2011/5/5 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は、東京市場序盤に前日のNY市場での下落に対するショートカバーから小幅に上昇したものの、買い一巡後は戻り売りが強まり軟調な展開になった。欧州市場に入ると、米格付け会社S&Pが「今後3ヵ月以内の英中央銀行(BOE)による利上げはほぼ確実」との見解を示すと、英利上げ期待感の高まりからポンド円が大きく上昇。ドル円もつられる形で81.20円付近まで上昇した。ただしNY勢参加後は、ローゼングレンボストン連銀総裁の「現在の緩和的な金融政策は経済状況からみて適切」などの発言から米金融緩和が長期化するとの見方となり、ドル売りが散発的に入ったうえ、米ADP雇用統計が17.9万人増(予想:19.8万人)と予想を下回ったことからドル売りが強まった。また、引けにかけて、米10年債国債利回りが低下すると、日米金利差の縮小を意識した売りも観測され80.565円まで下落し取引を終えた。

ユーロ円は序盤、前日のNY市場におけるユーロ売りの流れを引き継ぐなか、アジア株式の下落を受けて119.60円付近まで下落した。欧州勢参入後は、前日の欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)によるポルトガルへの金融支援が材料視され、欧州の財政問題の懸念が和らぎユーロ買いが強まると120.60円付近まで上昇した。しかし、NY市場では米経済指標の悪化をうけて、NYダウ平均が前日比で100ドル超下落するなどリスク回避姿勢の高まったことから、ユーロ売りが強まり119.256円まで反落。引けにかけて、ショートカバーが入り下げ幅を縮小したものの、前日比-0.578円となる119.464円で取引を終えた。


今日の展開


昨日発表されたADP雇用統計やISM非製造業景気指数が、共に弱い内容となったことで、米景気に対する回復鈍化懸念が強まっており、明日の4月米雇用統計に対する不安感が生まれている。また、上記以外にも直近の週間新規失業保険申請件数が40万件台に乗せているほか、1-3月の米GOP速報値が市場予想を下回っており、ドル円はやはりダウンサイドリスクに警戒すべきだろう。テクニカル面でも80.90円付近にかかる5日間移動平均線が上値抵抗帯としての存在感を強めるなか、フィボナッチ76.180円→85.518円の半値戻しとなる80.849円を明確に下抜けたため、短期的には日足一目均衡表の雲上限80.10円付近やボリンジャーバンド-2σの79.25円付近まで下落余地を拡大する可能性も否めない。尚、下落局面では日本の通貨当局が円売り介入に踏み切る可能性はあるが、足元の円高は急速かつ異常なものではないと考えられるため、過度の介入期待は禁物だが協調介入を実施した78.80円付近が一つのポイントとなろうか。

ユーロは欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)によるポルトガル支援の合意が好感されているほか、ECBへの根強い利上げ期待が引き続きユーロの支援材料となる一方、FRB(米連邦準備制度理事会)の長期的緩和策の継続が確実視されていることから、米欧の金融スタンス格差を背景に対ドルで引き続き上値を拡大する展開がメインシナリオとなろう。また、対円も日本の景況感の悪化、貿易黒字の減少、格付け見通しの引き下げ、原発問題の長期化、増税懸念など良い材料はほとんど無く、ファンダメンタル面からバイアスは強気となろう。しかし、本日はECB理事会が予定されており、理事会後のトリシェECB総裁の会見では7月追加利上げを実施するとの観測は根強いものの、利上げに対してECBで意見が分かれているとの報道もあり、不透明感が残っている。仮に、利上げに対して慎重なスタンスをとった場合はネガティブサプライズとなるため、現段階では声明次第でどちらにでも動けるよう柔軟姿勢で臨みたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-81.00
ユーロ・円 118.50-121.00
ポンド・円 131.00-135.00

【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 住宅建設許可件数
10:30 AUD 小売売上高
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
19:00 DEM 製造業新規受注
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)
21:30 CAD 住宅建設許可件数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性
23:00 CAD Ivey購買部協会指数

≪2011年5月4日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米ADP雇用統計やISM非製造業景況指数が予想よりも大幅に下回ったことを受けて、欧米
株式が下げ幅を拡大するなど、リスク回避色が鮮明になると円買いが活発化したものの、
参加者は円売り介入を意識して「ブル」優勢。本日は、英国と欧州の金利発表の動向を
見極めつつ、NY時間に発表される米新規失業保険申請件数を手掛かりに売買したい。前
日に続き弱い結果になれば、80円割れを示現し下値試しの展開になろうか。


ポンド円「ブル」
米格付け会社S&Pの英利上げ見通し発表を受けて、早期利上げ期待の高まりから「ブル」
を維持。本日は英中銀(BOE) 政策金利の発表を控えており、市場では金利据え置きが
コンセンサスになっている。今回の声明文で、英景気の見通しについてS&Pの発表に近い
内容になるか注視したい。また、株高やコモディティ高を背景としたリスク選好の流れは
継続しており、低金利通貨にドルや円に対し相対的に高金利通貨のポンドが買われている
ことからも強気なスタンスを維持したい。


豪ドル円「ブル」
米経済指標の悪化を受けた金や原油といった商品相場の大幅下落に伴って、資源国通貨の
豪ドルが売られたものの、豪景気の下振れリスクが顕在化していないことから参加者は
「強気」な姿勢を崩していない。本日は豪小売売上高の発表を控えており、豪経済が堅調
であることを確かめることができれば、利上げ期待の高まりから上値を追う展開もあろう
か。しかし、テクニカル面では5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成し
ていることで調整色が強まる気配もあり、4月18日の安値である85.988円を試す展開も
考えられる。


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