2011/5/11 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、米中戦略経済対話でガイトナー米財務長官が「より強い人民元がなければ中国のインフレが加速する恐れがある」とし人民元の切り上げを促すと、アジア通貨の円がつれ高となり一時80.153円まで下落した。欧州勢参加後は日本企業の好決算や、トヨタ自動車の生産再開が早まるとの見通しが好感され日経平均がプラスに転じたことに加え、日銀の「自己資本比率を高めるために財務相と月末までに交渉する」との報道から景気下振れに対し日銀が緩和策をとるとの思惑から円売りが強まり、80.80円付近まで続伸する動きとなった。買い一巡後は、80.50円付近まで下押ししたが、NY市場では米労働省が発表した4月米輸入物価指数が前月比2.2%上昇し7か月連続でプラスとなったことで米長期金利が上昇すると一時80.889円まで上値を拡大し80.842円で取引を終えた。

ユーロ円は、引き続きギリシャの債務懸念が重石となるなか、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が「ギリシャの問題の根深さは過小評価されていた」と述べたほか、ビニスマギECB理事も「ギリシャ問題はユーロ圏全体に伝染する可能性がある」と指摘したことで東京市場では一時114.794円まで弱含んだ。しかし、欧州市場へ移ると一部報道により来月600億ユーロの新たなギリシャ支援策がまとまるとの観測が浮上したことでユーロ買いが進み、一時115円を割り込んで悪化していた地合いを一気に回復させ116円台まで急騰。その後、ギリシャ財務省の当局者より前述の報道を否定する発言が出されたが、大きく売り込まれることもなく高水準を維持。NY勢参加後もNYダウが上昇幅を拡大すると、投資家のリスク志向が改善するとの思惑から断続的に買いが入り、前日比+1.241円の116.495円まで上昇し引けた。


今日の展開


ドル円は、本日中国の生産者物価指数や消費者物価指数、小売売上高など多くの経済指標が発表となるが、好調な中国のファンダメンタルから同指標は上振れする可能性が高い上、ガイトナー米財務長官も「中国経済は人民元の上昇を容認できるほど強い」と発言しており、人民元の切り上げが浮上しやすい地合いから円高への警戒が必要だろう。また、ピークアウトした金や原油相場の急落や、欧州高債務国の信用不安を背景に安全資産の米国債が物色されやすい展開となるため米長期金利の下落は否めず、ドル安の流れに弾みがつく可能性があるだろう。

テクニカル面ではチャネルシステム上値抵抗帯である81.25円付近がレジスタンスとして意識されるが、突破に成功すればドル売りの流れに一服感が出て、フィボナッチ76.180円→85.518円の61.8%戻しとなる81.950円付近が視野に入ってこようか。ただ、現状を鑑みて今のドル円の力で同水準を突破することは困難と考えらるため、示現するには21時30分に発表される米貿易収支の大幅な上振れか、今夜発言が予定されているアトランタや、ミネアポリスの連銀総裁がタカ派的なコメントなどの燃料投下が必要かもしれない。

ユーロは、ギリシャへの新しい支援策協議をめぐる報を受けていったんは大きく買われたものの、その後は同協議を否定する報道もあり、当面はギリシャ関連のニュースに左右される神経質な展開が続くだろう。テクニカル的にみると対ドルは5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成しているように地合いは弱いと考えられる。5月9日に1.42535ドルまでの急落後は反発する動きがあるものの、日足一目均衡表の終値ベースで1.455ドルを回復しない限り、遅行線が日足、転換線、基準線を下抜けるため、下値圧力は強く1.400ドル付近までは下押しする可能性はあるだろう。一方対円は、短期的な上値抵抗と目される5日間移動平均線116.60円付近を試す展開が予想され、こちらを明確に突破できれば、日足一目均衡表の転換線118.25円付近や基準線119.00円付近まで上値余地が広がることも考えられる。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-81.50
ユーロ・円 114.50-117.00
ポンド・円 130.00-134.00

【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気一致指数
15:00 DEM 消費者物価指数
15:00 DEM 卸売物価指数
15:45 FRF 経常収支
17:30 GBP 貿易収支
18:30 GBP 英中銀イングランド銀行インフレリポート
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 貿易収支
21:30 USD 貿易収支
03:00 USD 月次財政収支

≪2011年5月10日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
特に材料が出たわけではないが、バーゲン・ハント的な買いや、協調介入のチャンスと見
る市場参加者が依然として多く「ブル」となっている。しかし、介入の可能性を完全には
排除できないが、円高というよりドル安の状況では以前のような協調介入は困難だろう。
また、野田財務相も「円の上昇は3月18日の時とは違う」と述べており、現時点では円売
り介入が入る可能性は小さいだろう。


ポンド円「ブル」
英RICS住宅価格が予想を上回ったことや、EUとIMFよりギリシャ向けに追加支援を策定
中との報を受け、欧州通貨が選好されたこともあり「強気」スタンスは維持されている。
本日18時30分にBOE(英中銀)四半期インフレ報告も予定されているが、英国の経済指
標も下振れが続き、物価上昇も一時的との見方を示しており、英中銀の利上げ期待は後退
するとの見方がコンセンサスとなっている。ただ、直近の英消費者物価指数や英GDPをみ
ると利上げ期待も排除できないため、上方向に動意付く可能性も念頭には置いておきたい。


豪ドル円「ブル」
豪3月貿易収支が予想を大幅に上回る好結果に買いが強まったほか、中国4月貿易収支も
予測を大幅に上回ったことで、中国と経済の結びつきが強い豪ドルに買いが入り「ブル」
となっている。CMEグループによる証拠金引き上げをきっかけに、商品市場ではファンド
筋の手仕舞い売りが強まっており、豪ドルも積み上がったロングポジションの調整売りが
強まる可能性がある。ただ、テクニカル面では短期的な抵抗帯である日足一目均衡の基準
線の差し掛かる87.25円付近を上抜けたことで地合いは強く、押し目での買い意欲は依然
強いとみる。


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