円高ドル安は米国発の世界恐慌の前ぶれなのか? 農林中金総合研究所のエコノミスト、南武志氏は、「景気回復の素地がじわじわと固まっています」と、目線は底打ち後を見据えていた。

 米国では8月下旬、4-6月期の国内総生産(GDP)が速報段階の2・4%から1・6%へ下方修正された。ただ、マーケットは事前想定ほど悪くないとして、株高・ドル高で反応した。

 「楽観一色だった今春に比べたら成長は鈍化していますが、そんなに心配はいりません。財政出動やゼロ金利などの政策効果で、米国経済は民間の力で経済を回せるようになるかの正念場まで持ち直しました。米当局は非常事態からの"出口戦略"を急ぐべきではありません」

 米国が「回復待ち」状態なのに対し、日本は景気も株価も冷え込む一方に見える。その辺の事情を南氏はこう読み解く。

 「日本市場は輸出比率が高いので円高の打撃は少なくありません。それに加えて、中国の景気抑制策への恐怖感が強いのです。中国はバブル加速を防ぐため、人民元レートの小幅高を容認したり、銀行融資を規制したりなどブレーキを踏んでいますが、投資家たちは景気抑制効果が強く表れすぎないか警戒しているのです」

 結局は米国と中国頼みのようだが、どうすれば景気の回復を察知できるのか?

 「毎月金曜夜(日本時間)発表の米国雇用統計に注目するといいでしょう。」米国では経済活動に占める個人消費の割合が大きく、雇用者数の増減から消費や企業活動が窺えます」

 米国景気の回復のサインをキャッチしたら、「証券株かコール・オプションの買いが効率いいでしょう」とは、経済ジャーナリストの大神田貴文氏。

 「証券会社はマーケットを相手にする宿命で、浮き沈みが激しい。大手の野村や大和ではなく、みずほインベスターズ証券や東洋証券、水戸証券といった準大手・中堅クラスは、相場が盛り返せば株価が簡単に2倍になります。短期急騰を確信するならオプションが面白いでしょう。日経平均が上がれば、コールオプション(値上がり型)の買いなら10倍高も珍しくありません」


南 武志 氏
農林中金総合研究所主任研究員。
国内の景気情勢などに詳しいだけでなく、金融政策、労働問題など幅広く研究する。




大神田 貴文 氏
経済ジャーナリスト。
専門は金融と経済政策。株式や為替、国債など各市場に明るい一方、個別企業の裏事情も握っている。