが「経済活動は引き続き拡大したものの、5月は米経済成長に一部減速が見られた」との見解を示したが、概ね想定内の内容だったため反応は薄く動意は生まれなかった。ドル円は79.907円で引けており、これで6営業日続落となっている。

ユーロ円は、米国経済に対する懸念を背景に日経平均やアジア株が軟調に推移したほか、WTI原油先物相場の下落を背景にリスク回避の流れとなり、前日の上昇に対する利食いが散発的入り欧州時間には116.70円付近まで下落した。その後も「ギリシャの新しい救済案は深刻な障害に直面しており、依然として各国ともに満足な合意には達していない」との報道が伝わるなど、ギリシャ救済案をめぐる不透明感から116.50円に観測されていたストップロスを巻き込んで、一時116.298円までまで値を下げた。引けにかけても欧州委員会による報告書で「ギリシャの景気後退は当初の予想よりも深刻で長期化する可能性がある」との見方が示されたことで軟調な地合は継続され前日比-1.117円の116.483円で取引を終えた。


今日の展開


ドル円は、脆弱な米ファンダメンタルから米国10年債利回りは3%を下回る水準で推移しているほか、バーナンキFRB議長は「雇用情勢を注意深く見守る必要性」を強調しており、米国の金融緩和はさらに長期化する可能性は高く、引き続きバイアスは弱気としたい。また、米格付け会社ムーディーズは米国債の格付けを引き下げ方向で見直すと警告しているなか、英格付け会社フィッチ・レーティングスも「8月2日までに米連邦債務枠の引き上げなければ、見通しを「ネガティブ」とする可能性がある」とコメントするなど、ここにきて米格下げ懸念も台頭しており、格付け会社のコメントにも注意したい。テクニカル面では、目先のターゲットとして5月5日安値の79.562円を試す動きが予測されるが、仮に破られた場合、同水準にはオプションのストップ注文が大量に控えているとの観測も出ており、短期筋による仕掛け的な売りも警戒する必要もありそうだ。

ユーロは本日の20時45分に開催される欧州中央銀行(ECB)政策金利の発表に注目が集まろう。ECB理事会では政策金利を1.25%に据え置かれることがコンセンサスとなっているが、トリシェECB総裁の声明ではインフレに対して「強い警戒」という文言を復活させ、次回7月会合での利上げを予告すると見られていることから追い風となろう。しかし、ユーロの利上げに関してはすでに織り込まれていると考えることもでき、声明発表後に材料出尽くし感から売りが優勢となる展開も想定しておきたい。また、格付け会社ムーディーズはギリシャのデフォルト問題で「民間債権者が自発的に借り換えに応じるとは考え難く、それを自発的とみなすのは困難なことから、デフォルトに相当する可能性が高い」と指摘しており、ギリシャ問題に絡んだ報道や思惑には引き続き細心の注意を払う必要がありそうだ。対円でチャートを見てもサポートとして期待された5日移動平均線の差し掛かる117.20円付近を明確に下回ったことで地合は悪化しており、25日移動平均線の差し掛かる115.90円付近を試しに行く動きもあろうか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-81.00
ユーロ・円 115.50-117.50
ポンド・円 130.00-133.00

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 四半期実質国内総生産
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
10:30 AUD 新規雇用者数
10:30 AUD 失業率 5月
14:00 JPY 消費者態度指数
14:30 FRF 非農業部門雇用者
17:30 GBP 貿易収支
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 CAD 新築住宅価格指数
21:30 CAD 貿易収支
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 貿易収支
23:00 USD 卸売在庫

≪2011年6月8日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
終値ベースでも80円を割れるなど、リバウンドを狙う参加者の買いが圧倒し90%以上が
「ブル」となった。バーナンキ議長の「緩和的な金融政策は依然として必要」とした発言
にもあるようにFRBは依然として慎重姿勢を継続しており、量的緩和第2弾の延長や量的
緩和第3弾への思惑を払拭するには至っておらず下値リスクを意識した展開が継続しよう。
また、急激な円高となった東日本大震災後の局面とは異なり、緩やかなドル安となるため、
政府・日銀の介入警戒感は強くはない。ただ、歴史的な安値圏であることもあり、この水
準では割安感から個人投資家の買いが下支えする可能性から突っ込み売りは慎重に行いた
い。


ポンド円「ブル」
一部メディアが格付け会社ムーディーズのアナリストの話として「英国は弱い経済成長や
財政の遅れで「AAA」格付けを失う可能性がある」と報じたことが売り材料となり一時
130.50円付近まで下落すると押し目買いが優勢の展開となり「ブル」。しかし、本日20
時にBOE(英中銀)の政策金利を発表するが、英景気の下振れリスクが強まるなか政策
金利は据え置きを決定する公算が大きく、失望売りが入る可能性は否めない。テクニカル
面でも今週の始めに5日と25日移動平均線がデットクロスしてから地合が悪く、ボリンジ
ャーバンド-1σや、心理的な節目となる130.00円付近まで下値余地を広げる必要があり
そうだ。


豪ドル円「ブル」
豪州の早期追加利上げ期待が後退したことや、米WSJ紙の「豪ドルが対ドルなどで強含み
に推移している事が世界的なリスクとなる可能性がある」と豪ドル高を警戒した記事が話
題となり、豪ドル円は85円を割れる展開。参加者は高い金利水準を背景に依然として買い
意欲は旺盛で「強気」だが、85円の大台を割れ込んだことで、テクニカル的な地合いは一
段と弱まっており、5月安値の84.308円が当面の下値目途として意識されるだろう。ただ、
ボリンジャーバンド-2σの差し掛かる83.90円付近では押し目での買い意欲は高まるため、
同水準ではリバウンド狙いのロングポジションも検討してみたい。


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