2011/2/17 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、東京市場序盤は本邦輸出企業勢の売りが出た他、心理的な節目となる84.00円に観測されているオプションバリアを意識した売りに上値を抑えられやや弱含みのスタートとなった。その後は日経平均やGLOBEXのNYダウ先物の堅調推移を受けたリスク選好の円売りに加え、米長期金利の上昇もあり下値も限定的になると、東京市場終盤にかけて概ね83.75円前後でこう着感の強い展開に終始した。欧州時間でも米景気回復の期待から円売り・ドル買いが散発的に確認されたものの、84円台にかけては本邦輸出企業からのドル売り圧力で方向感は定まらなかった。NY勢参加後は建設許可件数、住宅着工件数が発表され、共に市場の事前予想を上回る伸びとなった事で、米長期金利が上昇し一時83.969円まで上値を拡大した。ただ、買い一巡後に発表された米鉱工業生産が予想0.5%増のなか0.1%減と予想を大きく下回る結果となったことから、84円を目前に値を崩す展開となった。引けにかけて公表されたFOMC議事録では今年の成長率予測を引き上げるなど一時84円を再トライする場面もあったが、「雇用市場には引き続き失望」「最近のデータ、成長、インフレ見通しを大幅に変更させるに至らず」等として現状の米経済を楽観視しない姿勢が示されると上値は限定的となって83.670円で取引を終えた。

ユーロ円は、オセアニア時間に「独ウェストLB銀行の所有者が再編に合意し再編計画を既に欧州委員に提出した」と報じられると、不透明感が薄らいだことから東京市場では買いが優勢となって113.30円付近へと上昇し前日の高値に迫った。また、欧州勢参加後も中東勢やアジア中銀のユーロ買い観測に加えて、欧州株が堅調に始まったことを背景としたリスク選好の地合いに113.50円付近まで続伸した。NY時間ではポンド円の下落などにつれて一時113円を割り込む場面もあったが、ポンド売りが一巡すると次第にユーロ円も下値を切り上げ113.644円まで反発。引けにかけても、NYダウの上昇に伴う円売り・ユーロ買いを背景に高値をキープし113.513円で取引を終えた。


本日の展開


米FOMC議事録では「雇用市場には引き続き失望」と慎重な姿勢に変化は見られなかったものの、2011年の成長率の見通しを前回の3.0%−3.6%増から3.4%−3.9%増、失業率も前回の8.9%−9.1から8.8%−9.0%に上方修正したことはドル円のサポート材料となるだろう。また、テクニカル的にも三角持ち合いからの上放れが明確となっており、次のターゲットは去年11月より強固な抵抗帯となっている84.50円となりそうだ。ただし、2月初旬より押し目なく一方的な上昇を続けていることもあって徐々に高値警戒感が強まっているほか、84.00円付近では実需のオファーがしっかりしており、本邦輸出企業からのドル売りをこなしながら84円のブレイクが本日の焦点となりそうだ。

ユーロドルは米景気に回復の兆候がみられる一方、欧州では第4四半期GDP速報値や独ZEW景況感調査が予想を下回り、欧州景気の下振れ懸念が浮上している上、ECBの次期総裁人事を巡る不透明感や利上げ観測の後退も重石となって上昇余地は限定的と考えることができよう。ただし、対円は株高連鎖によるリスク選好の流れを背景に、円キャリートレードが活発化しつつあるため、下値を切り上げる展開もありそうだ。テクニカル面でも5日移動平均の短期サポートラインを維持する展開が継続されている上、一目均衡表の基準線が平行線から上昇基調へと変化していることもユーロ円の地合いの強さを表すシグナルとなっている。仮に113.50円を明確に超える展開となった場合は、ボリンジャーバンド+1σの113.80円付近が次のターゲットとして意識され、同水準を上抜けた場合は、心理的な節目となる114円台を窺う展開となろうか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-84.50
ユーロ・円 111.80-114.20
ポンド・円 133.50-136.00

【今日の主な経済指標】

14:00 JPY 景気先行指数
18:00 EUR 経常収支
19:00 EUR 建設支出
22:30 CAD 卸売売上高
22:30 USD 消費者物価指数
22:30 USD 新規失業保険申請件数
00:00 USD 景気先行指標総合指数
00:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
00:00 EUR 消費者信頼感

≪2011年2月16日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
FOMC議事録で今年の成長率予測を引き上げたことに加えて、米住宅着工件数や
生産者物価指数が好結果となったことで「ブル」優勢となった。引続き84-85円
レベルでは輸出企業のドル売り意欲が強いと見られるものの、同水準を明確に上
抜けすれば80-81円付近での底固めが完了し、中期的な上昇トレンド入りの可能
性も確認できよう。


ポンド円「ベア」
1月の英雇用統計で失業者数は前月比で2400人増となり市場予想の3000人減よ
り弱かった上、BOEは四半期インフレ報告で「市場金利の動向からみて2年後の
CPI上昇率は1.7%前後」としBOEのインフレ目標の2%を下回るとの見方が示さ
れ参加者の「弱気」スタンスに変化はなかった。事前に発表された英雇用指標が
弱かったこともあるが、キングBOE(英中銀)総裁が「市場の金利見通しを支持
しない」「中銀が利上げする素地にはなってない」とコメントを受けてBOEの早
期利上げ期待が大きく後退している。直近まで利上げ期待が高まっていただけに
失望売りの可能性があるほか、テクニカル面でも一目均衡表の雲下限を下回った
ことで地合いは弱く、上昇局面では戻り売りを検討してみたい。


豪ドル円「ブル」
「ブル」継続となったが、米ムーディーズが「豪州大手4行を格下げ方向で見直
す」と発表したことや、RSIやボリンジャー等の指標が高値を警戒していること
で約40%参加者が売りポジションにシフトしている。オシレーター系では売り
シグナルがでているものの、中長期的には昨年5月以来続いている上昇パターン
がまだ崩れていない上、世界的な株価の上昇や商品価格の高騰などを背景に心理
的節目となる84円台も視野に入ってこようか。しかし対ドルではパリティ以上が
重く、市場の関心が米国景気指標の上振れ期待や長期金利の先高観にシフトして
いる一方、豪州経済は洪水の影響で一時的にマイナス成長となった可能性が高く、
次回利上げは第2四半期以降となる見通しで金利面からもサポートされにく状況
と言えよう。テクニカル面でも1.02ドル付近でトリプルトップを形成し、上昇ト
レンドラインも崩壊の兆しがあり、年初来安値の0.98ドル付近までは下値余地を
広げておきたい。


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