取引時間が延長されたイブニングセッションを攻略してみる!


 そもそも、数多くある取引対象の中で、なぜ225先物なのか?

 そして、星の数ほどある投資手法の中で、なぜシステムトレードなのか?

 「まず、データ的な検証がしやすい。225先物はFXと異なり一物一価。東証一部上場の225種類の株価の平均値という原資産にヒモづいた金融商品です。相対取引のFXのように、業者によって価格が異なることもないので、データの信頼性が高いのも魅力です」とは、前出の西村氏。

 しかも、ファーストリテイリングなど、225先物に採用されている中でも影響力が大きい個別銘柄の動向を見ているだけで、何となく225先物の値動きが予測できたりもするという。

 「初心者にシステムトレードというと、どうしても難しく考えがちですが、自分で考えたアイデアを検証してくれる計算機のようなもの。自分という監督が考えた戦術を忠実に実行してくれるプレーヤーという位置づけです。検証結果から得られたルールに従って機械的に売買するので、エントリーやエグジット、ロスカットの基準が明確です。そのためあれこれ悩まなくてもよく、投資に対する余計なストレスがありません。一度に大きな利益は見込めませんが、続けることを前提にトレードしている人には、コツコツ利益を積み重ねられるのでいいでしょう」



リーマンショック並にイブニングのボラは増大


 ところで、取引時間延長後の225先物の値動きは、以前と比べて何か違うのだろうか? 

 「延長されて間もないので、データが十分ではありませんが、イブニングセッションを見ていると、時間延長前と延長後では、まずボラティリティの大きさが違います。イブニングだけのボラを比較してみると、延長前がだいたい70円ぐらい(’10年)だったのが、延長後は100円ぐらいの値幅があります。延長後のボラは、リーマンショックなどがあった’08年並み。また、出来高を時間帯別で見てみると、NY株式市場が寄り付いてからが増えていますね」(西村氏)

 確かに、欧州各国のマーケットが寄り付く夕方の時間を過ぎると、NY株式市場の寄付を意識しているのか、いったん出来高が落ち、NY寄付後の22時30分以降に再び増えているのがわかる。

 「取引時間が延びると、当然、海外のマーケットの動向を無視してトレードすることはできません。投資家は、ますます海外の動向を気にしなくてはいけなくなりました」(同)



20時以降NY株式市場が寄り付くまでは要注意


 では、今の225先物は、どう攻略すればいいのだろうか。

 「例えば、イブニングセッションがスタートして約3年になりますが、日中取引がNYダウに対して逆張りが有効なのに対して、イブニングセッションは順張りが有効です」(同)


 例えば、NYダウが前日よりも上昇して引けた場合、翌日の日中取引の225先物は寄付が天井で、引けにかけて下げる陰線のことが多く、同じ日のイブニングは、寄付が底で引けにかけて上昇する陽線のことが多く、逆にNYダウが前日よりも下落して引けた場合、翌日の日中取引の225先物は寄付が底で、引けにかけて上がる陽線のことが多く、同じ日のイブニングは、寄付が天井で引けにかけて下落する陰線のことが多いということだ。

 「とはいえこの手法は、イブニングセッションの取引時間が延長されたことで、20時以降は要注意です。何か大きな材料が出れば、それまでのトレンドが一気に変わってしまいます。特にNY株式市場の寄付は要注意。もし、利益が出ているなら、NYが寄り付く前に利食い、値動きが大きくなるNY時間は、10円、20円抜くスキャルなどで、あらためて臨んだほうがいい。ただし注意すべき点は、夏時間の間はNYの寄付を1時間カバーできますが、冬時間になるとイブニングセッションの引けとNYの寄付が同時刻になる。そうなると、また違った動きをするかもしれません」(同)

 検証を続け、その差異も織り込んでいけば、勝率の高いシステムトレードが実践できるはずだ。


西村貴郁 氏
ウエストビレッジインベストメント代表取締役社長。
システムトレード関連の著作多数。http://www.wvi.jp/(wviで検索)