2011/5/10 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、先週金曜日の米雇用情勢の改善を受け、日経平均が堅調に寄り付いたことで東京市場序盤には一時80.833円まで上昇した。しかし買い一巡後は、菅首相の中部電力・浜岡原子力発電所の運転停止要請による電力供給懸念で日経平均がマイナス圏に沈んだことを契機にリスク回避の円買いが散見して80.50円付近まで弱含む展開となった。その後の欧州市場ではもみ合いの展開となったものの、NY勢参加後はサポートとなっていた日足一目均衡表の雲下限80.50円付近を明確に下抜けたことでドル売りに拍車がかかり、80.30円付近まで下押しとなった。引けにかけても米10年物国債利回りの低下を受けて日米金利差縮小を意識した売りが出たことで一時80.184円と日通し安値を更新するなど軟調な地合いが続き80.281円で取引を終えている。

ユーロ円は、ギリシャのユーロ圏離脱を巡り不透明感が漂っていたものの、週末にECB当局者やギリシャ政府関係者などからギリシャのユーロ圏離脱を否定する発言が相次いだことを受けて、東京市場ではユーロを買い戻す動きが優勢となり116.30円付近へと上昇。欧州勢参加後も、独3月貿易収支や経常収支が予想を大幅に上回る黒字額となったほか、アジア系ソブリンネームのユーロ買い観測もあり、116.45円付近まで上値を拡大した。しかしその後、ポルトガル中銀が発表した資料で、欧州中央銀行(ECB)からポルトガルの銀行に対する貸出が前月比23%増となったことが重しとなった上、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズはギリシャの格付けを「BB-」から「B」に引き下げると発表すると一時115.021円まで下落した。また、引けにかけても格付け機関フィッチがギリシャの格付けを「BB+」から「B-」に引き下げる事を検討とし、格付け機関ムーディーズもギリシャの格付け「B1」を格下げで検討していると声明しており、大手格付け機関3社全てがギリシャに対しネガティブな見通しを示したことで上値は重く115.254円で取引を終えている。


今日の展開


先週金曜日に発表された4月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が予想を6万人あまり上回る好結果になったものの、米長期金利の上昇は一時的でドル円上昇も限定的となっている。加えて、ダドリーNY地区連銀総裁は「FRBの物価安定・雇用の目標実現までには長い道のりがある」との認識を示しており、今回の雇用統計でFRBの利上げ開始が早まると考えるには時期尚早であり、楽観視できない状況と言えよう。テクニカル面でもチャネルシステム下値支持帯や、日足一目均衡表の雲下限80.50円付近を下抜けたことで基調は未だ下落トレンド見る事ができ、本日も80円割れを意識せざるを得ない。また、80円割れは先週一度破られている心理的ラインであることを鑑みるとサポート圧力は弱まっていると考えられ、下値はフィボナッチ76.180円→85.518円の61.8%戻しとなる79.747円や、5月5日の安値である79.562円まで見ておく必要があるだろう。

ユーロドルはECB理事会後の会見でトリシェECB総裁が「米国の強いドル政策を支持する」と何度も言及しているほか、「インフレに関しては動向を注意深く監視」と、控えめの表現を用いており、6月のユーロ追加利上げの可能性は低いとの見方が優勢となっている。また、パパンドレウ・ギリシャ首相やEU当局者はギリシャのユーロ圏離脱を否定しているものの、ギリシャが厳しい緊縮財政に耐え切れず、ユーロ加盟国から離脱するという可能性も捨てきれないため、しばらくは警戒を強くしていきたい。 テクニカル面でも心理的節目の1.45ドルを一気にブレイクし、5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成しているように地合いは弱く、1.43ドルのラインをブレイクするようだと、4月18日安値1.41ドル付近での攻防となろうか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-81.00
ユーロ・円 114.50-116.00
ポンド・円 130.00-133.00

【今日の主な経済指標】
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査
08:01 GBP 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
10:30 AUD 貿易収支 3月
14:45 CHF スイスSECO消費者信頼感指数
16:15 CHF 消費者物価指数(CPI)
21:30 USD 輸入物価指数
21:30 USD 輸出物価指数
23:00 USD 卸売在庫

≪2011年5月9日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
一時80.197円まで下落する局面ではバーゲン・ハント的な買いや、協調介入期待から
「ブル」となっている。しかし、協調介入については、前回介入時とは異なりドル売
り主体の下げ基調であるとの認識から、協調姿勢維持には疑問が残る。そうしたなか、
日本政府、日銀による介入ラインだが、80円割れから急落した場合、もしくは3月18
日協調介入を実施した78.80円付近が短期的な目安となろうか。


ポンド円「ブル」
ポンド自体の手掛かり材料は乏しかったものの、日本の震災被害や原発事故、格下げ
懸念から円を積極的に買う局面にもならず、押し目を狙う参加者が優勢となり「ブル」
となっている。市場の注目が明日公表される英中銀四半期インフレレポートに集中し
ているなか、先日発表された英1−3月期GDP速報値の成長率は実質ゼロとなっており、
BOEが英国経済の改善を最優先にしている現状では英利上げは先送りされる可能性は
否めない。また、ギリシャの債務再編やユーロ圏離脱への懸念もくすぶっており、欧
州通貨全体が買いづらい局面でもあり、ややダウンサイドリスクが高いだろうか。


豪ドル円「ブル」
ピークアウトした金や原油相場の急落を背景に資源国通貨の利益確定の売り圧力が強
まっているものの、絶対的な金利差を背景に「ブル」に変化は見られなかった。積み
上がったロングポジションの調整は豪ドルにとって懸念材料となるが、12日発表予定
の豪雇用統計で先週発表された四半期報告の内容を裏付ける雇用環境の底堅さが示さ
れれば、金利先高観を背景に引き続き買い意欲が強まることが予想される。また、テ
クニカル面でも短期的な抵抗帯である5日間移動平均線のさしかかる86.20円付近を
上抜け地合いは強く、日足一目均衡の基準線の差し掛かる87.25円付近まで上値余地
が広げてみたい。


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