2011/1/17 トレイダーズ証券「みんなのFX」

金曜日のドル円は、NY市場で発表された米新規失業保険申請件数の増加や米長期債利回りの低下を受けた軟調な推移を引き継ぎ、東京市場序盤からじり安に推移すると、日本の12月国内企業物価指数が前年比+1.2%と予想の同+1.0%を上回る高い上昇率を示したことも重石となり、82.60円付近へと下げ幅を拡大した。その後も、中国人民元が切り上げ後の高値を更新するなど利上げ観測の台頭に円が買われる展開が続くと一時82.408円と日通し安値を更新した。しかし、欧州時間ではショートカバーが散発的に入ったほかユーロドルが下落した為、つられる形でドル円も上昇の流れとなり82.80円付近まで反発。NY勢参加後も労働省が発表した12月の米消費者物価指数が市場予想を上回ったことを受け、一時83円を示現する場面も見られた。ただその後発表された12月の米小売売上高や、1月のミシガン大消費者態度指数が予想より弱い内容となったことが重石となり、再び83円を割れると82.898円で取引を終えた。

ユーロは、短期的なインフレ懸念を示したトリシェECB総裁の発言を背景に上昇となったNY市場の流れが一服し、東京市場では反動から利益確定のユーロ売りが強まり軟調なスタートとなった。また、中国の利上げ観測を受けた上海株の軟調推移を背景に、リスク回避の円買いも優勢になったことや、本邦輸出企業の円買いが入ったこともあり一時110.071円へと下落した。しかし、欧州勢参入後は欧州中央銀行(ECB)のウェーバー理事が「ユーロ圏のインフレはECBが許容する水準を超えて上昇する」との認識を示したことで利上げ期待が膨らんだ事や、対スイスフランを中心にユーロを買い戻す動きが活発化したことから110.90円付近へと急反発した。NY時間に入ってもNYダウが堅調な値動きとなり、リスク志向のユーロ買いが散見され、高値をキープしたまま110.958円で取引を終え、3日続伸となった。


今週の展開


ドル円は、企業決算の発表が相次ぐなか、先週は米JPモルガン・チェースの2010年決算や、米インテルの10年10〜12月期決算が過去最高益を記録するなど好調な企業決算が続いている。今週も継続すればドル円の上昇圧力となる可能性があろう。しかし、ドル上昇のエンジンとなっていた米国債利回り上昇が沈静化となっている上、今週18日から始まる米中首脳会談での人民元切り上げ議論の拡大も予想されており、上値を抑えられる状況も想定しておきたい。テクニカル的には2010年9月16日高値85.926円→2010年11月1日安値80.239円のフィボナッチ76.4%戻し84.58円を超えてこないとレンジ相場となる可能性が高く、目先は2011年1月7日高値の83.70円を上抜ける事が出来るかが焦点だろう。下値目処は日足一目均衡雲の下限である82.30円付近や、ボリンジャーバンド-1σの差し掛かる82.10円付近が短期的なサポートとなりそうだ。米指標では19日に住宅着工戸数、20日に住宅着工件数、フィラデルフィア連銀製造業指数がなど予定されており、米住宅市場の回復がどこまで進むかに注目したい。

ユーロは、先週の懸案だったポルトガル、スペイン、イタリアの国債入札を無事通過したことでユーロに対する過度の弱気論も後退しそうだ。また、先週トリシェECB総裁は会見で早期の利上げを示唆しているとまでは言いすぎだが、予想以上にタカ派的なコメントとなっており、短期的にはポジティブサプライズとなるだろう。ただし、ユーロの財政問題は根が深く一朝一夕に解決する問題ではないため、今後のユーロ圏財務相会合や、欧州連合首脳会談、欧州要人発言には大きく揺さぶられる展開が続きそうだ。テクニカル分析に目を向けると対円はボリンジャーバンド+1σの上限や、日足一目均衡雲下限の位置する111.00円付近が壁となりそうだが、明確に上抜けてくれば、もう一段高もあるだろう。対ドルでも200日移動平均を上抜けたことで地合いは強く、5日と25日でもゴールデンクロスを形成しつつあり上昇トレンドに変わる可能性があるだろう。

[今週の予想レンジ]
ドル ・円 81.50-84.60
ユーロ・円 108.00-114.00
ポンド・円 127.00-135.00

【今週の主な経済指標】

17日 09:01 GBP ライトムーブ住宅価格
17日 14:00 JPY 消費者態度指数
17日 22:30 CAD 対カナダ証券投資額

18日 13:30 JPY 鉱工業生産
18日 18:30 GBP 小売物価指数
18日 18:30 GBP 消費者物価指数
18日 19:00 DEM ZEW景況感調査
18日 19:00 EUR ZEW景況感調査
18日 22:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
18日 23:00 USD 対米証券投資(短期債除く)
18日 23:00 CAD カナダ銀行 政策金利

19日 08:50 JPY 第三次産業活動指数
19日 18:00 EUR 経常収支
19日 18:30 GBP 失業率
19日 18:30 GBP 失業保険申請件数
19日 19:00 EUR 建設支出
19日 21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
19日 22:30 USD 住宅着工件数
19日 22:30 USD 建設許可件数
19日 22:30 USD 製造業出荷

20日 08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
20日 14:00 JPY 景気一致指数
20日 16:00 DEM 生産者物価指数
20日 18:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)
20日 22:30 ZAR 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
20日 22:30 USD 新規失業保険申請件数
20日 22:30 USD 卸売売上高
20日 22:30 USD 景気先行指数

21日 00:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21日 00:00 USD 景気先行指標総合指数
21日 00:00 USD 中古住宅販売件数
21日 13:30 JPY 全産業活動指数
21日 18:00 DEM IFO企業景況感指数
21日 18:30 GBP 小売売上高指数
21日 22:30 CAD 小売売上高

≪2011年1月14日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
欧州の債務問題がひとまず落ち着きをみせる中、今週はウェルズ・ファーゴ、シティ・
グループ、モルガン・スタンレーなど米金融機関の2010年第4四半期の決算発表が目白
押しとなっており、好調な企業業績を期待して「ブル」が継続している。先週末の米小
売売上高は0.6%と予想には届かなかったものの、6ヶ月連続でのプラスを記録し詳細を
見ても建設資材の売上が2.0%と大きく伸びており、第4四半期GDPにとっては明るい要
素となっている。また、同じく先週末にラッカーリッチモンド連銀総裁は「FRBによる
国債買い入れ見直しの必要性がある」と発言しており、追加緩和観測の後退を背景とし
たドル買いの動きが継続する可能性もありそうだ。


ポンド円は「ベア」
去年12月30日の安値125.503円から約6円強上昇している為、高値警戒感や利益確定の
売りに押されて「ベア」優勢となった。ユーロが当面のヤマ場を乗り切ったことで、欧
州通貨全体が買い戻される展開となりそうな上、株高連鎖期待によるリスク選好もあり
上値を拡大する展開とみる。しかし、欧州高債務国に対する過度の悲観論が後退したこ
とを背景に、対ユーロでは短期的に手仕舞い売りが優勢となる可能性もあり注意は必要
だろう。


豪ドル円は「ブル」
中国人民銀行が20日付で預金準備率を0.50%引き上げると発表し、金融引き締め措置
を受け中国経済の成長ペース鈍化懸念から同国と関係の深い豪ドルが売られ、一時82円
を割れる展開となるとリバウンド狙いの買いが優勢となり「ブル」は継続された。豪北
東部洪水被害の影響もおおむね織り込み済みとなり、短期的には反発余地もありそうだ。
しかし、豪12月の雇用統計のさえない結果や、洪水被害の影響でRBAの利上げは先送り
される公算で、積極的な買い材料も乏しい状態ではある。金・原油相場の上昇も一服と
なっており、やや弱気のバイアスがかかるかも知れない。


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