2011/2/21 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円だが、東京市場序盤にIMF(国際通貨基金)がG20(20カ国地域財務相・中央銀行総裁会議)に提出する報告書で「ドルの下落は一段と均衡のとれた成長の一助となる」と一部通信社が報じたことから弱含みのスタートとなった。その後も本邦輸出企業からの売り観測や、G20での人民元切り上げ要求や不均衡是正に対する警戒感から円高圧力が加わり、欧州時間にかけて83.25円付近へとじりじりと値を落とす展開となった。欧州勢参加後は中国人民銀行が預金準備率を再び引き上げると発表したことで一時的に円が買われる場面もあったが、欧米で主要経済指標の発表が予定されていないほか、週末前で積極的にポジションを傾ける動きもなく、狭いレンジ内の取引となり83.30円付近で膠着状態となった。NY時間に入るも米プレジデンツデーに伴う3連休を控えており積極的な商いは手控えられ、バーナンキFRB議長が為替相場の柔軟化の必要性について講演したが市場への影響は限定的となった。ただ、引けにかけてエジプト国営TVが「エジプト当局、イラン艦艇のスエズ運河航行を許可へ」と報じた事で安全資産の米国債が買われたことで米長期金利が低下すると83.098円まで下押しして取引を終え、3日続落となった。

ユーロ円は、週末要因や緊迫化する中東情勢に加え、一部通信社がドル安を歓迎するとIMFの分析を報じたことを背景に序盤からユーロドルが今週の高値をつけると連れてユーロ円も堅調に推移し、本邦輸出企業の売りをこなしながら113.50円円付近へと上昇した。しかし、買い一巡後はパリで開催されるG20などを警戒したポジション調整主体の動きも優勢となり113.15円付近まで反落するなど東京市場は一進一退の展開となった。欧州市場ではビ−ニスマギECB(欧州中銀)専務理事が「物価圧力高まればECBは利上げの可能性も」「必要があればECBは先手を打つ事が出来る」とコメントしたことで利上げ期待が膨らむと113.70円付近まで大きく値を上げた。NY勢参加後もECBによるポルトガル国債の購入観測が支援材料となり高値圏でしっかりとした値動きが続き113.758円で取引を終えた。


今週の展開


今週の展開だが、米経済指標を睨みながら米長期金利や株価の動き、更に中東の地政学リスクに一喜一憂する展開が想定される。主な米経済指標としては、22日に12月ケース・シラー米住宅価格指数、2月消費者信頼感指数、2月リッチモンド連銀製造業指数、23日に1月中古住宅販売件数、24日に1月耐久財受注、12月期住宅価格指数、1月新築住宅販売件数、25日に10−12月期実質国内総生産(GDP)改定値、2月ミシガン大学消費者態度指数確報値などが発表される。

ドル円は、2月に入り81円前半から84円目前まで約3円近く上昇しており、利益確定売りが入りやすい状況にあるほか、84.00−84.50円付近では本邦輸出企業の売りが断続的に控えているため、同水準をを突破できないと厳しい展開が予測されよう。また、ドルの総合的な価値を示すドルインデックスをみると78.53ポイントに位置する一目均衡表の雲下限がレジスタンスとして意識されている上に、今まで横ばいだった基準線も下降しており、一連のドル買い基調にやや陰りが見え初めてきたと考えることができようか。

ユーロ円だが、欧州のインフレ率はECBが目標としている2.0%を上回っており(1月消費者物価指数2.2%)、今後さらにインフレが加速する指標が見られれば、素直に買い材料となる可能性が高いだろう。目標としては1月27日の年初来高値114.006円を上抜けることができれば、昨年11月22日の高値114.942円を短期的な上値目処となろう。ただし、懸念材料として格付け会社ムーディーズがアイルランドの銀行を格下げで見直す公算が高いと表明しており、今週も引き続きアイルランドの財政問題を中心にユーロは波乱含みの展開が予想される。また、バーレーンやリビアの反政府デモは一段と拡大しており、イランでも体制派と反体制派が衝突するなど中東情勢の悪化する展開になればリスク回避型のユーロ売りに拍車がかかるだろう。ポンドも英中銀四半期インフレ報告の穏健な内容やキング英中銀総裁のハト派発言を受けて早期利上げ期待が後退しており積極的に買いづらい状況のなか、欧州通貨の中では有事に強いスイスフランに注目が集まる可能性は高く、下落局面では押し目を狙ってみるのも面白そうだ。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-86.50
ユーロ・円 109.00-116.00
ポンド・円 130.00-136.00

【今週の主な経済指標】

2月21日
09:01 GBR 英・ライトムーブ住宅価格
17:28 GER 独・製造業PMI
17:28 GER 独・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・製造業PMI
18:00 GER 独・IFO景況指数

2月22日
22:30 CAN 加・小売売上高  / 加・小売売上高
23:00 USA 米・S&P/ケースシラー住宅価格指数

2月23日
00:00 USA 米・CB消費者信頼感指数
08:50 JPN 日・通関ベース貿易収支
18:30 GBR 英・金融政策委員会(MPC)議事録−公表

2月24日
00:00 USA 米・中古住宅販売件数
16:00 GER 独・四半期GDP
19:00 EUR ユーロ圏・業況判断指数
22:30 USA 米・耐久財受注  / 米・耐久財受注(除輸送用機器)

2月25日
00:00 USA 米・新築住宅販売件数
08:30 JPN 日・東京消費者物価指数
08:30 JPN 日・全国消費者物価指数
09:01 GBR 英・GFK消費者信頼感調査
18:30 GBR 英・四半期GDP
22:30 USA 米・四半期GDP
22:30 USA 米・四半期個人消費
22:30 USA 米・四半期GDP価格指数
23:55 USA 米・ミシガン大学消費者信頼感指数

≪2011年2月18日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
上値の重さが確認され膠着状態となったが83円台は引き続き維持しており、参加者の
「強気」スタンスに変わりはなかった。84円付近には輸出企業やオプションがらみの
売りが確認できる上、84円台は昨年12月に1か月近くもみ合ったレンジの上限だけに
テクニカルにも抵抗感が強く、突破していくには新規材料が必要となろうか。また、
中東の情勢次第では米長期金利が一段と低下圧力を受ける可能性もあり、潜在的な下
落リスクは高いといえよう。


ポンド円「ベア」
英国の1月の小売売上高が市場の事前予想を大きく上回ったことが好感され上135円
ミドルまで上昇したが、RSI:14は70%を超えており、参加者は逆張りのスタンスが
優勢で「ベア」となっている。英四半期インフレ報告にて利上げを否定する文言が示
され利上げ観測が著しく後退した上、英1月雇用指標が市場予想比で悪化している状
況に、一旦はロングポジションの解消に動く可能性も想定される。なお、タカ派で知
られるセンタンスMPC委員が5月の会合を最後に辞職が決まってたことで、英利上げ
時期が遅れるのでは?との見方からポンド売りの口実となる可能性もあろうか。


豪ドル円「ブル」


中国人民銀行が「預金準備率を0.50%引き上げる」と発表したことを受けて、「金融
引き締め→中国経済の成長ペース鈍化→中国を最大の貿易相手とする豪経済に影響→
豪ドル下落」との懸念から売り買いが交錯し、参加者のポジションはほぼ「スクウェ
ア」となっている。テクニカル面では現状84.50円付近がレジスタンスとして意識さ
れているものの、直近の上昇トレンドを考えるなら心理的節目の85.00円をトライす
る可能性もあるだろう。また、昨年よりレジスタンスとして意識されていた83.00円
がサポートへと転換したほか、一目均衡表では2月に入り基準線が上向き傾向を示し
ていることでも地合いの強さが伺える。


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