2011/4/18 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は、野田財務相がG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)において、為替介入での協調継続を求める考えを明らかにしたことを受けて東京市場序盤から底堅い値動きとなったほか、ラッカー・リッチモンド地区連銀総裁の「インフレ加速回避に向けた政策実施すべき」とのタカ派発言にも後押しされると83.75円付近へと上昇した。買い一巡後に発表された一連の中国経済指標では全般的に予想を上回ったものの、前日にリークされた数字と一致したことから、反応は限定的となった。しかし、その後は同国の金融引き締め懸念が強まると共に上海総合が前日比マイナス圏に転じ、日経平均やNYダウ先物も一段と軟調な展開になったことを背景に、リスク回避の円買いが強まると、83.25円付近まで反落した。さらに、欧州市場に入った後もNYダウ先物が一段安となった上、欧州株も失速するなどリスク回避の円買いがもう一段強まったことで一時82.961円まで下落。NY勢参加後は米消費者物価指数(CPI)鉱工業生産、NY連銀製造業景気指数などの米経済指標は概ね市場予想を上回る内容となったことを材料に買い戻しも入り83.30円付近まで回復した。ただ、引けにかけて週末特有の調整売りや、ワシントンで行われているG20の協議結果を見極めたいとの思惑から調整的なドル売りが散見し83.103円で取引を終えた。

ユーロ円は、NY市場でギリシャの債務再編を否定するコメントが相次ぎ、同国の債務再編を巡る懸念が一旦後退した流れを受けて、東京市場序盤は121.45円付近へと強含みに推移。しかし、ユーロドルが1.45台前半での防戦売りに伸び悩むと、中国経済指標の好結果を受けた金融引き締め懸念の高まりにリスク回避的な動きが優勢となり、120.45円へと反落した。欧州勢参加後も格付け会社ムーディーズがアイルランドを「Baa1」から「Baa3」に2段階引き下げ、見通しを「ネガティブ」としたことでユーロ売りが加速し120.10円付近まで続落した。その後発表されたユーロ圏3月の消費者物価指数の確報値が前年比+2.7%と速報値の+2.6%から修正されると上昇する場面もあったが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、ギリシャの5年国債のスプレッドが過去最大水準まで広がると一時119.688円まで軟化した。NY市場でも上値が重く、引続きユーロ圏のソブリンリスクが意識されるなか、グーグルやバンク・オブ・アメリカの四半期決算がさえない内容だったことが嫌気されてリスク回避の円買いも散見し、前日比-1.042円の119.931円で引けている。


今週の展開


ドルは、18日NAHB住宅市場指数、19日住宅着工件数、建設許可件数、20日中古住宅販売件数、21日週間新規失業保険申請件数、住宅価格指数、景気先行指標総合指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数などの米経済指標が今週軒並み発表され、懸念の多い住宅関連指標の結果が焦点となろう。そのほか、今週から本格化する米企業決算発表だが18日アップル、19日インテル、21日GEの決算が控えており、決算内容を受けた米金融市場の動向にも注視をしたい。また、今週末は欧州、アジア主要市場はイースターホリデーを控えており、引き続きポジション調整のドル売りが考えられるほか、ドルの総合的な価値を示すドルインデックスが75ポイントとの節目のサポートサインを割り込んだ事もネガティブ要因となろう。ただし、G20財務相・中央銀行総裁会議で改めて為替介入への協調姿勢が各国で確認されたことで下値で積極的に売り込むには注意が必要となろう。

ユーロは、ギリシャの10年物債券利回りが一時12.96%まで上昇し過去最高を記録していることで、債務再編の可能性が払拭できず、欧州の信用不安が再燃が足枷となろう。また、アイルランドも格付け会社ムーディーズがアイルランドを「Baa1」から「Baa3」に2段階引き下げ、「自発的なデフォルト」の可能性まであるとの観測から短期的にはユーロは下値不安が大きいだろう。ただし、中期的にはECBは利上げサイクル入りが濃厚となっている一方、FRBは早期利上げ期待が後退しており、日銀も低金利長期化が確実視されていることから、金利面でのユーロの買い妙味は大きく、欧州ソブリンリスクの終焉を見極めることができれば、押し目買いも検討してみたい。

対円は行き過ぎた感のあるユーロロングと円ショートに調整が入る可能性があるほか、チャネルシステムも下値支持帯である120.50円付近を下回ったことで上昇トレンドが崩れたと考える事ができ、25日移動平均線が控えている118.50円付近を短期的なサポートラインとしたい。また、対ドルはテクニカル面で依然として上昇トレンド内での展開となっているものの、先週から心理的節目である1.450ドルが終値ベースで上値を抑えられており、同水準を上抜けることができるか否かが焦点なる。仮に抜けきれない場合はチャネルシステムの下限1.425ドルまで反落する可能性があるだろう。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-85.50
ユーロ・円 118.00-123.00
ポンド・円 132.00-140.00

【今週の主な経済指標】
4月18日
7:45 NZL 四半期消費者物価指数
8:01 GBR ライトムーブ住宅価格
4月19日
10:30 AUS 豪中銀金融政策決定理事会議事録-公表
17:00 EUR ユーロ圏・経常収支(季調前)
20:00 CAN 消費者物価指数
20:00 CAN 消費者物価指数
21:30 USA 住宅着工件数
21:30 USA 建設許可件数
21:30 CAN 景気先行指数
4月20日
15:00 GER 生産者物価指数
17:30 GBR 金融政策委員会(MPC)議事録−公表
23:00 USA 中古住宅販売件数
4月21日
10:30 AUS 四半期生産者物価指数
17:30 GBR 小売売上高指数
18:00 GER IFO景況指数
21:30 CAN 小売売上高 /  小売売上高
23:00 USA フィラデルフィア連銀景況指数
23:00 USA 景気先行指数

≪2011年4月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
複数の米経済指標が市場予想を上回る好結果となったことや、東日本大震災の影響から円の
先安観が市場に色濃く残っており、下落局面では押し目を買いのチャンスと見る参加者が依
然として多く「ブル」となっている。しかし、FRBの利上げ期待が後退し、米長期金利にも
低下圧力がかかっているため積極的にドルを買う地合いではないほか、200日移動平均線の
さしかかる83.45円付近が明確にブレイクされ、テクニカル面ではやや弱気局面入りした可
能性も否めない。下値目処としては一目均衡表雲上下限が位置する82.45-50円となるが、
仮に雲を下抜けた場合は82.00円まで大きなサポートが見当たらないだけに注意したい。


ポンド円「ブル」
ポンド自体に積極的な買い材料は見当たらないものの、シカゴオプション市場(CBOE)の
恐怖指数は15.70付近まで低下しており前日清算値から0.50ポイント低い水準で推移するな
どリスク志向も回復するとの見方から参加者は「強気」スタンスを維持している。先週は英
3月消費者物価指数(CPI)が市場予想を大きく下回り、英3月雇用統計において失業者数が
増加したことで利上げ観測は後退している。CPIは依然としてBOEが定めるインフレターゲ
ットの上限+3%を上回っていることから、今週は英国経済の動向を注視しながら、利上げに
踏み切るか否かを慎重に見極める展開が続くことになりそうだ。また、今後の英利上げへの
可能性を探る意味合いで注目されるのが20日に公表される4月分の英MPC議事録の内容とな
り、前回まではセンタンス委員、デール委員、ウィール委員の3名がタカ派スタンスをとって
いるが、新しく利上げ支持に傾く委員が出るかに注目しておきたい。


豪ドル円「ブル」
米国ではFRBの利上げ期待が後退し、欧州ではギリシャの債務再編懸念が高まり、日本も震
災による景気下振れリスクがあり、堅調なファンダメンタルを維持している豪ドルが選好され
て「ブル」が圧倒している。クイーンズランド州を襲った洪水の影響も終息に向かっており、
先週発表された豪3月雇用統計では環境の力強さを示したことで豪準備銀銀行(RBA)の追加
利上げ期待も高まっている。加えて、株式、商品市場は共に流れとして堅調を維持しており、
豪ドルが物色されやすい地合いに変化ないだろう。高値警戒から多少の調整が入ったとしても
一時的となる可能性が高く、押し目買いスタンスを維持したい。


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