これまでにFXで上げた利益は8億円。そのうち4億円の所得を脱税したとして起訴され、世間を騒がせた池辺雪子氏。この一件を契機に、今年からFX業者への支払調書の提出が義務づけられた。

池辺氏には法律を揺るがせるほどの影響力があったのだ。

「納税は国民の義務ですから。私のときはFX業者もあまり税金の知識がなくて、FXのことがわかっている税理士も少なかった。私はちゃんと周囲に相談し、納税の準備もしていたんですけどねぇ」

彼女の投資歴は'70年から。親戚からの勧めもあり、軽い気持ちで日本株を買ったのがきっかけだった。その後、長い潜伏期間を経て、本格的にのめり込むのが'90年代。バブル崩壊の商品市場が舞台だった。

「投資顧問の先生を渡り歩いて、やっといい先生に巡り会えた。その人にいろいろ教わっていたんですが、やっぱり自分で勉強しなきゃダメだと一念発起。それからは入手できる範囲のあらゆる投資の本を読みました」

ただのスワップ長者とも思われがちな池辺氏だが、実はオシレータ系から酒田五法まで洋の東西を問わずあらゆるテクニカル分析に精通した本格派なのだ。

「商品先物業者の勧誘もあって'00年頃にFXを始めたんです。ちょうど円高が底を打った頃で、円売りの長期ポジションを持って、スワップをもらいながらその含み益で短期売買をしながら利益を上げていきました」

そこに起こった、あの脱税事件。'04年からの3年間にFXで稼いだ約4億円の所得を脱税したとして起訴され罰金3400万円の判決が下るも速攻で現金支払い。

「あれからも投資資金を少なくしてはいますけど、FXは続けていて、コンスタントに利益が出ています。ちゃんと確定申告もしてますし」

では、その手法を学んでみよう。



池辺流'09年相場予想!!
「5年サイクル」で今年は大底今年後半にも85円台に到達する



今年前半の米ドル/円は92〜101円のレンジ


池辺氏は今年の相場をどう見ているのか。米ドル/円相場を予想してもらった。
「5年のサイクルに注目してください。米ドル/円はだいたい5年サイクルで動いているんです。1ドル79円の歴史的高値をつけたのが'95年4月。それから円安へと進んで140円台へ乗せた後、再び円高が進み101円の大底をつけたのが4年7か月後の'99年11月。1ドル130円台への円安を挟んで5年1か月後に再び101円台の大底をつけたのが'04年でした。それから5年と考えると、それがちょうど今年。円高のピークが来そうですね」

円高はまだ収まらなさそう。では、どのくらいの水準まで進むのか?

「長期的な視点で考えてください。為替が自由相場に移行する前、1ドルは360円で固定されていました。それからは短期的な円安はあっても、ずっと円高が続いています。超長期チャートでトレンドラインを引いてみると、今年後半には85円くらいの水準へ到達します。今回の円高のピークは今のところ87円10銭ですから、ちょうどいい水準じゃないですかね」


目先はまだ円高がありそうだが、世間が騒ぐような70円、60円といった超円高はなさそう。「世の中が騒ぐときは大体、相場は逆に行きがちだから」とも。

そうなると、今年の相場は結局どんなイメージになるのか?

「当面はレンジじゃないかしら。レンジの上限は101円台。'07年の高値124円から87円までの間にフィボナッチを引いて、38.2%戻しが101円台前半。'08年の高値110円から87円で引いたフィボナッチの61.8%戻しも101円台。2つが重なる、このあたりがレンジの上限になってきそう」

目先で円安があっても101円台で止まりそう。じゃあレンジの下限はどのくらいが目安に?

「101円が上限だとしたら、下限は'07年底値の87円から14円上がったことになりますから、その半値戻しで94円くらい。それか87円から101円のフィボナッチで61.8%戻しとなる92円台なので、この辺りでしょうね」

あれ、じゃあさっき言っていた85円とは?

「何かあるとしたら、夏から秋にかけて。8月はヘッジファンドが夏休みをとるし、9月は日本の中間決算。それに任期満了となれば、総選挙もある。アノマリーで言っても、ブラックマンデーや去年のリーマンショックは10月でしたから、波乱がないか気をつけたいですね。またもう一つ気になるのは今年が'09年ということです」



ファンダメンタルズよりチャートを頼りに取引



'09年が気になるのは、なぜ?
「9のつく年は紛争や事件が多いんですよ。
'99年にはNATO軍によるユーゴ空爆がありましたし、'89年には天安門事件。'79年にはソ連のアフガン侵攻と、イベントが発生しやすいアノマリーがあるんです。もしアメリカの絡んだ紛争の火種や事件が起きると、米ドルが暴落するかもしれません」

オバマ大統領の政策を考えると、無軌道な紛争介入はなさそうだが、気をつけておく必要はありそうだ。

「あとは、経済指標で気をつけるとしたら雇用統計と失業率。住宅関連の指標も注視しておくべきと言われますけど、ここまできたら住宅関連指標の数字は悪くて当たり前。それより、BIG3の処理をどうするのかのほうが気になりますね。オバマさんの経済対策も注目なんでしょうけど、それがどう為替に影響するのか。私たち素人にはよくわからないですからね……。気にしすぎる必要はないと思います。ファンダメンタルズも大事ですけど、頼りになるのはやっぱりチャートです」
今年前半は、レンジ相場で稼ぎ、後半は底値を見極めながらの取引が吉ということか。

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