貴金属・レアメタルこそが、世界同時株安に効くクスリ



アメリカ、ヨーロッパ、日本と世界中で株安が蔓延中。そんな中、投資家たちの間で脚光を浴びている投資のひとつが、貴金属・レアメタルへの投資だ。不安要素が多い株券、債券などの資産に比べて、実物資産として安定性が高い点が人気の理由だ。そこで初心者にもできるさまざまな「鉱物買い」を紹介する そのメタリックな魅力に夢中になること間違いなし!!




二番底の危機こそ貴金属投資に注目せよ。


低金利に株安。市場全体にカネ余り状態が続くなか、現在世界中の投資家が注目するのが、貴金属・レアメタルへの投資。なぜ今、鉱山物資源に注目が集まるのか。

投資アドバイザーのカン・チュンド氏はその理由をこう解説する。

「貴金属やレアメタルは存在そのものに価値があり、無価値になることがありません。例えば株などは最悪の場合、すべてがご破算になる可能性もありますが、希少性の高い鉱物であれば世界共通で通用する資産になりますから」

また、貴金属アナリストの近藤雅世氏も「アメリカの金融危機やギリシャショックも記憶に新しいヨーロッパの不況など、日本を含め先進国の景気も悪化。だからこそ、確実性の高い鉱山物資源への投資が有効なんです。そのなかでも一番人気はやはり金。『金は有事に上がる』と言われていますが、6月21日に史上最高値をつけ、現在再び上昇中です。普遍性が高くて宝飾品としても価値がある。あとは、工業用途で利用されている鉱物。プラチナやパラジウムなどは自動車の排ガス対策の触媒としても使われているし、そのほかのレアメタルでは、最近は電池材料としての活用が期待されているリチウムも注目です」

現物としての価値もあり、かつ今後工業用として需要が高まる可能性も秘めているとは魅力的。だが一言に「鉱物買い」といっても、方法は千差万別。そこで、さまざまな貴金属・レアメタル投資法を紹介する


【ETF】現物交換可能な貴金属 ETFシリーズが登場。



 貴金属ETFといえば、ゴールドシェアやETFセキュリティーズなど、日本にも各種存在するが、なかでも注目なのが今年7月に三菱UFJ信託銀行から上場されたのが「金の果実」シリーズ。金、銀、プラチナ、パラジウムと4種類の貴金属がETFで購入できる。

このシリーズの産みの親である三菱UFJ信託銀行の星治氏は「従来の国内ETFは現物交換ができなかったり、現物はあっても海外保管されている商品ばかりです。でも、この『金の果実』シリーズは、国内に現物が保管してあるうえ、金とプラチナに関しては1kgから交換が可能。現物の裏付けがある純国産商品として安心感があるのでは。なお、指標価格には日本人に親しみのある『円・グラム』単位を採用し、東京工業品取引所で発表された1gあたりの先物価格を同日付のフォワードレートで現在価格に引き戻した理論価格を用いています」と語る。

また、最低売買単位も、一口1gに。金なら3500円前後からスタートできるうえ、証券口座さえあれば取引できるので、初心者とってもわかりやすい。

だが保有するには、金なら年率0・42%、その他は0・525%の信託報酬(消費税込み)、さらに監査報酬の費用も必要だ。それでもETF投資をするメリットをカン氏はこう語る。

「貴金属ETF投資には、売り買いで儲ける短期型と、保険の意味合いで投資する長期型の2種類あります。前者の場合、株と同様、貴金属は日々売り買いされているので、価格が下がれば購入して、値上がりしたら売ればいい。ただ、売買には手数料がかかるので、少額からスタートするならば、売買に毎回手数料をかけるより、値崩れしにくい安全資産としての長期保有をおすすめします。投資額の目安としては自分の貯蓄全体の5%ほどがちょうどいいのでは」

ガッツリ稼ぐというよりは、むしろ大不況時に自分の資産を守る安全材料ということか。なお、9月中はカブドットコム証券で「金の果実」シリーズを買い付けすると手数料が無料なるそうなので、興味がある人は挑戦してみよう。




星 治氏

三菱UFJ信託銀行フロンティア戦略企画部統括マネージャー。貴金属現物ETF「金の果実」シリーズの立ち上げを担当



カン・チュンド氏

晋陽FPオフィス代表。インデックス投資アドバイザー。
著書に『毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』など



近藤雅世氏

株式会社コモディティーインテリジェンス代表。貴金属アナリスト。
著書に『商品先物取引 基礎知識と儲けの方法』など