2011/3/8 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、仲値でのドル需要を背景に一時82.40円付近まで強含む場面がみられたものの、先週発表された米2月失業率の改善にも関わらず利上げ期待に繋がらなかったことでドル買いは一服。その後は、リビア情勢の不安から米長期金利への悪影響が懸念されると、先週末の安値を小幅に下回る82.10円付近へと値を落とした。更に欧州勢参加後も米格付け会社ムーディーズがギリシャ国債の格付けを「Ba1」から「B1」へ引き下げるとユーロ円の下落につれて日通しの安値となる81.952円まで続落した。NY時間ではリビア情勢などを手掛かりとした原油価格の乱高下やギリシャの格下げなど、複数のネガティブ要因を背景としてリスク回避志向が台頭し、これがドルストレートでのドル買いにつられてドル円は82円台を回復した。尚、引けにかけてFRB関係者からの発言が相次いだものの、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁はタカ派、シカゴ地区連銀のエバンス総裁・アトランタ地区連銀のロックハート総裁はそれぞれハト派と従来通りでマーケットには大きな影響はなく82.235円で取引を終えた。

ユーロ円は、リビア情勢の緊迫化を受けた原油高、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物の下落を受けてリスク回避型円買いがやや強まったことで東京市場中盤に114.85円付近へと下落。その後も米格付け会社ムーディーズがギリシャの格付けを「Ba1」から「B1」へと引き下げ、見通しを「ネガティブ」と発表したことを受けてユーロ売りが強まると欧州市場序盤には114.60円付近まで下押しした。しかし、ユーロ圏の3月センティックス投資家信頼感が17.1と前月の16.7から上昇し2007年9月以来の高水準を記録した事や、ECB(欧州中銀)に対する利上げ期待などに支えられ反発し115円台を回復。ただ、NY時間に入ると、高く始まったNYダウが失速し下げ幅を広げたため徐々に上値を切り下げ、株安に伴う円買い・ユーロ売りが広がると114.881円まで下押して取引を終えた。


本日の展開


ドル円は、2月米雇用統計が終了したことでマーケットの関心は、量的緩和の行方となろうか。6月末にQE2(量的緩和第2弾)が早期終了となるのか、もしくはQE3と更なる量的緩和が実施されるかについての思惑が揺れているようだ。昨日はFRB連銀総裁からの発言が相次ぎ、フィッシャー・ダラス連銀総裁は「非生産的であることが証明されれば、量的緩和を短縮するだろう」「資産購入の延長は支持しない」と述べタカ派的な発言を継続。しかし、エバンズ・シカゴ連銀総裁は「量的緩和縮小の必要性はみられない」とし、更に、ロックハート・アトランタ連銀総裁は「経済が再び下落すればQE3の可能性も」「6月以降の債券購入には慎重」と述べハト派的なコメントをしており、現段階ではQEに関する解釈は混迷を深めているため、方向感は出しずらい。QE2で終了するならドル売り一服、QE3まで実施されるならドル売り加速の展開が予測され、来週3月15日に開催される米FOMCが今後の試金石となるだろう。テクニカル面でも方向感が掴みにくく、レンジが予測される。下値は中期サポートラインのある81.60円付近が相当に固い上、仮にサポートラインが破られたとしても81.00近辺も強いサポートになると見られ大きな下振れは見込みにくいだろう。一方上値も日足一目均衡雲や、25日移動平均の位置する82.50円付近の上抜けには疑問が残る。また、ダブルノータッチオプション81−84円が残存しており、レンジに近づけば防戦される可能性は高く、ブレイクするには材料不足が否めないか。

ユーロ円は、2月米雇用統計というメインイベントを通過したことを受けて、マーケットの関心がECBの利上げ観測に集中する可能性が高く、底堅い局面が続きそうだ。また、テクニカル面でも三角持ち合いの上放れで上昇モメンタムが強まるなか、5日、25日、75日の移動平均はいずれも上向きとなり地合いは強そうだ。週足ベースの上値抵抗線である10月7日高値115.676円を明確に上抜けすれば中長期的な上昇トレンド入りの期待が高まるだろう。ただし、ムーディーズがギリシャ国債の格付けをBa1からB1へ引き下げ、見通しをネガティブに変更、更にデフォルトの可能性まで指摘するなど欧州ソブリン問題がいつ再燃してもおかしくないことは頭に入れておきたい。また、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ギリシャの経済は利上げを容易に吸収できないとの見方も強いことから、過度の楽観は禁物となろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-84.00
ユーロ・円 113.80-116.00
ポンド・円 132.20-135.00

【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断
15:45 CHF 失業率
16:45 FRF 財政収支
16:45 FRF 貿易収支
19:00 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所
20:00 DEM 製造業新規受注
22:15 CAD 住宅着工件数

≪2011年3月7日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
先週の米雇用統計では失業率が予想より強かった上、非農業部門雇用者数も上方修正
されるなど、内容的には米労働市場の回復を裏付けるものと評価でき、米景気浮揚期
待を背景とした参加者の「ブル」に変化はない。しかし、ドルの値動きを示すドルイ
ンデックスが一時2010年11月5日以来の低水準となる76付近まで下落するなど、心
理的な節目となる75付近までは下落リスクが高まっている。また、リビアではカダフ
ィ政権派が巻き返しに出ており、和平案受け入れにも懐疑的な見方が広がっているこ
とから、シカゴ・オプション市場では、恐怖指数が20.79付近まで上昇しリスク許容
度の基準とされる20を超えている。米ファンダメンタルは好調ではあるものの外部要
因が足枷となり、「米債券買い→ドル売り」の流れからバイアスはやや弱気となるか
も知れない。


ポンド円「ブル」
今週10日のBOE(英中銀)政策金利に注目が集まるなか、英利上げ期待もあって参
加者は「強気」だ。しかしインフレリスクに対する各委員の意見の隔たりは大きく、
キングBOE(英中銀)総裁の議会証言では、「インフレ抑制の金利引き上げは自滅行
為だ」としたため、政策金利引き上げへは考えにくく、政策金利は据え置きが妥当だ
ろう。尚、5月末でBOEのセンタンス委員が退任する。同士は前回の会合で0.50%の
利上げを主張した最タカ派の人物として知られており、こちらも英利上げに向けてネ
ガティブ要因となろうか。


豪ドル円「ブル」
リビア情勢の緊迫を背景とした原油高・金高が進行していることに加えて、CRB商品
指数もリーマンショック以降の高値を連日更新しており、資源国通貨である豪ドルは
引続き「ブル」が優勢となっている。中東・北アフリカ情勢の株価への影響を注視す
る必要があるものの、今週木曜日に発表される2月豪雇用統計が予想を上回れば、豪
利上げ期待が復活する可能性もあり注目したい。しかしNZドルはRBNZ(NZ準備銀)
は3月10日の会合で利下げするのでは?との憶測がある上、テクニカル的にも5日移動
平均線60.90円付近が抵抗となり上値の重い展開が予測される。


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