2011/3/31 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、日経平均が底堅く推移したことに加え、フィッシャー米ダラス連銀総裁の「6月以降のQE2の期間延長には反対する」との発言が伝わると、上値追いの展開に83円台まで上昇。さらに欧州勢参入後も、欧州株式市場の上昇を背景にリスク回避志向が和らぎドル買い圧力が強まると83.181円の高値を付けた。しかし、米国市場に入ると買いが一服したうえ、ADP雇用統計が20.1万人増と予想の20.8万人増を下回ったことにより、ドル売りの流れに。その後もビニスマギ欧州中央銀行(ECB)理事が「ECBは段階的に金利を引き上げる」などと述べたことで利上げを意識したユーロ買いドル売りが進むとつれ安となり82.80円付近まで下落した。引けにかけて、下値での押し目買いが断続的に入ったことで82.884円まで持ち直し取引を終えた。

ユーロ円は東京市場序盤、前日のNY株式市場での株高を背景に投資家のリスク志向が高まるとユーロ買い優勢の展開に。その後もフィッシャー米ダラス連銀総裁のタカ派発言が伝わると、ドル円の上昇につられて116.95円付近まで上値を拡大した。買い一巡後には利益確定の売りに押されて116.60円付近まで反落していたものの、欧州市場に移るとポルトガル政府高官が「外部支援に頼らなくても今年の国債償還に対応できる」との見解を示したことでユーロが強含み、欧州株の堅調な推移もともなって117.268円まで上昇した。NY市場に入ると、格付け会社S&Pがキプロスを「A」から「A-」へ格下げ報道が伝わりユーロ各国を取り巻く財政問題の懸念が再び116.65円付近まで値を崩した。ただ、引けにかけて、ビニスマギ欧州中央銀行(ECB)理事が利上げサイクルについて言及すると117円台を回復し117.112円で取引を終えた。


今日の展開


ドル円は東京市場序盤から83円台に乗せて推移しており、今のところ調整的な売りの動きは見られないため、83円前半で値堅めできれば本日も底堅い展開が予測される。また、米国では「出口戦略」に向け、ダラス連銀のフィッシャー総裁が6月に終了する量的緩和策の延長に反対と表明したほか、カンザスシティー連銀のホーニグ総裁も利上げの必要性を改めて強調しており、市場では6月に米国の量的緩和が終了するとの見方が強まっている。一方、日本は震災による財政悪化や福島原発の放射能漏れを懸念して、海外勢による日本売りが強まる可能性が高く、強気のバイアスが継続しよう。ただし、83.50円付近では本邦輸出勢の売りが控えているほか、前日は米3月ADP全国雇用者数が予想を下回ったことで、明日の米雇用統計への期待感を後退させている面で重しとなっており、売りオーダーをこなし一本調子の上昇は想定しにくい。

ユーロドルは来週7日のECB理事会での利上げが織り込み済みとなる一方、米国の「出口戦略」に関する観測がにわかに高まってきたことから、短期的には上値の重い展開が予想される。テクニカル的なサポートラインは25日移動平均線のさしかかる1.40ドル付近となるが、突破された場合は3月18日安値1.3978ドルまで下値余地を広げる可能性があるだろう。ただし、対円は月末・期末絡みの本邦輸出企業などの円買い圧力が剥落するなか、株高連鎖を背景としたリスク選好や、震災や放射能漏れを嫌気した海外勢からの円売りが進行する可能性が否めず、円の独歩安リスクに注意したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-84.00
ユーロ・円 116.00-118.00
ポンド・円 132.00-134.50

【今日の主な経済指標】
11:00 NZD NBNZ企業信頼感 3月
14:00 JPY 新設住宅着工戸数[前年同月比] 2月
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比] 3月
15:00 DEM 小売売上高指数[前月比] 2月
15:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比] 2月
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)[前月比] 2月
16:55 DEM 失業者数[前月比] 3月
16:55 DEM 失業率 3月
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)[前年同月比] 3月
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前月比] 2月
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比] 2月
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績) 3月
21:00 ZAR 貿易収支 2月
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前月比] 1月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数 3月
23:00 USD 製造業新規受注[前月比] 2月

≪2011年3月30日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米金融当局からは「出口戦略」についての発言が相次いでおり、金利上昇に期待が高まる
一方、東日本大震災の復興に向け、日銀が超低金利政策の長期継続を余儀なくされている
ため、日米の金利政策の違いから参加者の「強気」スタンスは維持されている。ただし、
フィッシャー・ダラス地区連銀総裁を始め、元々タカ派的なメンバーの発言が多く聞こえ
ており、今後はタカ派ではないメンバーが、米金融政策についてどう認識を変化させるか
が注目となってくるだろう。 仮にハト派のメンバーから「出口戦略」について強気なコメ
ントがあった場合は2月16日高値の83.969円を窺う展開となろうか。


ポンド円「ブル」
英ファンダメンタルは依然脆弱ではあるが、テクニカル面では5日移動平均線と25日移動
平均線がゴールデンクロスを形成しつつあり、参加者は「強気」な姿勢を崩していない。
英中銀は、引続き利上げに慎重姿勢とみられており、ポンド自体には積極的な買い材料は
見当たらないものの、世界的な株高・ボラティリティー低下を背景にリスクテイク意欲が
一段と高まることが予想される。また、月末の輸出企業のスポット円転や期末のリパトリ
の円買いがピークアウトしており、対円主導で堅調となる可能性があろうか。


豪ドル円「ブル」
豪経済のファンダメンタルズの強さや先進国の中での高金利(4.75%)であり絶対的な金
利差が買いをサポートし「ブル」となった。原油高・商品高をを背景に資源国通貨が物色
される流れに変化はないほか、昨年4月から強力な上値抵抗ラインとなっていた200日移
動平均線を突破したことで地合いは強いと考えられる。ただ、豪ドル円は9営業日続伸し
ており、高値警戒感が漂っていることは確かで、RSIを始めオシレーター系指標では売り
シグナルが出ており、調整の売りや利益確定の売りに押される展開も想定しておきたい。


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