海外証券会社が日本に相次いで参入しており、外国株投資がますます身近になりそうだ。7月、シンガポールや香港を拠点とする大手オンライン証券の「フィリップキャピタルグループ(CG)」が日本に進出すると発表したほか、マネックス証券は香港の「ブーム証券」を買収した。

 「フィリップCG」はシンガポールや香港、米国、タイ、マレーシア、インドネシア、オーストラリア、イギリス、カナダ、韓国、フィリピンなどさまざまな国の金融商品を提供。一方の「ブーム証券」は香港や米国株など12か国・地域の株式取引を行う。海外投資事情に詳しい作家の橘玲氏に聞いた。

 「日本の証券会社が外国株を勧誘する際は、1銘柄ごとに顧客に『内容説明書』を交付しなくてはならず、これまで取引できる銘柄が制限されていました。外国市場の上場全銘柄が売買できるようになれば、投資家にとっては大きなメリットでしょう」

 特に目玉は、'09年1月に日本進出を発表し、世界17か国80以上の市場でリアルタイムに取引できる「インタラクティブ・ブローカーズ(IB)証券」だという。

 「日本の証券会社で日本株や外国株、FX、先物を売買しようとすると、商品ごとに口座を開設し、資金管理も別勘定。しかしIB証券なら口座は1つで済むのです」

 例えば100万円で株を買えば、それを担保にFXもできるというわけだ。また、「株が下がりそうだから先物でヘッジしたい」というときも、新たな証拠金を必要とせずに取引できる。グローバルな商品に投資しながら、証拠金を共有し取引できるインターネットブローカーは、世界でもIB証券くらい。ただし、3社とも“次の一手”を模索しているところ。今後の展開に期待が集まる。






橘 玲氏
「海外投資を楽しむ会」創設メンバーで作家。著書に『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』など。www.tachibana-akira.com/