2011/5/18 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場序盤は仲値公示にかけたドル不足が観測されたほか、豪準備銀行理事会議事録で「インフレ緩和のために、豪準備銀行はある時点で利上げが必要となる」との見通しを示したことで豪ドル円が上昇するとつられてドル円も81.20円付近へと上値を拡大した。また、欧州勢の参入後も円売り地合いが継続するなか、英消費者物価指数が強い数字になるとの噂を背景としたポンド円の上昇がサポートになった上、GLOBEXのNYダウ先物の上げ幅拡大を受けたリスク選好の円売りもあり、81.766円と4月28日以来の高値まで上値を拡大した。しかし、NY市場では米商務省が発表した米住宅着工件数と建設許可件数が市場予想をいずれも下回り米住宅市場の悪化が示された上、米連邦準備理事会が発表した米鉱工業生産指数と米設備稼働率も市場予想を下回るなど、複数の弱い米経済指標を受け米長期金利が低下すると81.20円付近まで反落。その後は、米長期金利が下げ幅を縮小していることから81円台はキープし81.336円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、本邦製薬最大手の武田薬品工業によるスイスの製薬会社ナイコメッド買収に絡む資金調達によるユーロ買いフローがサポートとなると115円台を示現。その後も日経平均、上海総合、GLOBEXのNYダウ先物が揃って前日比プラス圏へと浮上し、金・原油相場も底堅く推移したことから、リスク選好の円売りも強まり東京市場終盤に115.60円付近まで上昇した。欧州時間に入っても勢いは止まらず、本邦M&A絡みのフローを意識した思惑的なユーロ買いが引き続き観測されたほか、ギリシャの債務問題について協議されるEU財務相理事会を前に加熱していたユーロ売りを調整する動きが活発化したことで一時116.225円まで続伸となった。ただ、NY勢参加後は一部報道で「メルケル独首相がギリシャの債務再編に反対する姿勢を示している」と報道された上、ユンケル・ルクセンブルク首相が「ギリシャの債務レベルは全体として維持できない水準にある」とコメントすると114円台まで反落となった。しかし、売り一巡後は日経新聞が「武田薬品工業はスイスの製薬大手ナイコメッドを買収することで18日に合意し発表する」と伝わると、M&A絡みのユーロ買い需要が再び意識されて116円台前半まで持ち直し、前日比+1.432円の115.829円で取引を終えた。


今日の展開


ドル円は明日の本邦第1四半期GDPや、日銀金融政策決定会合の政策発表を前に、円のロングを巻き戻す可能性が考えられる一方、ドルはIMM通貨先物のネットポジションを見ると大きく売り越されており、積み上がったショートを縮小する動きからドル円は水準を切り上げる可能性もあろう。ただ、昨日の米住宅着工件数と建設許可件数が市場予想をいずれも下回り、長期にわたり低迷している米住宅部門に回復の兆しはほとんど見られず、米景気回復の遅れがドルの足枷となろう。また、本日公表されるFOMC議事録はハト派的な内容となる可能性が高いほか、中東情勢の緊迫化を背景としたリスク回避志向から米債利回りが低下する可能性も否めず、上昇余地も限定的となろうか。テクニカル面では一目均衡表の雲下限80.90円を上抜け、81円台で値堅めが出来ており上場モメンタムがかかるが、次のターゲットとして控える25日移動平均線81.60円は短期的に強固なレジスタンスになる可能性があり、同水準での攻防に注目したい。仮に上抜ける事ができれば、一目均衡表の雲上限82.50円付近や、4月27日高値82.779円までの反転の可能性も出てくるだろう。

ユーロ円は5日移動平均線114.80円付近を上抜けており、テクニカル的な地合いは強いものの、ギリシャ問題に関する不透明感は依然として根強く、楽観視できない状況と言えよう。昨日の欧州連合(EU)財務相理事会ではギリシャに関して追加の支援策協議は先送りされており、同国の更なる財政健全化策はあらためてEUとIMFの調査団がアテネに入り協議する方針となっており長期化の様相を呈してきた。もともとギリシャの債務再編は避けられないとのコンセンサスが市場で大勢を占めつつあるが、財政改革や構造改革などの道筋が明確に示されない限りは、いつ値崩れが起きてもおかしくはない状況と考えられよう。尚、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がアイスランドの自国通貨建て格付けを「BBB」から「BBB-」に引き下げたとも留意したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-82.50
ユーロ・円 113.00-116.50
ポンド・円 131.00-134.00

【今日の主な経済指標】
17:30 GBR  失業率 / 失業保険申請件数
17:30 GBR  金融政策委員会(MPC)議事録−公表
21:30 CAN  景気先行指数
3:00 USA  米FOMC議事録公表

≪2011年5月17日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
昨日は陽線引けとなったものの、依然として割安感があることから参加者の約80%は「ブル」
を継続している。米景気の減速懸念を受けて米債券利回りが低下するなどドルは上値の重い展
開が予想されものの、先進主要国のなかで「出口戦略」への距離が最も遠いと予想されている
日本の円を積極的に買う動きも限定されやすいことから、現水準での小幅なレンジでの推移が
続きそうだ。


ポンド円「ブル」
英消費者物価指数が前年比+4.5%と上振れしたことを受けて、英利上げ期待が高まったことで
「ブル」は継続された。英消費者物価指数は予想を上回る強い結果になったものの、BOEが先
週公表したインフレレポートでは、消費者物価指数の5%までの上昇も想定した上で、「インフ
レ率の上昇は一時的」との見方を崩しておらず、現時点で英利上げ観測が高まるとは考えにくい。
ただ、本日の発表の英雇用統計や失業保険申請件数、明日発表される英4月小売売上高が上振れ
る結果となれば英金利利上げに向けて変化が見られるだろう。


豪ドル円「ブル」
注目されたRBA理事会議事録公表で「現在の環境が続けばインフレ目標達成のため、ある時点
で利上げが必要」との見解を示したことが好感され参加者の「強気」スタンスに変化はなかった。
RBA理事会議事録公表で豪利上げ期待が高まったものの、具体的な時期などは言及しておらず、
豪GDPの下振れ観測も浮上していることを背景に、豪準備銀行は追加利上げを急いでいないよう
に思える。欧州ソブリンリスクや、中国の金融引き締め、原油など商品市況も弱含む動きとなっ
ていることから、引き続き豪ドルは調整ムードが続きやすい地合いではないだろうか。


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