FX業者の中には最大700倍なんてところもあったほど、明らかに過熱しすぎた"レバレッジ競争"。仮に「レバレッジ700倍」をフルに活用し1ドル85円でロングした場合、単純計算で1ドル84・878円になると、全資産が"溶ける"ほどの威力だ。

 そこで、投資家を保護することを目的に、今年8月から最大50倍まで引き下げる「レバレッジ規制」が実施された。さらに1年後の8月1日は、25倍まで規制される予定だ。

 レバレッジ規制が実施されると、「取引量が半分以下になる」とか「規制が円高を後押しする」なんて騒がれていたが……

 「くりっく365」のデータによると、8月の全通貨の取引数量は、7月と比べ12・4%減少した。ポンド円も豪ドル円も減ったが、それ以外の通貨はむしろ増えている。実際の影響はどうだったのか? FX先生こと、杉田勝氏に聞いた。

 「8月に入ってますます円高ドル安が進行した影響で、ドル円の取引が活発になったという面はあるでしょう。ただし、やはり規制が影響して、全体の取引数量は減少傾向のようです。特にハイレバレッジをウリにしていた業者の中には50%も取引が減ったところがあるとのこと。また、規制によって追い証がかかったりロスカットにあう可能性があるので、クロス円ポジションの解消、つまり円買いが増え、円高が進むだろうと予想されていました」

 実際、7月28日には1ドル88円を超えていたが、その後は一度もタッチしていない。

 「そもそもFXとは、高レバレッジを使ったバクチではありません。投資環境の健全化や投資家保護のためには、よい規制だと思います。正しいトレードで使うレバレッジはせいぜい20倍程度。今回の規制をきっかけに、正しいトレード方法を身に付けてほしいですね」



杉田勝 氏
ロンドン在住のもとヘッジファンドマネジャーにして、FXスクール「Win-invest/Japan」会長。
著書に『FX先生』(小社刊)