経済記者・和島英樹氏が予測!技術力の需要はまだまだ高い



 「中国が次に狙うのはズバリ、’70年代にウハウハだった会社です」

 そう言うのは、ラジオNIKKEI記者の和島英樹氏。確かに、あのレナウンも当時は儲かって仕方がなかった会社だ。

 「現在の中国経済の状況は、日本の高度成長期後半戦の’70年代後半’80年代前半に酷似しています。しかも人口は日本のほぼ10倍だから、インフラ関連や消費関連の需要は当時の日本の比ではない」

 現在、中国は基礎的なインフラ整備にメドがたち、高速道路、高速鉄道、港湾、空港などで先進国並みのインフラを目指す真っただ中。国民は毎年2000万人以上が都市沿岸部に押し寄せ、こぞって“中流化”を目指す。一方、地方の農村部では、農業の効率化に取り組む。そんな状況だから、「日本の建設ノウハウから、農機、セメントから食糧加工技術まで’70年代の日本を支えたものが必要な状況」なのだという。

 ところが、残念ながら中国にはこうした技術がない。例えば、今後ますます需要が増えるであろう「ジュース」一つとっても、原料である砂糖の精製技術や、ビンや缶本体を作る最先端技術がなく、フタやキャップも生産段階で不良品が多数出てしまう。
「だからといって、今さら自力でイチから技術を積み上げるなんて面倒くさすぎる。なら、既にある日本の技術を買おうとなるわけです」

 では、 “ポスト・レナウン企業”の特徴とは?

 「アルミやゴム、キャップやビンなど日本ではやや時代遅れな業種ゆえ、競合会社が続々倒産し、気が付けば自分だけが生き残って、その道の1位になってしまったような企業。さらに、足元の業績が悪ければなおさら狙われやすい」

 中国資本からスポンサー協力と商圏の確保を約束されれば、“残存者メリット”を発揮しやすい。その切り口から和島氏が目を付けたのが、左下表の銘柄だ。一方、和島氏は、こんな耳寄りな話も呟く。

「日本企業は中国資本にとってM&Aだけではなく、投資対象としても十分魅力的。実際、すでに豪州に本拠を置くオムニバス名義の中国系ファンドが、優良大型株34銘柄を買いまくっています」

 具体的な銘柄は、ソニー、オリックス、帝人、日東電工、クラレ、武田薬品、王子製紙、それに3大メガバンクなど。

 「よく見ると優良不動産を多数所有し、優良技術を持ち、創業者一族が持ち株を握っているなどの特徴があります。そんな視点から中国マネー流入特需が狙える銘柄を探してみるのも、一興でしょう」







和島英樹氏
ラジオNIKKEI「和島英樹のウィークエンド株!」でパーソナリティを務めるほか、マネー雑誌の連載、TVでも活躍。著書に『新興国「人口バブル」に乗る150銘柄』(徳間書店)など