2011/5/30 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は序盤、米四半期実質国内総生産(GDP)と週間新規失業保険週間申請件数が市場予測より悪化したことを受けて、米国経済の景気減速懸念が高まったことを背景に米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を実施するのではとの憶測から、ドル売りが強まり80.90円付近まで軟化した。だが、欧州勢参入後は格付け会社大手フィッチ・レーティングスが日本の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことを受けて、円売りが優勢となり81.10円まで上昇した。NY市場に入ると、米個人消費支出が発表され市場予測通りの結果から為替への影響は限定的だったものの、米4月住宅販売保留指数が-11.6%と市場予測の-1.0%を大幅に下回ったことから、リスク回避の円買いドル売りとなり80.702円まで下落し80.822円で取引を終えた。

ユーロは、6月で終了する量的緩和第2弾(QE2)を前に米国のファンダメンタルズの悪化を受けて、一部の市場参加者から第3弾(QE3)の実施観測がでたことにより対ドルでのユーロの上昇につられ、東京市場では115.70円付近まで上昇した。しかし欧州市場に入ると、5月ユーロ圏消費者信頼感が前回発表から下方修正されたことや、ベルギーの大手金融機関デクシア株が売買停止になったのが、ギリシャ債の影響によるとの憶測が市場の一部から出され、リスク回避の円買いが優勢になり114.95円付近まで軟化した。円買い一巡後に格付け会社大手フィッチが日本の格付け見通しを格下げすると発表したことやデクシア株の売買停止がギリシャ債とは関係ないことが判明したため、市場に安心感が広がり115.992円の高値を付けた。NY市場に入ると、弱い米住宅指標に嫌気しリスク回避型の円買いが強まったため115.15円付近まで反落したもののNYダウが80ドル超高に伴いリスク回避姿勢が後退したことからユーロ買い円売りが強まり前日比+0.610円となる115.588円で取引を終えた。

今週の展開


ドル円は、先週発表された四半期実質国内総生産(GDP)や週間新規失業保険週間申請件数の悪化を背景に急速に米国経済に対して先行き不安が高まっているうえ、欧州の財政問題を背景にリスク回避マネーが米国債に流れ米長期利回りの低下につながっており、金利面からもドル売り圧力が強まっている。一方、円は格付け会社フィッチが日本の格付け見通しを引き下げたほか、与謝野経済財政担当相が今年度の国内総生産(GDP)伸び率が0.6%-0.7%近くまで低下するとの見通しを示していることから円も売られやすい地合いになりそうだ。その他では、今週の米経済指標は31日ケースシラー米住宅価格指数、シカゴ購買部協会景気指数、消費者信頼感指数、6月1日チャレンジャー人員削減数、ADP雇用統計、建設支出、ISM製造業景況指数、2日四半期非農業部門労働生産性、製造業新規受注、3日非農業部門雇用者数変化、失業率、ISM非製造業景況指数などが発表される。もっとも市場の注目は、週末金曜日に発表される雇用統計だろう。地区別の連銀製造業景気指数が軒並み市場予想を下回っていることから、市場では雇用情勢は悪化するとの見方を強めており、思惑から突発的な動きも想定されるため慎重に対応していきたい。

ユーロは、引き続きギリシャの債務再編に注目されそうだ。27日ギリシャ政府は債務再編に向けて野党との党首会談にのぞんだものの、追加の財政緊縮策について合意を得られなかった。パパンドレウ・ギリシャ首相は「危機脱却に向けたべての提案を排除しない、総選挙は2013年に実施」「野党と歩み寄る余地あると引き続き確信」と強気の発言をしている。また、プロボポラス・ギリシャ中銀総裁は「欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)のプログラムが継続すれば、ギリシャはリプロファイリングなしに債務を完済できるだろう」と述べるており、今後はギリシャが追加の財政緊縮策に踏み切るか、欧州当局がギリシャ債の期間延長するか、償還債の保有者に借り換え債を買わせるなどが想定されるが、
どの対応に迫られてもユーロにとって厳しい選択となりそうだ。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-83.50
ユーロ・円 113.00-117.00
ポンド・円 132.00-136.00

【今週の主な経済指標】
5月30日
7:45 NZL 貿易収支
21:30 CAN 四半期GDP(年換算)
21:30 CAN 四半期経常収支

5月31日
8:30 JPN 完全失業率 / 有効求人倍率
8:50 JPN 鉱工業生産(速報値)(前月比/前年比)
10:30 AUS 四半期経常収支
10:30 AUS 住宅建設許可(前月比/前年比)
16:55 GER 失業率 / 失業者数増減(前月比)
18:00 EUR 消費者物価指数(速報値)(前年比)
18:00 EUR 失業率
22:00 CAN 加中銀(BOC)政策金利発表
22:00 USA S&P/ケースシラー住宅価格指数(前年比)
22:45 USA シカゴ購買部協会景気指数
23:00 USA CB消費者信頼感指数

6月1日
10:30 AUS 四半期GDP(前期比/前年比)
17:28 GBR 製造業PMI
21:15 USA ADP民間雇用者数
23:00 USA ISM製造業景況指数
23:00 USA 建設支出(前月比)

6月2日
10:30 AUS 貿易収支
10:30 AUS 小売売上高(前月比)
21:30 USA 新規失業保険申請件数(前週分)
23:00 USA 製造業受注(前月比)

6月3日
7:45 NZL 住宅建設許可(前月比)
16:58 EUR サービス業PMI(確報値)
17:28 GBR サービス業PMI
21:30 USA 非農業部門雇用者数 / 失業率(雇用統計)
23:00 USA ISM非製造業景況指数

≪2011年5月27日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ベア」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
米住宅市況の大幅な悪化を背景に円買いドル売りが強まったものの、参加者は押し目買い
チャンスとみて「ブル」を維持。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を
実施するのではとの憶測が燻りつつあるものの、実際に踏み切るには悪材料が乏しいこと
から実施はしないものとみられる。ただし、足元の米国経済が弱いため、経済成長を妨げ
るネガティブな材料が出た場合には再燃する可能性もあり注意しておきたい。


ポンド円「ブル」
日米の金融緩和長期化観測が高まっているうえ、ギリシャの債務再編が難航していること
から、比較的マイナス要因の少ないポンドが買われており、参加者も「ブル」を維持して
いる。ただ、本日の英国はスプリング・バンクホリデーで休場になることから取引の動意
に欠く展開が想定されるが、株価や商品相場の値動きに伴うリスク許容度の変化のほか、
欧州高債務国の財政問題に関する要人発言やニュース等には警戒しておきたい。


豪ドル円「ブル」
米個人消費支出や個人所得がほぼ予想通りの結果になったことに好感し、NYダウが上昇し
たことで、投資家のリスク志向が改善するとの見方から買いが進み、参加者も「ブル」を
維持。また、NYクローズ間際に発表された米財務省の為替報告では、中国を為替操作国と
して認定しないと発表したことから、中国と貿易で深いつながりにある豪州にはサポート
材料になりそうだ。たが、豪準備銀行は声明文で「25日に発表される豪GDPは洪水の影響
で悪化する」としているため、予測よりも悪化した場合にそなえポジションの傾け過ぎに
は注意したい。


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