2011/4/6 トレイダーズ証券「みんなのFX」

ドル円は、東日本大震災による内需縮小にともなう消費・輸出減や財政悪化を懸念した動きとなり、東京市場序盤に84.361円まで小幅に上昇した。しかし、円売りが一巡すると新規取引材料難から84.15円前後での小動きとなった。また、欧州勢参加後も雇用統計後の上昇に対するポジション調整や、利益確定の売りに押されて円買いが優勢となり84円を割れるまで軟化した。NY市場時間でも主要な米国経済指標の発表はなかったが、ロックハート・アトランタ連銀総裁の米国経済に対する慎重な見方から利上げ観測が後退し、米10年債利回りが低下したことで日米利回り格差の縮小が意識されると一時83.855円まで続落した。ただ、引けにかけて、震災の影響で日本の低金利が長期化し円安傾向が続くとの見方からドルの下支えとなり84.044円まで上昇し取引を終えている。

ユーロ円は、引き続きECBの早期利上げ期待の高まりを受けてユーロ買いが優勢になると2010年5月11日以来となる東京市場序盤に120円台を示現。だが、120.053円の高値をつけると一転して短期勢の利食いが散見されて上値を切り下げた。欧州市場に移ると、ユーロ圏卸売物価指数が発表されて前年比6.6%と市場予想平均の前年比6.7%からやや悪化したことに嫌気し119.180円まで下げ幅を拡大した。しかし、この水準では押し目買いも強いうえ、今週木曜日に開催されるECB理事会での利上げ先高観も強く下値は限定的となり119.50円付近でのもみ合いとなった。米国市場に入ると、ロックハート米アトランタ連銀総裁のハト派発言を受けて米10年債利回りが低下したことを背景にドル円が下押しすると、つれる形で119.20円付近まで反落した。引けにかけて、震災の影響で日本の金融緩和が長期化がするとの見方から円先安観が強まり119.514円まで反発し取引を終えた。


今日の展開


ドル円は3月の米失業率が8.8%と2年ぶりの低水準だったこともあり「出口戦略」に向けた姿勢が強まっている。FRBの高官もフィッシャー・ダラス連銀総裁が「量的緩和第二弾の期間延長に反対する」。コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁が「今年後半に0.75%利上げする可能性があり得る」。プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁も「しっかりとした経済回復が確認できれば、出口戦略の可能性が高まる」としたほか、ブラード(セントルイス)、ロックハート(アトランタ)、エバンス(シカゴ)、ローゼングレン(ボストン)の各連銀総裁もタカ派コメントを発信している。今までハト派であるバーナンキFRB議長のスタンスを材料視する姿勢が優勢だったが、ここにきてタカ派の意見がドル相場を動かすムードが次第に強まっている。テクニカル面でも目先のレジスタンスと思われた200日移動平均の83.60円や、節目の84.00をあっさりと突破したことで地合いは強く、84円台でしっかりと値堅めすることができれば、2010年5月4日高値94.979円から2011年3月17日安値76.180円の半値戻しとなる85.58円付近も視野に入ってこよう。

ユーロ円はECBが今週木曜日の理事会で0.25%の利上げに踏み切る可能性が高い上、ECB当局者は来月以降も段階的に政策金利を引き上げる意向を示しており、金利面からはユーロの上昇余地が一段と広がっている状況にあろう。一方、円は東日本大震災の対応に伴い、日銀は一段の金融緩和長期継続が予想され金利面を鑑みても上昇余地は大きそうだ。また、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)によるポルトガル救済シナリオがすでに想定済みとなっているほか、アイルランドの銀行への資本注入と再編が決まったことで、欧州高債務国の信用不安の話題性は下火となりつつあることもサポート要因となろう。高値圏の推移となっており多少の調整は考えられるが、よほどネガティブなニュースでも入らない限りはバイアスは強気としたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.50-85.50
ユーロ・円 118.50-120.80
ポンド・円 135.00-137.00

【今日の主な経済指標】
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 3月
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI) 3月
18:00 EUR 小売売上高[前月比] 2月
18:00 EUR 小売売上高[前年同月比] 2月
23:00 USD ISM非製造業景況指数(総合) 3月
03:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

≪2011年4月4日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米主要経済指標の発表がなかったほか、米雇用統計後の材料出尽くし感も重なり、総じて
動意に乏しい展開となったが、FRBに対する「出口戦略」の早期実施期待から「ブル」が
継続している。福島原発事故の計画停電による企業活動の制約が長期化するとの見方が強
まるなか、日銀は一段の金融緩和長期継続が予想されており、金利や財政面から円売り主
導の展開をメインシナリオとしたい。ただ、米「出口戦略」を巡る思惑が強まっているも
のの、バーナンキFRB議長のほかFOMC内のハト派も依然多く、過度の期待は禁物といえ
よう。また、84円台では本邦輸出勢の売りも観測されており、85円台まで一気に抜けてい
くにはやや材料不足か。


ポンド円「ベア」
新年度入りに伴うリスク選好拡大の期待や、ECBの利上げ期待を背景とした欧州通貨買い
の流れを受た買いが散見したものの、136円付近ではRSIを始めとするオシレーター系指
標で売りシグナルが出た事で僅かに「ベア」優勢となった。今週7日にBOE(英中銀)政
策金利が発表されるものの、0.50%の据え置きが予想されている。また、BOE政策金利
引き上げ時期は、夏場以降の見通しが大半を占めており、ポンド自体に積極的な買い材料
は見当たらない。ただ、外部要因として世界的な株高を背景とした高リスク通貨買いの流
れや、テクニカル的でも年初来高値の更新で上昇気運が強まっており、昨年8月3日の戻り
高値となった137.778円付近を目指す展開もあろうか。


豪ドル円「ブル」
87円台では割高感もあるが、絶対的な金利差を背景に「ブル」は継続している。本日13:
30RBA(豪準備銀)が政策金利を発表し、市場予想では4.75%での据え置きの見込んで
金利変更の可能性は織り込まれていない。しかし、声明文ではややハト派寄りの内容にな
るのでは?との憶測があり、著名なRBAウォッチャーとして知られるマカラン氏が「利上
げの可能性は今後数カ月ほとんどなく、豪ドル高は利下げへの道を開き始めることを示す」
との見解を示したことは警戒したい。また、仮に利上げ期待が後退する声明が発表されれ
ば、一本調子で上昇している反動から、格好の売り場となる可能性も否定出来ないだろう。


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