【先物取引】現物を買う資金がある人は商品先物取引が合理的!?


貴金属の投機手段として商品先物取引という選択肢はあるのか?

例えば手元に12万円ほどの資金、「東京金」の取引本証拠金が支払える額があったとする。先物取引とは証拠金を入れて1kg分をあらかじめ買う契約をする取引。仮に昨年の8月末に買っていれば約280万円。それが1年たった今では約330万円で差し引き約50万円。つまり昨年買い、1年たった今売っていれば、12万円の元本で約50万円の利益を得たわけだ。

少ない額で大きな利益。FX同様、レバレッジが利く商品先物取引ならではのメリットだ。しかし逆に値が下がれば大きな損失が出るし、評価損失が証拠金の半分を超えたら、証拠金との差額を取引追い証拠金として預けねばならない。しかも元々12万円程度しかなかったのだから借金をすることになり、リスクは大きい。

だが、元々1kgの金を買える資金があったらどうだろうか? 商品先物取引に詳しい近藤氏は言う。

「1kg分の資金があるならば商品取引は非常に合理的。証拠金とは手付金のようなもので約1年後の満期になれば金地金を受け取ることができる。約12万円の証拠金を払うのは、1kgの金を持つのと同じ。例えば資金360万円から12万円を引いた348万円は定期預金で利子を得てもいいし、ほかの運用に回してもいい。手数料も金の現物やETF、純金積み立ては約2%の売買スプレッドがかかりますが、先物はネット上の売買往復で約1000円、対面営業なら約1万2000円で済みます」

さらに最初から証拠金を少し多めに(金1kgに対して50万円程度)入れておけば、損失が証拠金の半分を超える可能性は減り、追証も発生しにくい。金以外にプラチナ、銀、パラジウムもあるので選択肢のひとつになるのでは?




【純金積立】毎月3000円からスタートできるお手軽投資


貴金属商や商社、鉱山会社などが行う「純金積立」。多くはプラチナでの積み立ても扱い、それぞれ月々3000円で始められるのは魅力だが、実際の利益率は?

「純金積み立てはドルコスト平均法という、価格変動リスクを分散する定額購入法が用いられています。毎営業日に定額購入する方法。仮に1か月を20営業日とし、10年間、毎月1万円ずつ純金積み立てを行ってきたとします。先物価格で計算すると、過去10年間で約806・7グラム買えた。投資金額は120万円ですから、平均購入価格はグラム当たり1487・5円に。8月26日の価格=3315円(先物価格から売買スプレッドを引いた価格)で売れば、27万4244円の利益。ここから年会費や売買手数料など、年に約3150円の経費を引くと、残りは24万4274円。平均投資額60万円に対して、10年で約40%の利益が。単純換算すれば年利は4%。ちなみにもし’00年8月にグラム935円の金を現物1kg買っていたら、今年8月26日の価格=3315円との差額、2380円の利益が出ています。保管料を無視すれば、元本の93万5000円への収益は年利約25・2%です」(近藤氏)

これは過去10年間の単純な結果であり、当然、今後も同じような利益が出るとは限らない。だが、いきなり現物を買えない人も、金を月々定額自動引き落としで保有できるのは、大きな魅力であることは間違いない。



星 治氏

三菱UFJ信託銀行フロンティア戦略企画部統括マネージャー。貴金属現物ETF「金の果実」シリーズの立ち上げを担当


カン・チュンド氏

晋陽FPオフィス代表。インデックス投資アドバイザー。
著書に『毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』など


近藤雅世氏

株式会社コモディティーインテリジェンス代表。貴金属アナリスト。
著書に『商品先物取引 基礎知識と儲けの方法』など