2011/1/18 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円だが、オセアニア市場序盤に胡錦濤中国国家主席が「ドルを基軸とする国際通貨体制について過去の産物と述べた」と一部報道を受け、ドルは弱含みのスタート。東京勢参加後も83円付近では本邦輸出企業による円買い需要も強く上値も限定されると、82円台後半でのもみ合いとなった。欧州時間ではドル自体の材料はなかったものの、ユーロ円を中心にクロス円の売りが強まったことにつれて値を下げるとストップを巻き込み一時82.352円と1月5日以来の安値を更新した。しかし、NY時間の序盤にプロッサー・フィラデルフィア連銀総裁が「年内に利上げを実施する可能性を排除しない」「QE2(量的緩和第2段)は状況に応じ早期に終了する可能性もある」とタカ派な見解を発した事が意識され、82.80円付近まで回復した。ただ、米国はキング牧師誕生日で祝日だったため徐々に値動きが細くなり、引けにかけてこう着状態が続き82.724円で取引を終えた。

ユーロ円は、一部報道で「アイルランドの国内銀行はECB(欧州中銀)融資を受けるために必要な担保が不足しているため、アイルランド中央銀行に押しかけている」と報じたことから、アイルランド金融機関の財務状況に対する警戒感が高まると東京市場では110.55円付近へと緩やかに下落した。その後もショイブレ独財務相の「EFSFの規模拡大は現在のところ必要ない」との発言が伝わった上、中国の準備預金率引き上げを受けた上海株が、前週末比3%超まで下げ幅を拡大したことも重石となり、欧州市場序盤にかけて110.05円付近まで下値を拡大した。更に欧州時間にはスペイン財務省より20日に予定されていたスペイン債(10年債)の入札が中止される旨の発表がなされ、欧州債務問題に対する不安感が拡大すると日通しの安値109.573円まで続落した。売り一巡後はショートカバーや、押し目買いが散発的に入ったものの、5日営業日ぶりに反落し109.963円で取引を終えた。


本日の展開


NYダウがリーマンショック以降の高値を更新するなか、本格化する米主要企業の決算発表に対する期待感が高まっている。本日はシティグループやアップル、IBMが予定されており、NYダウがさらに上値を伸ばすことができれば、リスク選好型の円売りにつながりやすい上、株高を受けて米長期金利も上昇しやすく、ドルをサポートする可能性があるだろう。ただ、本日から金曜日まで胡錦濤中国国家主席が訪米し、明日はオバマ米大統領と米中首脳会談を行う予定となっているなか、人民元切り上げ問題が会談の焦点となる見通しで、訪米期間中は人民元に関する様々な噂や観測が流れる可能性があり、その度に円買いで反応する可能性は否めず警戒は怠れないだろう。

ユーロ円は、先週南欧の国債入札が順調だったことや、EFSFの増額、トリシェ総裁のインフレ懸念発言などでユーロを巡る過度の悲観論は後退したものの、財政危機そのものが解消したと考えるには時期尚早だろう。本日開催されるユーロ圏とEUの財務相会合でEFSFの拡充を巡って協議が行われる見通しだが、ウェスターウェレ独副首相やショイブレ独財務相の発言にある様に、ドイツが反対姿勢を示すとみられ結論が先送りにされる可能性があり下振れのリスクは高いだろう。また、テクニカル面でも短期的はサポートとして機能してきた5日移動平均線の差しかかる110.00円付近が突破されており、目先のサポートは25日移動平均の差しかかる109.20円付近としたい。仮に同水準を下抜けた場合は前週大幅上昇からの半値戻し108.80円付近までは下値余地がありそうだ。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-84.00
ユーロ・円 108.70-110.80
ポンド・円 129.00-133.00

【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 鉱工業生産
18:30 GBP 消費者物価指数
18:30 GBP 小売物価指数
19:00 EUR ZEW景況感調査
19:00 DEM ZEW景況感調査
22:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
23:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 USD 対米証券投資
00:00 USD NAHB住宅市場指数

≪2011年1月17日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
米国市場がキング牧師生誕記念日で休場だった為、動意に乏しく82.40-83.00円でこう着
状態となったが同水準ではドル円の買い意欲は依然高く、約85%の参加者が「ブル」と
圧倒している。QE2(量的緩和第2段)の縮小についてだが、プロッサー・フィラデルフィ
ア連銀総裁は「QE2は5ヶ月以内に終了するべき」「今年の金利の引き上げを排除しない」
などタカ派的な発言がドルのサポートとなる可能性もあるだろう。ただし、バーナンキF
RB議長は「高い失業率が回復にとって脅威」「米経済の状況は依然脆弱なものだ」等、
慎重な姿勢を崩しておらず、現時点ではQE2はスケジュール通りに完遂する可能性を払拭
できないことから、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁の発言だけで積極的にドル買
い進むには材料不足か。


ポンド円は「ベア」
東京市場朝方に発表された英ライトムーブ住宅価格は前月比+0.3%と前回の同-3.0%より
強い結果となったのの、今年に入り約6円強上昇していることから戻り売りを狙った参加
者が多く「ベア」が継続された。しかし、本日は12月消費者物価指数が発表が予定されて
おり、英付加価値税(VAT)の引き上げにより衣料品や食料品の構成項目が全体を押し上
げると予測される。仮に同指標が上振れした場合は、英中銀による早期利上げ観測が高ま
る可能性もあり、もう一段高に警戒したい。


豪ドル円は「ブル」
上海株が不動産税導入観測などを嫌気して前週末比3%超まで下げ幅を拡大して終了する
など、リスク回避姿勢が優勢になったことから81.767円まで下落する場面があったが、
高金利を背景とした人気は高く82円を割れると買いが集中し「ブル」が継続している。
しかし、市場では今週の米中首脳会談や木曜日の中国経済指標の発表を控えて買い手も慎
重となっており上値の重い動きが予測される。また、豪クイーンズランド州の洪水被害や、
豪雇用統計の下振れを受けて豪準備銀行の追加利上げ期待は後退しており、中期的にも豪
ドルの重石となる可能性もあるだろう。




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