8月の東京の平均気温は、平年より2・3度も高く、過去113年で最も暑い夏となった。気温が上昇すると消費が増える代表的な製品であるエアコンの売り上げも伸びた。7月のエアコンの販売額は前年同月比26%増に。こうした中、経済ジャーナリストの黒井颯氏は「高効率給湯器」がアツくなると見ている。

 「室外の熱を室内に取り込むことで暖房に、逆に室内の熱を放出することで冷房にする『ヒートポンプ技術』が近年、エアコンなどに用いられています。このエアコンで培ったヒートポンプ技術を利用し、給湯機能と床暖房などの暖房機能を併せ持つ高効率給湯器が今冬の株式市場のテーマの一つになるでしょう」

 国内の給湯市場では、'01年にコロナが「エコキュート」を発売して以来、省エネ競争が活発化。

 「マンション向けに小型化したり、床暖房や浴室乾燥機能などの多機能化が進み、欧州向けに応用されています。さらに、リンナイが今年4月発表したヒートポンプとガス給湯器を組み合わせた『ハイブリッド給湯器』や、ガス会社が普及を進めている発電と給湯を同時に行う『コージェネレーションシステム』など、新技術が次々と生まれているのです」

 欧米主要国の家庭におけるエネルギー消費は、約7割が暖房と給湯が占めているという。

 「各地域に暖炉などの暖房文化や石炭などの使用燃料の違いがあるため、省エネの余地が大きいということも、日本のヒートポンプ技術が評価される要因でしょう」

 海外ではようやくガス瞬間湯沸かし器に注目が集まり始めている程度で、日本メーカーの熱き戦いが始まっているようだ。






黒井 颯氏
兜町で株式記者を経て経済ジャーナリストに。企業決算を多角的に分析する。アナリストなど金融関係者に幅広い人脈を持つ