2011/5/9 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は、ゴールデンウィーク明けとなった東京市場に本邦輸入企業からのドル買いが観測されて80.60円付近まで上昇した。欧州勢参入後は4日のADP雇用統計の悪化を背景に米景気回復が鈍化するとの懸念が高まりリスク回避の円買いが強まる軟調な展開になった。その後、注目されていた米雇用統計は失業率が9.0%と予想の8.8%を下回ったものの、非農業部門雇用者数変化は24.4万人と予想の18.5万人を大幅に上回ったことを受けて、米景気回復懸念の後退を背景にドル買いが活発化し一時80.927円まで上昇。しかし、上昇が一服すると短期筋から利益確定の売りが入り80.40円前後まで反落。引けにかけて、「ギリシャがユーロ圏を離脱し、独自の通貨を再導入する可能性示唆」と独紙が報道すると、リスク回避の円買いが散発的に入り下押ししたものの、ユーロ圏各国の要人が報道を相次いで否定したため買い戻しが入り80.521円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、邦銀や本邦輸入企業の買いが入ったほか、仲値に向けたドル資金の不足も支えに小幅に上昇。その後も上海株式や日経平均が下げ幅を縮小するにつれて、117.589円まで上昇し一段高に。しかし欧州勢参入後に、NY時間に発表予定の米雇用統計が市場予測よりも悪化するのではとの憶測から、リスク回避の円買いが強まり116.35円付近まで軟化した。NY市場に入ると、強い米雇用統計を背景にリスク選好の円売りが活発化し117.521円まで一時上昇。しかし、円売りが一巡すると一転して円買い優勢の展開となるなか、独紙がギリシャのユーロ圏離脱を示唆する報道を伝えるとリスク回避色が強まりユーロ売りが一段と加速し115.204円まで下落。しかし引けにかけ、独政府やギリシャ政府等の当局者からギリシャのユーロ圏離脱を否定するコメントを受けて、115.447 円で取引を終えた。


今週の展開


今週のドル円は、週初めの月曜日に日銀金融政策決定会合議事要旨の公表が控えている。東日本大震災による景気先行き見通しや円の上昇について、どのような認識を示すか注目されそうだ。また、米国の経済指標では12日小売売上高、生産者物価指数、13日消費者物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数などといった指標が多数控えている。今回の雇用統計の結果を反映して、米国の個人消費が伸びインフレが押し進んだ場合には、FOMCによる早期利上げ期待の高まりから、ドル買いが加速する展開もあるかもしれない。

ユーロは、5日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されトリシェECB総裁はインフレに関してこれまで通り注意深く監視するとしたものの、「強い警戒感」の文言が外されたことから、早期利上げ期待の後退によって短期的には弱い地合いとなろうか。また、6日にはギリシャのユーロ圏脱退報道がされ、ユーロ各国の当局者によって否定されすぐに鎮静化したものの、ギリシャの債務再編については難航していることから、ユーロ各国のソブリンリスクには一段と警戒を強めていきたい。経済指標では、12日にユーロ圏四半期GDPの発表を控えており、市場予想(前期比+0.6%、前年比+2.2%)を上回れば、金利先高感からユーロのサポート材料になりそうだ。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-84.00
ユーロ・円 114.00-119.00
ポンド・円 128.00-134.00

【今週の主な経済指標】
5月9日
8:50 JPN 日銀金融政策決定会合議事要旨
15:00 GER 貿易収支
15:00 GER 経常収支
21:15 CAN 加・住宅着工件数

5月10日
8:01 GBR RICS住宅価格
10:30 AUS 貿易収支
21:30 USA 輸入物価指数(前月比/前年比)

5月11日
15:00 GER 消費者物価指数(確報値)(前月比/前年比)
17:30 GBR 貿易収支
18:30 GBR 英中銀四半期インフレ報告
21:30 CAN 加・貿易収支
21:30 USA 貿易収支

5月12日
8:50 JPN 国際収支-貿易収支
8:50 JPN 国際収支-経常収支
10:30 AUS 新規雇用者数 / 失業率
17:30 GBR 鉱工業生産(前月比/前年比)
18:00 EUR 鉱工業生産(前月比/前年比)
21:30 USA 新規失業保険申請件数(前週分)
21:30 CAN 加・新築住宅価格指数(前月比)
21:30 USA 小売売上高(前月比) / 小売売上高(除自動車)(前月比)
21:30 USA 生産者物価指数(前月比/前年比)
21:30 USA 生産者物価指数(コア)(前月比/前年比)

5月13日
15:00 GER 四半期GDP(季調済)(速報値)(前期比/前年比)
18:00 EUR 四半期GDP(季調済)(速報値)(前期比/前年比)
21:30 USA 消費者物価指数(前月比/前年比)
21:30 USA 消費者物価指数(コア)(前月比/前年比)
22:55 USA ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)

≪2011年5月6日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
先週は弱い米経済指標を受けてドル安が進行したものの、米雇用統計の好結果を背景に
ドルの買い戻しが入り参加者も「ブル」継続。ただし、今回の雇用統計について、ダド
リーNY連銀総裁は「回復のペースは穏やかで、雇用の最大化と物価安定という米連邦準
備理事会(FRB)の責務を達成するには、まだほど遠い」との認識を示している。また、
FRBが金利引き上げに動くのは早くとも年末との声もありドル買いには慎重な判断が必
要となりそうだ。


ポンド円「ブル」
英卸売物価指数が上振れしたことを受けて、BOEによる利上げ期待感の高まりを背景に
ポンド買いが先行し、参加者も「ブル」を維持。また、英消費者物価指数(CPI)の大
幅上昇の定着を抑制するため、年内にも利上げを開始するのは確実と見られていること
から、引き続き強気スタンスとしたい。ただし、ギリシャのユーロ離脱報道を受けて原
油相場が大幅安になるとリスク選好姿勢が後退し、ポンドへの売りが活発化したことか
ら、商品相場の下落局面では慎重に対応したい。


豪ドル円「ブル」
豪準備銀行(RBA)は金融政策四半期報告を公表し「インフレ抑制のためある時点で追
加の政策引き締めが必要になる公算が大きい」「2011年の基調イ ンフレ率予想を2.75
%から3%に引き上げ」との認識を示したことから、利上げ期待の高まりを背景に参加者
の80%以上が「買い」を支持。また、強い米雇用統計を受けてNY株式は上昇しており、
仮に世界的な株高連鎖につながった場合には、リスク志向の高まりから高金利通貨の豪
ドルにとっては買い材料になろう。


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