2011/2/18 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場序盤は米景気回復期待を背景に堅調に推移したものの、84.00円付近に並ぶオプション絡みの売りが意識されたほか、年度末決算を控えた本邦輸出筋のドル売り圧力に抑制され83.50円付近へと軟化した。売り一巡後は新たな手掛かりも乏しかったことから狭いレンジでもみ合う展開が続き、東京市場終盤にかけてわずか20銭にも満たない値幅の推移となった。欧州勢参加後も米主要経済指標の発表を控え、手掛り材料難から方向感に乏しい展開が続いていたが、NY時間では米労働省が発表した1月米消費者物価指数が市場予想を上回り買いが入ると、日通し高値となる83.692円まで値を上げた。しかし、その後は新規失業保険申請件数が予想よりも悪化したことが嫌気されると次第にドル売りが強まり83.30円付近まで急落した。さらに「イランの軍艦2隻がスエズ運河に向かっている」との一部報道を受け中東情勢の緊迫化が意識されると、米長期金利が低下し日通し安値となる83.159円まで下値を拡大。引けにかけて小幅に反発したものの、前日比-0.370円の83.300円で取引を終えている。

ユーロ円は、インフレや世界的な景況感に楽観ムードが漂い、日経平均も寄り付きから年初来高値をつける動きとなると、東京市場序盤からリスク選好地合いで113.65円付近へと上値を伸ばした。しかしその後はユーロ買いも一服し、利益確定売りが優勢の展開から徐々に上げ幅を縮小すると東京市場終盤にかけて113.40円付近まで弱含む値動きとなった。欧州時間に移っても格付け機関のムーディーズが「独コメルツバンク・グループの格付けを引き下げ方向で見直す」と発表したことが嫌気され113.10円付近まで続落する展開となった。ただ欧州市場中盤では、センタンス英中銀金融政策委員会(MPC)委員が「インフレリポートの見通しはインフレの上振れリスクを控えめに評価している」「CPIを目標に戻すため、市場の予想より速く金利を引き上げる必要がある」などと述べ、英利上げ期待を理由にポンド高が進むと、これにつれる格好でユーロ買いが入り持ち直す恰好となった。NY時間でも米国株式相場が底堅く推移するとリスク選好の地合いに下値では押し目買いが散発的に入り113.345円で取引を終えた。


本日の展開


本日の展開だがエジプトの政変を受け、中東ではバーレーンを始めリビアなどの周辺国にもデモが拡大していることで安全資産の米国債が買われ、米長期金利がもう一段低下する可能性が高くなってきた。また、米国の三連休を控えて利益確定の売りが入る可能性も高いほか、84.00-84.50円には本邦輸出企業のドル売りが山積となっていることを鑑みると、同水準を示現するには新規買い材料がなければ困難な情勢と言えようか。ただし、直近の米経済指標は概ね好調で米景気回復期待がドルのサポートとなる上、本日からパリで開かれるG20では新興国への資金流入を是正する枠組みが主要議題となることが明らかになっており、リパトリ(本国還流)が意識されれば底堅い展開も考えられよう。好悪材料が混在する現段階において方向感を固めづらい局面にあり、短期的には中立スタンスを維持し市場のセンチメントを読み柔軟に対処する必要がありそうだ。

ユーロは、ECBの次期総裁人事をめぐる不透明感や、ECBの利上げ観測後退を背景に神経質な展開が予測される。また、ユーロ圏GDPが1%成長の見通しとなっている一方、ギリシャとポルトガルはマイナス成長と低迷する結果に国債市場では欧州高債務国の利回りが高止まりしている事も足枷となりそうだ。ただ対円では、本邦予算関連法案の成立に向けて民主党と社民党との調整が難航している上、民主党の小沢一郎元代表の処分に反対する若手衆院議員16人が離脱届を提出するなど、政局不安から円を買いにくい状況でもある。テクニカル的にも短期サポートラインの5日移動平均に沿った動きが継続されているほか、日足一目均衡表でも基準線、転換線が共に上昇基調へと変化しており、113.50円を上抜けた場合は、心理的な節目となる114円台を窺う展開となろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-84.50
ユーロ・円 111.80-114.20
ポンド・円 133.50-136.00

【今日の主な経済指標】
16:00 DEM 生産者物価指数
18:30 GBP 小売売上高指数
21:00 CAD 消費者物価指数

≪2011年2月17日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ベア」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
NYダウは2年8か月ぶりの高値を更新するなど米景気回復期待を背景に「ブル」が継
続されている。今後の展開として84円台へ到達するかが焦点となるが、仮に84.00円
のレジスタンスが意識され下落したとしても一目均衡の雲上限が位置する82.50円付
近を明確に割り込まない限りは底堅いと考えられる。また、ドルインデックスをみて
も一目均衡の転換線78.18ポイントがサポートラインとして意識され、雲の下限78.5
3ポイントをトライする状況となっており、インデックスの値動きからも強気シグナル
が出ている。


ポンド円「ベア」
ハト派的な内容となった英中銀四半期インフレレポートやキング英中銀総裁の発言を
背景に参加者のセンチメントは「弱気」を継続している。キング英中銀総裁が早期の
利上げを完全に否定したことで、ポンドは金利面でのアドバンテージが剥落している
上、イギリスの失業保険申請件数(失業者数)が+0.24万人と予想(-0.30万人)外に
増加したことも、ポンドの足枷となりそうだ。一時135円ミドルと半年ぶりの高値を
付けた後だけに、反動による下振れリスクにも注意する必要があるだろう。


豪ドル円「ベア」
9ヵ月ぶりの高値をつけたことでオシレーター系の売りが入ったほか、中東情勢悪化
への懸念を背景に参加者のポジションは「ベア」へと移行している。テクニカル面で
は重かった84.00円を突破したことで上昇トレンドを再確認することができたものの、
エジプトのムバラク政権崩壊に触発され、中東各地では特権階級支配や強権政治への
抗議デモが多発しており、地政学リスクの悪化がリスク回避ムードを高める可能性も
あるだろう。中東情勢がどこまで市場の関心を集めるか見極めるまでは、RSIを眺め
ながらの小刻みな売買が有効となるかもしれない。


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