方向感がない相場だからこそ有効。今すぐに使える実戦テクがこれ!


 「例えば、イブニング延長以前に建玉をオーバーナイトする場合、20時以降は翌日の寄付まで一定のリスクを取らなければならなかった。特に重要な指標の発表がある日は、発表前に手仕舞うか、一か八かの賭けに出るしかなかったんです。でも、取引時間が23時30分まで延長されたことで、指値注文さえいれておけば、何か起きてもリスクは限定でき、翌日まで持ち越して精神的なダメージを負わなくてもいい。私はエグジットできる時間が延びたことに魅力を感じますね」とは、個人投資家のKuma氏だ。氏は、最近の225先物の値動きについて、次のように分析する。



225先物マーケットの今の主役は誰なのか?


 「私は、今の225先物マーケットの主役は、年金基金などの機関投資家だと見ています。彼らが225先物を買うのは、債券の値上がりでポートフォリオ内の債権比率が高まったので、その比率を下げるために買っているのです。彼らの買い方は、一定のレンジに入ったら、一定額のお金を投入するというもの。だからチャートの動きを見ていると、以前なら直近の安値を更新した場合、そこから一気に下がっていたのが、最近は直近の安値を更新しても一気に下がることがあまりないように感じます。これは、そのレンジで大口の買いが入っているから、下がらないのではないでしょうか。当然、彼らの買いが終われば、またズルズル下がる。下がればまた下のレンジで買いが入る。だから、一気に下がる。この繰り返しです」(同)

 つまり、大口投資家が債券の値上がりの結果、ポートフォリオのリバランスを図るために、225先物を買っているということだ。

 「加えて最近は、ユーロのボラが非常に大きい。225先物の値動きは、このユーロの値動きにも影響を受けています。225が主体的に動いているのではなく、通貨の影響で上がったり下がったりしているだけ。為替にやられているのです」(同)

 だから、欧州の約8割の時間をカバーしたイブニングセッションの値動きが大きくなっているのかもしれない。

 「また、寄付で大きく上げたのに、結局引けで下げて終わったりもする。これはオーバーナイトしないプロのディーラーたちの影響もある。だから、寄付で仕掛け、大引けで決済するシステムでは、売買シグナルが当たってもなかなか勝てません」(同)

 実際のところ、数年前にKuma氏が作ったCME225をベースにした逆張りのシステム「Kumaシステム」も、この影響を受けている。

 「逆張りは利益を伸ばしづらいので、今の相場環境では寄付で仕掛けたら、引けまで持たずに指値を入れておくなど、一定金額の利益を得たら決済するほうがいいでしょう」(同)



システムがなくてもできるシステムトレードもある


 では、どんな手法が有効なのだろうか?

 「例えば、海外の相場は日本に比べて値動きが素直で騙しが少ないので、海外の動向を見ながらイブニングの225の引けで仕掛けて、翌日の寄付で手仕舞うのがいいでしょう」とKuma氏。重要な指標の発表を待ってから仕掛けられるようになったので、イブニングセッション延長以前よりはオーバーナイトのリスクが減り、仕掛けやすくなった。

 「また、250円単位というオプションの値幅を意識したトレードも有効でしょう。例えば、9000円を割って下げたら、その250円下の8750円、さらに下げたら、もう250円下の8500円。これを目安にエントリーやエグジット、またはロスカットを意識するトレードは有効だと思います。実際にチャートを見ていると、250円単位でもみ合っていることは多いです。さらに250円の半値の125円も意識したいポイントです」

 例えば9000円と8750円の間なら、ちょうど真ん中の8875円付近でもみ合うことが多いということだ。

 いちいち専用のシステムを作らずとも、ルールに従って機械的に売買すれば、ある種のシステムトレードなのだ。



Kuma 氏
著書に『名波はるか&Kumaさんが教える日経225&miniで始めるシステムトレード入門』(小社刊)や『スベらない株式投資』