2011/3/16 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、事業法人の仲値決済が集中しやすい5・10日(ゴトー日)にあたり、仲値に向けたドル買い需要が意識され序盤からじりじりと値を伸ばした。その後、菅首相が「東京電力福島第1原発で漏えいしている放射性物質の濃度が高くなっている」「さらに放射性物質が漏えいする可能性が高まっている」などと述べたほか、枝野官房長官が福島第1原発付近で人体に影響のある放射性濃度が検出されたことを明らかにすると、日経平均先物が前日比1560円安の7900円まで下落し、リスク回避の動きから81.227円まで急落した。その数分後、豪準備銀行(RBA)が豪ドル介入を実施しているとの噂から豪ドル円が急反発すると連れる形で上昇し82.040円まで値を伸ばした。しかし、買いの勢いは長続きせずに反落、欧州時間では英・独の株価指数先物が大幅安で始まったことをきっかけにリスク回避の円買いが加速し米国時間には前日安値と同水準の80.608円まで値を崩した。一方、米国時間に注目されていたFOMC声明文は目立った変更点がなかったため影響は限定的となり、流れは下向きのまま80.745円で取引を終えた。

ユーロ円は、仲値に向けた外貨買いによって114.655円をマークした後は、福島原発の放射能漏れ関連のニュースを受けてリスク回避の動きが強まると下落幅を拡大した。日経平均をはじめとしたアジア株に続き、時間外のNYダウ先物が一時300ドルを超す下げ幅となり、投資家のリスク許容度が大幅に低下していることを背景に欧州時間も下値模索の展開となり昨日安値を下回り111.957円まで下落した。その後、対ドルで急落した反動から戻りを試す動きが強まると連れ高となり113.192円まで値を戻し、値を維持したまま113.030円で取引を終えた。


本日の展開


本日のドル円は、引き続き地震・福島原発の続報に注意が必要となろう。NYクローズ間際には福島第1原発4号機から炎が上がっているとの報道がある等、沈静化の見通しがたたないため神経質な展開となりそうだ。株価に目を向けてみるとCME225先物は8985円でクローズし大阪証券取引所の引け値から上昇する等、早くも昨日の安値から戻りを試す展開となっている。阪神大震災・リーマンショック等、過去の急落時ではパニック売りの急落後、調整によって値を戻しており、本日の日経平均株価が過去のケースと同様に堅調推移となった場合は、リスク回避の動きが和らぎ、ドル円は底堅い動きとなるかもしれない。一方テクニカルで見ると、2010年11月1日安値80.239円が目先のサポート、1995年4月安値79.70円が歴史的な価格のため強いサポートとなるだろう。

豪ドル円は、リスク回避の動きによって売りが売りを呼ぶ展開となっており、下値模索の展開となっている。絶対的金利差の優位性によって、個人・法人問わず国内投資家からの人気が高い反動から、手元資金の確保のために豪ドル資産の売却が加速している。市場がリスクに対して敏感な状況が継続しているため、豪州のファンダメンタルズに関係なく弱含みの展開を想定しておきたい。テクニカルでは、昨日一目均衡表週足転換線・基準線を一気に下抜けており、一時的に雲上限を下回る場面もあった。中期的なサポートをブレイクしていることから2010年10月29日78.182円を目標に下値を試す場面もあるかもしれない。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-81.50
ユーロ・円 111.80-114.70
ポンド・円 128.30-132.50

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI)
18:30 GBP 失業保険申請件数
18:30 GBP 失業率
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値)[前年同月比]
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20:00 ZAR 小売売上高[前年同月比]
21:30 CAD 製造業出荷[前月比]
21:30 USD 建設許可件数
21:30 USD 住宅着工件数
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)
21:30 USD 四半期経常収支

≪2011年3月15日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
大きく値を崩したため割安感が強まり「ブル」の割合は高まっている。1995年4月歴史
的安値79.70円に接近しているため、現状は防戦買いに支えられている。しかし、現在
はリスク回避が市場のテーマとなっているため、国内の地震、福島原発の続報を受けた
主要国の株価動向次第となりそうだ。


ユーロ円「ブル」
反発期待の表れか「ブル」に転換している。欧州信用不安が和らいだ事でユーロ自体の
ファンダメンタルズは好転しているため、リスク回避の円買いが弱まった場合は値を戻
す展開も想定される。ただし、福島原発の状況次第では円買いが加速する可能性も秘め
ているため注意したい。


ポンド円「ブル」
割安感から「ブル」が継続しているが、他通貨ペアと同様に日本の地震被害・福島原発
を背景としたリスク回避の円買い主導の相場展開となっているため、買いを維持するに
は警戒が必要となろう。欧州時間には英失業率の発表を控えているが、予想から大きく
乖離しない限りは影響は限定的と考えられる。むしろ、主要国株価の動向に左右される
展開が続いているため、外為市場だけでなく、株式・債券市場の動向にも注意を払う必
要があるかもしれない。


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