2011/3/15 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、オープン直後から波乱の展開となった。東北地方太平洋沖地震を受け、日本の保険会社が保険金支払いのため対外資産引き揚げを行うとの思惑や、国内金融機関が手元資金の確保のために外貨の買い持ち高を解消する動きが広がり80.582円まで急落した。しかし、急ピッチで下落した反動から急速に値を戻し、日銀が「総額12兆円の共通担保資金供給オペを即日実施した」との発表を受けてリスク回避姿勢がやや緩和、更に仲値決済に向けて実需のドル買いが入ったことで82.437円まで急反発した。その後、日銀が金融政策決定会合において政策金利の据え置きと同時に資産買い入れ基金を5兆円増額することを発表したが、事前に日経新聞が「日銀は一段の金融緩和を協議する方針だ」と報じていたこともあり、反応は限定的となった。欧米時間では主要な経済指標の発表は無かったものの、米10年物国債利回りが再び低下したことで日米金利差縮小を意識した売りが出たほか、クロス円の下落も重しとなり値を崩す展開に。流れは下向きのまま81.628円で取引を終えた。

ユーロ円は、他の対円通貨と同様に東北地方太平洋沖地震を背景とした円主導の展開となり、オープン直後に安値となる112.433円をマークした後、114.822円までの急反発となった。先週末、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)の貸出可能額を2500億ユーロから当初の4400億ユーロに増額することや、EFSFによるユーロ圏政府債の購入を許可することで合意する方針であることが伝わり、ユーロ圏財政問題への警戒感が後退し対ドルでは買いが先行したものの、対円においては影響は限定的となった。欧州時間に入ると時間外のダウ先物や独DAXの下落を背景にリスク回避の動きが強まり下落する展開となったが、対ドルでの上昇が強まると一進一退となり方向感が定まらないまま114.179円で取引を終えた。


本日の展開


東北地方太平洋沖地震が日本経済にどの程度の影響を及ぼすか未だ不透明なため、日本株をはじめとした主要国株価の動向に引き続き注意が必要となりそうだ。住宅や建物、道路等の直接的な被害はもちろんのこと、福島原発の被害拡大の可能性、東京電力の停電に伴う企業活動の収縮等、将来的な被害額は未知数なため予断は許されないだろう。

ドル円は、東北地方太平洋沖地震を背景としたリスク回避の動きが一服し緩やかな流れとなっているが、未だ各地で余震が続いているため警戒は怠れない。また、国内保険会社の保険金支払い額は甚大な金額に上ることが予想され、破綻懸念も拭い切れないため、地震を発端とした主要企業の続報には注意が必要だろう。一方、米国時間にはFOMCが予定されており、声明文の文言にどのような修正が加わるかが注目されている。原油高を背景としたインフレ懸念も台頭していきているため、エネルギー価格高についてどのような見解を示すかが焦点となるだろう。なお、昨日マークした安値80.582円がパニック的な変動による一時的なものだったはいえ、目先は下値目標として値を崩す展開も想定しておきたい。

ユーロ円は、欧州の信用不安を背景に下落していたが、昨日格付け会社フィッチが「ユーロ圏サミットでの合意は現状の危機に対する欧州の対応を大幅に強化することになるだろう」「欧州の政策対応によって欧州のソブリン信用リスクは短期的に低下し、ユーロにとっても強い政治的なサポートになる」との見解も示している。地震を背景に円買いが目立つ格好となっているが、対ドルでは上昇基調にあるため、主要国株価が堅調に推移すればリスク回避の動きが弱まりユーロ円も値を戻す展開が予想される。昨日高値114.822円を上抜けた場合、先週高値115.266円までの上昇も想定しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 80.50-82.50
ユーロ・円 112.50-115.00
ポンド・円 130.00-133.50

【今日の主な経済指標】
09:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
15:30 FRF 消費者物価指数(CPI)
19:00 EUR ZEW景況感調査
19:00 DEM ZEW景況感調査(期待指数)
21:30 CAD 四半期労働生産性指数[前期比]
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30 USD 輸入物価指数[前月比]
21:30 USD 輸出物価指数[前月比]
22:00 USD 対米証券投資(短期債除く)
23:00 USD NAHB住宅市場指数
03:15 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表

≪2011年3月14日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
80円割れを意識する水準まで下値を拡大したものの、終値では81円台半ばを維持して
おり、スタンスは変わらず「ブル」となった。東京時間の大きな変動後、欧米時間には
落ち着いた動きとなったことから、円買いは一服したとの見方があるのかもしれない。
しかし、本日は米国時間にFOMCを控えており、声明の内容次第では上下どちらにも動
く可能性を秘めているため注意が必要だろう。


ポンド円「ブル」
昨日、格付け会社フィッチが、「英国の格付け「AAA」を確認し、「緊縮財政と銀行
セクターの健全化進展によりリスクが低下している」との見解を示したと伝わり、ポン
ド買いが強まったため「ブル」となった。地震の影響から目先は対円での影響は限定的
となっているが、円以外の通貨には強含みとなっているため、上昇が対円にも波及した
場合、上値を試す展開となるかもしれない。


豪ドル円「ブル」
地震に伴うリスク回避の動きによって豪ドル円は陰線引けとなったが、バーゲンハント
的な買いによって支えられ「ブル」となった。しかし、日経平均先物は大引け後のイブ
にングセッションにおいても下値を拡大しており、下値が見えない状況となっている。
そのため、日本株は本日も下値を試す可能性を秘めており、リスク回避の動きが強まっ
た場合は、豪ドル円も連られて値を崩す展開も想定しておきたい。


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