2011/1/21 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、米12月住宅着工件数や、ゴールドマン・サックスの決算が予想を下回る結果となったことで、ドル売りが優勢となったNY市場の流れを引き継ぎ、東京市場序盤は82.00円付近で弱含むスタートとなった。東京時間では、米中首脳会談で為替レートについて突っ込んだ議論が行われなかったとの見方から人民元切り上げ期待を背景とした円買い懸念が緩和した上、5・10(ゴトー日)要因による仲値需給に関連したドル買いも持ち込まれ82.25円付近まで小幅上昇した。しかし、その後は閑散とした取引が続き、欧州時間に入っても概ね81.10円付近でこう着状態となり米重要指標を複数控えたNY勢の参加待ちとなった。NY市場では注目された新規失業保険申請件数が発表され、40万4,000件と市場予想の42万件よりも強い結果となったことからドル買い・円売りが先行し82.70円付近まで急騰する動きを見せた。更にその一時間半後に発表された中古住宅販売件数並びに景気先行指標総合指数も共に予想を上回る結果になったことから一時83.109円まで続伸。引けにかけても強い米雇用指標を背景に米金利が上昇に転じると高値圏を維持したまま82.982円で取引を終え4日営業日ぶりの反
発となった。

ユーロ円は、序盤格付け会社ムーディーズがポルトガルの格付け引き下げの可能性を示唆したことが重石となり110.35円付近で弱含みとなった。ただ、売り一巡後は欧州信用不安の後退観測にもサポートされ、東京市場終盤にかけて110.50円付近まで小幅に反発した。欧州勢が参入すると中国の国家発展改革委員会による「非常に強いインフレが続いている」との見解を受け、上海総合が前日比3%超へと下げ幅を拡大するとリスク回避の円買いが散発的に入り日通し安値の110.312円まで下押した。ただし、NY市場に入り複数の米経済指標が予想を上回った事によるドル円の上昇につられてユーロ円も111円台を回復し、短期的なレジスタンスとされた75日移動平均線を完全に突破すると、ストップを巻き込み一時111.874円まで上値を拡大した。引けにかけて利益確定の売りや本邦輸出企業の売りなども観測されていたが、これらを無難にこなすとほぼ一本調子の上昇を継続、前日比+1.338円の111.805円で引けた。


本日の展開


ドル円は、米中首脳会談で懸案だった人民元問題でオバマ大統領が「人民元の為替水準について一段の調整が必要」と指摘したが胡主席は明言を避け、人民元問題に関する中国側の意向は示されなかった為、人民元切り上げを背景とした円買い・ドル売りのシナリオは徐々に薄れていきそうだ。また、米新規失業保険申請件数や米12月中古住宅販売件数の好結果に加え、米10年物価連動債(TIPS)の入札結果が弱い内容となったことから米長期金利3.45%まで上昇しており、ドル買いの安心感が高まるのではないかと考えられる。ただ、年初来一度も84円台へ戻せていないため、輸出企業もしびれを切らして売りオーダーを83円付近まで下げている為、一本調子には買い進みづらい展開か。また、米国企業の決算発表がピークを迎えているが事前に好業績が織り込まれているだけに、さらに株価が上昇するにはハードルが高く、仮にNYダウが反落した場合はリスク回避の米債券買い(米金利低下)も考えられ、株価の値動きに伴うリスク許容度の変化に注視したい。

ユーロ円は、今年に入り実施された欧州高債務国の国債入札はいずれも無難に消化されるなど、欧州の債務問題を巡る過度に悲観的な見方が後退することでショートカバーをさらに加速する可能性もあるだろう。しかし、ギリシャが返済繰り延べや債務再編が必要になるとの見方や、ポルトガルもいずれ支援要請に追い込まれるとの見方も依然燻っており、楽観視はできないだろう。テクニカル面では日足一目均衡表の112.00円付近や、ボリンジャーバンド-2σの112.50円付近では強い抵抗がありそうだ。また、週末のポジション調整の動きから前日上昇を強めた利益確定のユーロ売りには警戒しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-84.00
ユーロ・円 109.70-112.50
ポンド・円 129.00-133.00

【今日の主な経済指標】

13:30 JPY 全産業活動指数
16:45 FRF 企業景況感指数
18:00 DEM IFO企業景況感指数
18:30 GBP 小売売上高指数
22:30 CAD 小売売上高

≪2011年1月20日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
強い米経済指標や米金利上昇などを背景に市場のセンチメントは改善しており、参加者も
「強気」のスタンスが継続している。特に新規失業保険申請件数は来月発表の1月雇用統
計算出のサンプル採取期間に該当するため、公式雇用統計に対する期待がドルのサポート
要因となりそうだ。テクニカル的には2010年9月16日高値85.926円→2010年11月1日
安値80.239円のフィボナッチ76.4%戻し84.58円を超えないと、上昇トレンド入りとみる
には難しいと考えられそう。目先は2011年1月7日高値の83.70円を上抜ける事が出来る
かが焦点となり、下値目処は日足一目均衡雲の下限である82.35円付近が短期的なサポー
トとしたい。


ポンド円は「ベア」
英中銀イングランド銀行金融政策委員会(MPC)の中でも超ハト派とされるポーゼン委員の
講演で、英利上げに関しタカ派的な発言をしたことでポンドは続伸したものの、高値警戒
から参加者のポジションは「弱気」になっている。英国はインフレ懸念を背景に利上げ観
測も強まっており、流れとしてはポンドに強気のバイアスが掛かりそうだが、今年に入り、
約7円近く急ピッチで上昇してきているだけに、やや買われ過ぎ感が出ている状況にもあ
り、高値圏では慎重な戻り売りを検討してみたい。


豪ドル円は「ブル」
82円を割れたことでバーゲンハント的な買いや、中国経済指標の好結果を受け参加者の
「ブル」は継続している。しかし、原油や金など商品価格に利益確定売りが続いている
ことで、資源国通貨には足枷となる上、一連の中国経済指標も消費者物価が依然として
高水準で推移しており、インフレ抑制から利上げ等、景気抑制策の強化も想定され、影
響度の大きい豪ドルにとってはネガティブな材料と見られる。日足一目均衡表の差しか
かる81.00円付近までは下値余地を広げておきたいところだ。


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