2011/3/11 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場では仲値にかけて本邦輸入企業のドル買いがやや入り、序盤に82.85円付近へと小幅上昇したものの、本邦輸出企業の売りに加え、リビア情勢の緊迫化を受けたNY原油先物の上昇が嫌気され、日経平均が下げ幅を拡大すると82.70円付近まで小幅に反落。しかし、その後は中国貿易収支の下振れを受け人民元切り上げ圧力が後退するとの思惑から円買い圧力が後退すると欧州勢参入後には82.95円付近まで上昇した。欧州市場では新規材料に欠けるなか、高騰が続く原油先物や金先物価格などの商品市況が下落したことで、これまでのドル売りポジションを買い戻す動きが優勢となりジリジリと上値を拡大すると一時83.167円まで上昇した。ただ、NY市場に移り米新規失業保険申請件数が発表され、予想37.6万件のなか39.7万件と予想よりも悪化したことから83円割れ。引けにかけて再度83円台にトライしたものの、サウジアラビアでの発砲騒動を受けてリスク回避の地合いから安全資産としての債券需要が高まり、米10年物国債利回りが急低下したことも意識され大台には届かず82.923円で取引を終えた。

ユーロ円は、ギリシャやポルトガルなど欧州高債務国の信用不安再燃が重石とはなったものの、東京市場序盤には欧州の利上げ期待を背景に115.25円付近まで上昇。しかし、買い一巡後は利益確定の売りに上値を抑えられると、予想外の赤字になった中国貿易収支を受けて豪ドルが下げ足を速めたことにつられたほか、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物の下げ幅拡大を背景にリスク回避の円買いが強まったこともあり114.85円付近へと反落。欧州勢参入後も米ムーディーズがスペインの格付けを「Aa2」に引き下げ、見通しを「ネガティブ」としたことを受けて売りが加速し114.40円付近まで続落した。NY勢参加後もサウジアラビアで「警官が反政府派の集会に向けて発砲した」と伝わると、原油の供給不安から原油先物が急騰したほか、NYダウが230ドル超下落し、投資家のリスク回避姿勢が強まり一時114.207円まで下落し114.407円で取引を終えている。


本日の展開


ドル円は、75日移動平均線や日足一目均衡表の雲上限のさしかかる82.70円付近を上抜けたことで同水準がサポートとなって、ダブルノータッチオプションの観測されるレンジ上限84.00円付近まで上昇する可能性はあるだろう。また、今夜22:30に2月米小売売上高の発表が控えており、先週末の雇用統計上振れを加味すると総体的に家計の所得は増加傾向にあると判断でき、個人消費の見通しは良好で予想を上回る結果となる可能性も考えられよう。ただ、リビアではカダフィ大佐が退陣を拒否している上、政権側と反政府側の衝突で同国の原油生産量が3分の1以下に落ち込んでおり、原油高を背景とした米長期金利低下を背景としたドル売りのほか、3月年度末で本邦勢のリパトリ圧力や、本邦実需筋などの売りも多いとみられるため、神経質な展開も想定される。仮に上値の重さが意識された場合の目処としては日足一目均衡表の雲下限となる82.25円付近まで下値余地を広げておきたい。

ユーロ円は、欧州高債務国の信用不安が再燃していることから、先月まで堅調に推移していた欧州主要株価の下落が顕著となり上昇トレンドが崩れつつある。債券市場でもギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどの長期金利が軒並みユーロ導入以来の高水準に上昇したほか、米ムーディーズがスペインの格付けを「Aa2」に引き下げ、見通しを「ネガティブ」とするなど上値が重くなりそうだ。また、恐怖指数(VIXスポット)はスポットで21.90と前日から8.3%も上昇し、リスク許容度の基準となる20を超えている上、サウジアラビアやリビア情勢の悪化から原油先物価格がもう一段上昇することも考えられリスク回避の円買いにも警戒していきたい。ただし、ECBが来月の理事会で0.25%の利上げに踏み切る可能性が高まっていることから、下値では売り込みづらく、週末要因から前日の下落分はショートカバーが入ることも考えられるため、突っ込み売りは注意したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-84.00
ユーロ・円 113.50-115.50
ポンド・円 131.50-135.00

【今日の主な経済指標】
16:00 DEM 費者物価指数
16:00 DEM 卸売物価指数
16:45 FRF 経常収支
18:30 GBP 卸売物価指数
21:00 CAD 新規雇用者数
21:00 CAD 失業率
22:30 USD 小売売上高
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
00:00 USD 企業在庫

≪2011年3月10日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
82円台では割安感から買いが入りやすいほか、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融
緩和策の「出口戦略」を探りつつあるとの思惑を背景に「ブル」が優勢となっている。
マーケットの関心は来週火曜日のFOMCに移っており、ここ数カ月間続いた失業率の
低下をどう解釈するのか注目があつまるが、金利に関して「長期間」の文言に変更が
あるのでは?といった期待からドルを買う動きが強まる可能性もあるだろう。ただし、
ドル円はボラティリティーが低下している上、週末のポジション調整や83.00円付近
ではオプション絡みの売りが厚いとみられ一本調子で上昇するには材料不足だろう。


ポンド円「ブル」
英中央銀行のMPC委員会は、政策金利を0.5%に据え置き、資産買い入れプログラム
の規模を現行の2000億ポンドに維持することを発表した。ただ、英国のインフレ率は
4%に上昇しており、英中銀インフレターゲットの倍近い水準であることから、5月に
は0.25%の利上げを行うとの見方が大半となっているため「ブル」優勢となっている。
今月3月23日に発表される英MPC議事録が今後の焦点となり、利上げ期待からポンド
を下支える展開も予測できるが、テクニカル的には5日移動平均線と25日移動平均線
がデットクロスを形成しつつあり、仮に5日が25日線を下抜けた場合は下げ足が加速
する可能性があり注意したい。


豪ドル円「ブル」
豪雇用統計では、新規雇用者数が前月比-10100人と予想の同+20000人から大幅に
下振れしたことや、豪州最大の貿易相手である中国の2月貿易収支が予想外の赤字に
なったことが嫌気され大きく下落したものの、参加者は絶好の押し目とみて「強気」
スタンスだ。しかし、中東情勢を巡る地政学的リスクや欧州の信用不安再燃を受けて、
リスク選好ムードが後退するなか、本日11:00発表予定の中国2月CPI(消費者物価指
数)目標値が大幅に上回った場合には利上げ観測が高まりから豪ドルの上値は重くな
るかも知れない。また、NZドルは前日0.5%の利下げをおこなったものの、RBNZは
声明文で今回の利下げは一時的措置で、将来地震の復興が進めば利上げを行う可能性
を示唆しており、中長期的に考えればロングポジションも面白そうだ。


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