2011/3/22 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが東京市場では春分の日による休日で通常より市場参加者が少なく動意に乏しかったものの、先週金曜日に実地した円売り協調介入に対する警戒感から80円後半でしっかりとした値動きとなった。欧州市場に移っても「福島原発で電源設備の復旧工事が進み、第1原発の3・4号機に外部電源の接続を完了した」との報道を受け円売りが優勢となった上、米10年物国債利回りの上昇を受けて日米金利差拡大を意識した買いが入り一時81.312円と日通し高値を更新した。NY勢参加後は利益確定のドル売りが強まったほか、米2月中古住宅販売件数は488万件と市場の事前予想(511万件)を下回り、2010年11月以来の低水準を記録したことで一時80.90円付近まで下押した。ただ下値では介入警戒感から押し目買いが散発的に入ったことで81円台を回復し81.030円で取引を終えている。

ユーロ円は先週末の主要国中銀による円売り介入を受け、東京市場では追加介入への警戒感が強く、積極的に円を買いにくい地合いからジリジリと上値を拡大し114.75円付近まで上昇した。欧州時間も時間外のダウ先物や、英・独株価指数の上昇を背景にリスク志向が改善したほか、欧州中央銀行(ECB)の利上げ期待から115円台を示現。また、引けにかけユンケル・ルクセンブルク首相(ユーログループ議長)が「EUの財務相は欧州安定メカニズム(ESM)の全ての要素に関して合意した」「ESMの資本基盤は7000億ユーロとなる見込み」などと発言したと伝わると、ユーロ圏の財政問題が解決に近づいたとの見方から買いが加速し一時115.404円と日通し高値を更新した。その後も高値圏をキープし115.250円で取引を終えている。


本日の展開


ドル円は福島原発を巡る懸念が市場の不安心理を増幅する一因になってきたが、自衛隊、警察、東電職員、政府関係者による懸命な努力が報じられるなか、株式市場も持ち直していることもあり、投機的な円買いはしばらく手控えられる可能性が高いと言えよう。また日銀単独介入には冷淡な為替市場も、G7各国が為替市場への協調介入で合意したことにより、下値では再介入を警戒して底堅い値動きが予想される。上値の目処としては先週の協調介入直後の水準で25日移動平均線がさしかかる82.00円付近とし、同水準を上抜けた場合は75日移動平均線のさしかかる82.50円付近まで上値余地を見込んでおきたい。ただし、G7声明では「2011年3月18日」だけの協調介入実施を示唆するなど、G7各国は日本と利害を共有しておらず、声明では「為替市場を注視し、適切に協力する」と明記しているとはいえ、協調介入が今後も継続する保証はなく、円安トレンドとみるのは時期尚早であり、深追いは禁物だろう。

ユーロはトリシェECB(欧州中銀)総裁が昨日「(インフレへの)強い警戒について何ら撤回しない」と述べ、ECBが利上げを実施する暗号とされる「強い警戒」の文言を再度使用しECBは来月4月にも利上げを行う可能性があることを改めて表明したことで、日米の金利見通しの違いがユーロを引続き支援するだろう。また、EU財務相会合においてユーロ圏諸国が資金難に陥った場合に支援するESM(欧州安定メカニズム)が、
7,000億ユーロで合意するなどファンダメンタルは良好と言えよう。まだ福島の原発は予断を許さない状態ではあるが、原発事故が解決に向かえばリスク回避的な円買いは弱まり、ユーロ円は116円を試す可能性もあるだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-83.00
ユーロ・円 114.50-116.50
ポンド・円 131.50-135.00

【今日の主な経済指標】

13:30 JPY 全産業活動指数
16:00 CHF 貿易収支
16:45 FRF 企業景況感指数
17:00 ZAR 四半期経常収支
18:30 GBP 消費者物価指数
18:30 GBP 小売物価指数
21:30 CAD 景気先行指数
21:30 CAD 小売売上高
23:00 USD 住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数

≪2011年3月21日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
10年ぶりの協調介入に加えて、歴史的な安値であることから「強気」な参加者が約80%
となっている。しかし、G7各国の協調介入合意を受けて急激な円高が一服しているもの
の、米英仏軍がリビア政府軍に対して攻撃を開始したことでリビア情勢の緊迫化からNY
原油先物や北海ブレント原油先物は上昇しており、今後の原油高騰はダウンサイドリスク
となるだろう。また、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは75.428
と2009年12月以来の低水準を付けており、ドル独歩安も警戒しておきたい。


ポンド円「ブル」
英3月ライトムーブ住宅価格が前月比+0.8%と前回(+3.1%)から大幅に伸びが鈍化した
ことが嫌気されたものの、日米欧加の当局による円売りの協調介入への警戒感から「ブル」
が優勢となっている。本日発表が予定されている2月消費者物価指数は、1月同指数が前年
比4.0%と、英国の景気沈滞にもかかわらず、原油価格高騰や付加価値税(VAT)引き上げ
から高く推移しており、今回の数値如何では、政策金利引き上げ(金融引き締め)の前倒
し期待が高まるだろう。また、明日は英中銀金融政策委員会議事録(3月9・10日開催分)
が予定されており、利上げ支持派が前回の3名(センタンス委員、ウィール委員、デール
理事)から増えていれば、こちらも英早期利上げ期待からポンド買いが強まりそうだ。こ
こ数日間はポンドにとって正念場となるだろう。


豪ドル円「ブル」
堅調なNYダウやアジア・欧州株の上昇を背景にリスク選好の動きが強まったことで参加
者のセンチメントは「ブル」となっている。ただ、3月期末が近付いていることから本邦
企業や機関投資家のリパトリによる円転圧力も可能性が高い上、福島原発事故を巡る懸
念やリビアへの空爆開始で、リスク回避ムードが再度強まる可能性も排除できない。また、
中国消費者物価指数(CPI)が高止まり傾向を示すなど、中国人民銀行が金融引き締めを
継続的に行う公算が高く、経済的な結びつきが強い豪州への影響が懸念されるため、慎重
スタンスは維持したい。


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