2011/4/14 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は、福島原発事故の深刻化や株安連鎖を背景に、円買いが強まった前日の流れを引き継ぐなか、オセアニア市場では一時83.501円へと下落した。売り一巡後は機関投資家からの買いが観測されると、ストップを巻き込んで84円台まで回。その後も日経平均やNYダウ先物が堅調に推移したことで投資家のリスク許容度が改善し84.255円まで続伸した。しかし、欧州勢参加後はNYダウ先物の上昇が一服し、原油相場が反落するなか、資源国通貨を中心としたクロス円で円を買い戻す動きが一時優勢となり83.85円付近まで反落となった。また、NY市場に移っても3月米小売売上高が予想より弱い内容だったことで米10年物国債利回りが低下に転じると83.55円付近まで下値を拡大した。ただ、引けにかけて発表された米12地区連銀報告書であるベージュブックにおいて「米経済活動は引き続き改善」「景気拡大は緩やかながら、広範囲に波及」との内容が示されたことを受けてドル買いの動きが散見し83.781円で取引を終え、5営業ぶりの反発となった。

ユーロ円は、福島第一原発に対する懸念からリスク回避の動きが先行し、東京市場序盤に120.821円まで弱含む展開となった。ただ、売り一巡後は日銀とECB(欧中銀)との金融政策スタンスの相違を背景とした円売り・ユーロ買いに下値も限定的となり、仲値公示にかけては121.85円付近へと反発した。その後、関東地方での地震発生を受けて日経平均が下落に転じるとリスク回避の高まりから円買いが先行する場面がみられたものの、サバテロ・スペイン首相が「中国はスペイン国債の12%強を購入する長期的投資家である。中国はスペインの債務返済を支援している」と発言したことからスペインの資金繰りに対する懸念が後退すると122.05円付近へと上昇。また、欧州時間にはプラート次期ECB理事が米CNBCとのインタビューで「ユーロは極めて強い。インフレ期待の抑制が必要である」と発言し、ECBの利上げ継続が意識されると日通し高値を更新する122.155円まで続伸した。しかし、NY勢参加後はNYダウが軟調に推移したことで投資家のリスク許容度低下を意識した売りが出たほか、一部報道で「ギリシャは40−50%の債務の償却が必要」と報じられると、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、ギリシャに対する保証コストが過去最高水準となり、欧州ソブリンリスクが再び意識され120.971円まで反落して取引を終えた。


今日の展開


ドル円は、バーナンキFRB副議長や、イエレンFRB副議長によるハト派的発言のほか、ニューヨーク連銀総裁も出口戦略に慎重な姿勢を示したことで米早期利上げ期待は後退しており、ドル自体の買い妙味は乏しいと言えよう。しかし、日本は地震の影響による景気低迷・財政悪化懸念が強い上、レベル7に引き上げられた放射能汚染深刻化も懸念されているため、積極的な円買いは困難とみられる。また、本日から(日本時間15日)ワシントンで開かれる予定されているG7でも野田財務相から各国に対し協調介入姿勢の継続が要請される可能性もあり、下落局面では慎重に買い場を探してみたい。テクニカル面でも200日移動平均線のさしかかる83.45円付近が強固なサポートラインとして意識されおり、トレンドを示す日足一目均衡表の基準線も横ばいが続いているため、ドル円相場が崩れているとは考えづらく、最近の下落は積み上がった円ショートの調整範囲内の可能性が高いだろう。円ショートの調整を無難に消化した場合は日足一目均衡表の転換線が位置する84.20円付近目先の焦点となり、同水準を突破した場合は心理的な節目となる85.00円も視野に入ってこよう。

ユーロ円は、ギリシャのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが過去最大まで拡大したことで信用不安がユーロの重石となってはいるものの、日銀とECB(欧中銀)との金融政策スタンスを背景にユーロが選好される地合いが続きそうだ。短期的には行き過ぎた感のあるユーロロングと円ショートに調整は入る可能性はあるものの、福島原発事故による放射性物質の拡散問題は中・長期的に円安要因として意識されやすいことから下値も限定的とみる。また、中国の温家宝首相がスペイン国債の購入継続の意向を示していることや、ECBのシュタルク理事が現在の緩和策について「いかなる水準の金利とも併存が可能」と発言したことも追い風となるだろう。上値目標として短期的には5日移動平均線のさしかかる122.00円付近とし、明確に上抜けた場合は2011年3月安値106.071円と2009年5月高値139.264円の半値戻しである122.90円付近までは上値をみてもいいだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00-85.00
ユーロ・円 119.50-122.00
ポンド・円 135.00-138.00

【今日の主な経済指標】
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
21:30 CAD 製造業出荷
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)

≪2011年4月13日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
3月の米小売売上高は予想を下回ったものの、前月比プラスの記録を9か月連続に伸ばした
ことで消費拡大傾向が改めて裏付けられたとして参加者は「強気」スタンスを崩していな
い。昨夜はFOMCでの基礎資料としても使用される地区連銀経済報告(ベージュブック)
の発表があり、内容は2月と3月を製造業主導に全国的に緩やかなペースで拡大し、雇用市
場も大半の地区で改善が示されるなど全般的に明るい見通しとなっている。また、主要通
貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスが75ポイントを回復していることもドル
のサポート要因となろうか。


ポンド円「ブル」
3月英新規失業保険申請件数が前月比+700件と予想の同-3000件から悪化したことを受け
て、135円台を示現するまで下落したものの、安値圏では押し目を狙った買いが散発的に
入り「ブル」となった。5月の英利上げの指針として注目された英3月CPIの上昇が鈍化し
ており、BOE(英中銀)のインフレターゲットとする2.0%は上回るものの、利上げ時期
を8月へと修正する見方もあり、早期利上げ期待の剥落が今後も重石となりそうだ。しか
し、本日から(日本時間15日)ワシントンで開かれる予定されているG7・中央銀行総裁
会議でも野田財務相からG7各国に対し協調介入姿勢の継続が要請される可能性は高いこ
とから、下押しする局面があれば慎重に買い場を探してみたい。


豪ドル円「ブル」
ここ最近の急ピッチな上昇に対するポジション調整の売りも一巡し、参加者は株高、商品
高を背景に再び上値をうかがうとみて「ブル」は継続されている。米国は貿易赤字と財政
赤字がドル売り材料となり、日本は景気悪化懸念や放射能汚染拡大懸念から円を買いにく
い地合い、欧州もソブリンリスクが再燃している一方、豪州は高金利で貿易黒字のほか、
財政も健全であることから豪ドルを物色する展開が継続すると予測される。また、シカゴ
・オプション市場(CBOE)の恐怖指数は16.70付近まで低下しており、リスク許容度の
改善も追い風となるため、対ドル、対円、対ユーロは共に強気で臨んでみたい。


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