2011/6/7 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は東京市場序盤、仲値決済に向けたドル買い需要が意識され、一時80.40円付近まで小幅に上昇したものの、先週の米雇用情勢悪化が引き続き材料視されたことで買いの勢いは長く続かずに80.15円付近まで失速した。欧州勢参加後も米経済の先行き不透明感などを背景としたドル売りが断続的に入り一時5月5日以来約1ヶ月ぶりとなる79.980円まで下値を拡大。ただ、売り一巡後は米10年物国債利回りが上昇したことで日米金利差拡大を意識した買いが入ったほか、80.00円付近では国内金融機関からの買いが下値を支えたとの観測もあり、80.20円付近まで値を戻した。NY市場に移ると主要な米経済指標の発表はなく、特段の材料も見当たらないためもみ合いとなったものの、NYダウが61ドル安で引けるとリスク回避の円買いがやや優勢となり80.051円まで小幅下落して取引を終えた。

ユーロ円は先週金曜日にEU・IMF・ECBが共同声明で「ギリシャへの次回融資は7月初旬にも実施される見込み」と発表したことを受けて、ギリシャの債務懸念の後退を背景にロンドンフィキシング(16:00)までは買いが散発的に入り一時117.701円まで上値を拡大した。ただ、フィキシング通過後は利益確定の売りが入ったほか、英・独の株価指数先物やNYダウ先物、WTI原油先物が軟調に推移し、リスク許容度が低下したため117.20円付近まで軟化した。NY勢参加後もフィッチレーティングスがギリシャの格付けについて、救済目的の債務交換が行われれば「C」へ引き下げの可能性を示した上、民間債権者が自主的に債務繰り延べに応じたとしても、条件が悪くなるようであれば「デフォルト」の可能性まで言及したことで116.575円まで下値を拡大した。その後もユンケル・ルクセンブルク首相が「ユーロはどちらかと言えば過大評価されている」と発言したことも重石となり、前日比-0.784円の116.713円で取引を終えている。


今日の展開


先週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数変化と失業率で共に市場予想を大きく下回り、特に非農業部門雇用者数は、増加幅が過去8ヶ月の中で最も小さいという非常に厳しい内容となっている。また、内訳を確認してみてもこれまで牽引役となっていた「民間部門」が前月比8.3万人増にとどまっているほか、民間部門の詳細を確認すると、製造業は5000人減、小売業は8500人減、接客業は6000人減となるなど、全体的にマイナス傾向であり、アメリカの雇用環境が徐々に困難な状況に立たされているということが感じ取れる内容となっている。このような結果を受け、米長期金利も節目の3.00%を割り込む展開となるなどドルの上値は短期的に重い状況となると考えられ、対円でも5月の連休中につけた79.50円付近が水準として意識されよう。また、最近の値動きは急激な円高ではないため、政府・日銀も円売り介入はやりづらい状況にある上、菅首相の早期退陣から大連立政権成立が現実味を帯びてくれば、円にとってポジティブに受け止められる可能性があり、要注意だろう。

ユーロは、先週ギリシャが64億ユーロの財政削減計画と780億ユーロ規模の国有資産売却計画を提示し、それをEUとIMFが理解を示したことで、ギリシャへの支援がようやく動き始める見通しとなった。これで欧州高債務国の信用不安が払拭されるとみるのは時期尚早だが、日本の金融緩和長期化観測が強まるなか円が買いづらい局面が続いている上、ECBの7月利上げ期待は依然として高いことから堅調推移が予測される。テクニカル的にみてもゴールデンクロスした5日移動平均線にサポートされる形になれば5月31日高値117.803円を試す展開となろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-81.00
ユーロ・円 115.50-118.50
ポンド・円 130.00-133.00

【今日の主な経済指標】
08:01 GBP 英小売連合小売売上高調査
08:50 JPY 外貨準備高 5月
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気一致指数
14:00 JPY 景気先行指数
16:15 CHF 消費者物価指数
18:00 EUR 小売売上高
19:00 DEM 製造業新規受注
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所企業信頼感指数
21:00 BRL IBGE消費者物価指数
04:00 USD 消費者信用残高

≪2011年6月6日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米経済の先行き不透明感などを背景としたドル売りを受け、一時80円を割れると割安感
から約90%の参加者が「ブル」となっている。しかし、脆弱な米ファンダメンタルに加
えて、テクニカル面でも日足一目均衡表雲下限を大きく下回ったほか、5日、25日、75
日の移動平均はいずれもマイナスに傾いており、下落トレンドと確認することができる。
ボリンジャーバンド-2σの位置する78.70円付近までは下値余地があると想定しておくべ
きだろう。


ポンド円「ブル」
特に材料が出たわけではないが、先週から約5円弱下落したことで押し目での買い意欲
は強く「ブル」となっている。今週の注目は水、木曜日に開催される英中銀金融政策委
員会での政策金利と資産買い入れ規模の行方となるが、金利と買い入れ額は共に据え置
くことがコンセンサスとなっている。また、タカ派の急先鋒であったセンタンス金融政
策委員が先月末で退任した上、前回まで利上げを支持していたデール英中銀理事が利上
げ主張を取り下げる可能性も否めず、英利上げの先送り懸念がさらに高まれば130円割
れも十分考えられよう。


豪ドル円「ブル」
日米の景気減速懸念や金融緩和長期化観測、ソブリン格下げ懸念を背景に豪ドルが買わ
れやすい地合となっている上、金などの商品価格上昇していることもサポートとなり「
ブル」は継続している。本日は豪中銀の政策金利の発表が予定されており、金利は据え
置きとの見方が有力なため、注目は声明の内容ということになろう。前回の声明では早
期利上げは否定しているものの、豪第1四半期GDPの悪化が洪水の影響による一時的な
ものと考えれば、7月に豪準備銀行は追加利上げを決定する可能性も否定できず、声明
に次回の利上げのヒントが盛り込まれるかどうかが注目点となろう。ただ、テクニカル
面では日足一目均衡表の雲上限を割り込んでおり、短期的には軟調な展開も想定してお
く必要がありそうだ。


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