2011/6/1 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は序盤、米ウォールストリートジャーナル紙が「ドイツがギリシャの財政問題に対して新規融資支援パッケージを再構築し、ギリシャ国債債務の早期再編要求を取り下げる検討している」と報じられると、ギリシャの財政問題への懸念が後退し対ユーロでのドルの下落に伴って、ドル円は緩やかに軟化した。しかしその後、米格付け会社ムーディーズが日本の格付けを引き下げ方向で見直すと発表すると、一転して円売りが優勢となり81.35円付近まで反発。欧州市場に入ると、東京電力の福島第1原子力発電所の4号機近辺で爆発音が聞こえたとの報道が伝わり、一段と円売りが強まると81.772円まで上昇した。NY市場に移ると、シカゴ購買部協会景気指数が56.6と市場予測の62.0を下回ったことや、消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)も60.8と市場予測の66.5を下回ったことなどを受けて米長期国債利回りが低下に転じ、日米金利差縮小を意識した円買いドル売りも入り81.15円まで反落。その後、円買いが一服するとNYダウが本日高値圏まで回復したため、リスク許容度改善を意識した売りが引けにかけて強まり81.487円まで上昇し取引を終え、2日続伸となった。

ユーロ円は、東京時間に米WSJ紙が「ギリシャの新規融資と債務再編延長の要求を取り下げる」との報道がされたほか、米格付け会社ムーディーズが日本格付けを格下げ方向で見直すとの発表を受けて、ユーロ買い円売りの動きが活発化し116.95円付近まで上昇した。欧州市場に入ると、福島原発での爆発騒動で円売りが強まり117.803円まで上値を伸ばす展開に。しかしNY市場では、弱い米経済指標を背景にリスク回避型の円買いが強まると116.741円まで反落。引けにかけて、引き続きギリシャへの早期債務再編を取り下げるとの報道が意識され、投資家がリスクを取りやすくなるとの見方から、ユーロ買いが強まり117.276円まで上昇し前日比+1.699円で取引を終えた。


今日の展開


ドルは、米経済指標の悪化を背景に景気減速懸念が高まっていることから、週末の米雇用統計は前回の結果よりも低下するとの見方が強まってきている。また、昨日も米消費者信頼感指数が市場予測を下回っており、米景気の先行きに対して慎重な見方から米長期国債利回りが低下し金利面からもドル売り圧力は強まるなど、短期的にはドルのプラス材料が見当たらないことから、下値への警戒をしておきたいか。だが一方、円は米格付け会社ムーディーズが日本の格付け見通しを引き下げたことから円が売られトレンドは上昇方向になっているため、下落局面では押し目を拾いたい。

ユーロは、ドイツによるギリシャの債務再編に関する新規支援期待の高まりを背景に投資家心理が回復しており、今後ドイツがより具体的なメッセージを市場に示すことができれば、ユーロを買い戻す動きにつながりそうだ。だが、ドイツ自由民主党議員からは「ギリシャはユーロ圏を脱退すべき」と強硬な発言が出るなど、与野党での意見対立も表面化してきており、一筋縄にはいきそうにないとみられる。また、本日はユーロ圏のおもな経済指標もないため、株式市場の値動きによるリスク許容度の変化にくわえ、ギリシャの債務再編と欧州高債務国の財政問題に関する要人発言やニュースなどを手掛かりにしたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-82.50
ユーロ・円 116.00-118.50
ポンド・円 132.50-135.50

【今日の主な経済指標】
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数 5月
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI) 5月
17:30 GBP マネーサプライM4[前年同月比] 4月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
20:30 USD チャレンジャー人員削減数[前年比] 5月
23:00 BRL 貿易収支 5月
23:00 USD 建設支出[前月比] 4月
23:00 USD ISM製造業景況指数 5月

≪2011年5月31日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ベア」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
弱い米経済指標を受けてリスク回避姿勢が強まるなか、米長期金利利回りの低下を背景
に日米金利差を意識したドル売り円買いが散発的に入ったものの、参加者は値ごろ感か
ら「ブル」維持。本日の米経済指標は、MBA住宅ローン申請指数、チャレンジャー人員
削減数、建設支出、ISM製造業景況指数など複数の発表を控えている。なかでもISM製
造業景況指数は雇用情勢を見極める指標として注目されそうだ。市場予測は57.2と前回
の60.4よりも低下しているが、先週の地区別の連銀製造業景気指数が軒並み市場予想を
下回っていることから、弱い数字が出た場合を想定し慎重姿勢で臨みたい。


ポンド円「ブル」
日本の格下げ報道にくわえ、福島原発の爆発音騒動で円が全面安になり5月3日以来とな
る135円台を示現。参加者も円売りから参戦し「ブル」。日本の景気下振れ懸念が高ま
っていることや、米経済指標の悪化を背景とした金融緩和長期化観測も強まっており円
とドルが売られやすいため、欧州通貨のポンドに買い妙味があろうか。また、ドイツが
ギリシャに対して新たな支援策を打ち出すとの報道も伝わっており、より具体的な支援
策が発表された場合には、ポンドのサポート材料になろうか。


豪ドル円「ブル」
豪住宅建設許可件数は-1.3%と市場予測の-1.8%より改善したものの、同時に発表され
た豪経常収支が-104.47億豪ドルと、予測の100億豪ドルよりも赤字幅が拡大し豪ドル
売りが強まったが、参加者は押し目買いのチャンスとみて「ブル」を維持。ただし、豪
経済成長の先行きについて楽観的な見方が後退しており、本日発表を控えている豪四半
期国内総生産(GDP)が予測から下振れした場合に備え、買いポジションの調整をして
おきたいか。


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