2011/4/22 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、米格付け会社S&Pが米政府系住宅金融機関(GSE)の米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことが重石となり、東京市場では82.20円付近まで軟化した。また、欧州勢参加後もドルの総合的な強さを表すドルインデックスが2年8ヶ月ぶりの低水準へと落ち込んだことで、対ユーロなどストレートでのドル売りが強まると先月18日のG7協調介入直後の高値を割り込み81.90円付近へと下落した。その後、82円台を割り込んだ水準では準政府系の買いも観測されたことで売りが加速するまでには至らず膠着状態となったが、NY市場では再び81円台まで売り込まれた。米国の3月景気先行指標総合指数は0.4%と市場の事前予想(0.3%)を僅かながら上回ったものの、新規失業保険申請件数は40万3000件と市場予想を下回ったほか、4月フィラデルフィア連銀指数も18.5と市場予想(36.8)を大きく下回ったことで一時81.618円まで下押しした。引けにかけて小幅に反発したものの、81.869円で取引を終え、6営業日続落となっている。

ユーロ円は、オセアニア時間に米アップルの第2四半期利益がほぼ2倍に拡大したことを受け、NYダウ先物が上昇するなど世界的な株価の上昇や、前日のスペイン国債入札の好調を受け欧州の債務懸念が後退したこともあり、東京市場終盤には120.262円まで上昇した。しかし、欧州市場に移ると一転トリシェECB(欧州中銀)総裁が「ECBは一連の利上げについては決めていない」「強いドルは国際社会すべての利益」と発言したほか、一時ポルトガルとドイツ国債の利回り格差が拡大し、欧信用不安が意識されると119.50円付近まで反落した。また、NY勢参加後も千葉県東方沖でM6.0の地震が発生したと伝わりリスク回避姿勢を強めるとの見方から円買いが散見したほか、イースター休暇を前にしたポジション調整に伴うユーロ売りもあり119.143円まで軟化して取引を終えている。


今日の展開


ドル円はファンダメンタル、テクニカルの両面から積極的に買える環境とは言い難く、もう一段ドル安を強いられる可能性に注意したい。米史上最大の赤字削減を盛り込む2011年度予算を受け、利上げなどを含む「出口戦略」には米経済指標の好結果が欠かせないが、昨日発表された新規失業保険申請件数は高水準で高止まり、フィラデルフィア連銀製造業業況指数は市場予想を大きく下回り、構成項目をみても「雇用指数」は18.2→12.3へと大きく低減するなど、雇用懸念を裏付けする内容であったことは売り材料として反応するだろう。また、日本の通貨当局が円売り介入に踏み切る可能性もあるが、足元の円高は介入を正当化するほど急速かつ異常なものではないと考えられるため、過度の介入期待はできない。テクニカル面では前日も記述したが、5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成し下落トレンドとなるなか、主要な移動平均線は5・25日・75日・200日を下抜け、一目均衡表雲の水準が80.00円付近まで一気に下がっており、同水準までは下落余地を広げる必要がありそうだ。

ユーロは欧州債務国問題が依然として懸念材料となるものの、日米の低金利長期化が濃厚となっている一方で欧州の追加利上げ期待は小さくないため、金利面ではユーロ買いに分があり、対ドル、対円ともに強気スタンスで臨みたい。また、欧州株式市場ではユーロストックス50株価指数のボラティリティ・インデックスの恐怖指数が3年4カ月ぶり低水準の上、シカゴオプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される恐怖指数も2007年7月6日以来の低水準を更新するなど、リスク許容度の改善もユーロの追い風となりそうだ。

尚、本日よりイースター休暇となり、各国主要市場が休場となるため主だった経済指標などはなく、小幅な値動きに終始する展開も予測されるが、流動性が著しく低下した場合、投機的な仕掛けから乱高下する可能性には留意しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.50-83.00
ユーロ・円 118.00-122.00
ポンド・円 134.00-136.50

【今日の主な経済指標】

本日なし

≪2011年4月21日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
6営業日連続で陰線引けとなったことで押し目を買いのチャンスと見る市場参加者が多く
約85%が「ブル」を支持している。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や第1四半期
GDP(国内総生産)が控えているほか、本日はイースター休暇や、週末要因も重なり様子
見ムードが高まる展開が想定される。ただし、ドルの総合的な価値を示すドルインデック
スが2年8ヶ月ぶりに74ドル台を割り込むなど、下押し圧力がかかることは避けられない
ため、バイアスはやや弱気としておきたい。


ポンド円「ブル」
英小売売上高指数が前月比+0.2%と予想の同-0.5%から上振れしたほか、英公共部門ネッ
ト負債で英財政赤字の縮小が示されたことも好感されると買いが優勢になり「ブル」とな
った。欧米の株高期待が続くなかではリスク許容度の改善により円売りムードが強いほか、
ギリシャの債務再編による欧州通貨の売り圧力も若干緩和しており、下落局面では押し目
買いを狙ってみたい。ただし、ECBの追加利上げ観測が高まっている一方、BOEは引き続
き利上げに慎重な姿勢を維持していることから、ユーロに対しては、ポンドがアンダーパ
フォームとなるかも知れない。


豪ドル円「ブル」
ラッド豪外相が高騰する豪ドルに関して「豪州が為替相場を操作(介入)することはない」
としスティーブンス豪中銀総裁も「豪ドル高が輸入物価を抑え、インフレを抑制する」と
発言したことから買い安心感が強まり「ブル」となっている。金や原油価格など商品市況
が好調なことに加えて、米企業決算を好感したNYダウの上昇など、市場のセンチメントは
大きくリスク選好と傾いており、豪ドルにとって追い風となろう。また、昨日の発表され
た豪第1四半期生産者物価指数も(前年比予想:2.7% 前年比結果:2.9%)と堅調な豪ファ
ンダメンタルを再確認できることから、豪準備銀行が次回理事会での追加利上げを実施す
る可能性も小さくないため、金利面でも豪ドルはサポートされるだろう。ただ、本日から
オーストラリアは22日聖金曜日、26日復活祭、27日復活祭振替と土日を挟み5連休となる
ため、ポジション調整が思いのほか進むようであれば、上値追いには注意が必要となろう。


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