2011/1/14 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、オセアニア市場から82円台後半でじり高に推移すると、東京市場序盤に発表された日本の11月機械受注は前月比-3.0%と予想の同+2.0%から予想外のマイナスを示したことが円売り要因となり、83.10円付近へと上昇した。しかし、欧州市場にかけてはスペイン紙パイスが「ECBとIMFはバローゾ欧州委員長が12日に提案した欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の規模拡大を支持」と伝えるなど、欧州高債務国の信用不安を鎮静化させる報道が相次いだことで対ユーロでのドル売りが活発化すると82.95円付近まで下押しした。NY勢参加後も米労働省が発表した前週分の新規失業保険申請件数が44万5000件と市場予想よりも弱い結果となったことが相場の重しとなり一時82.546円まで下値を拡大した。引けにかけ米30年債入札結果が不調に終わった事を受けて米国債利回りが上昇するとややドル買いの動きも見られたものの、終値は82.780円と2日続落した。

ユーロ円だが、序盤はEFSFの融資規模拡大を巡る報道を受けて、欧州高債務国の信用不安が後退したことを背景に買いが優勢になったものの、東京市場ではスペインやイタリアの国債入札を控えて様子見ムードも強く、積極的にユーロを買い進める展開にはならなかった為、108.80円付近でこう着となった。ただし、欧州市場序盤にはスペイン紙エクスパンシオンが「EUがEFSFの規模倍増の提案を準備している」スペイン紙パイスも「ECBとIMFはバローゾ欧州委員長が12日に提案したEFSFの規模拡大を支持」と報じたことに加え、アイリッシュ・タイムズ紙の「ユーロ圏財務相が850億ユーロのアイルランド救済支援の金利引き下げを検討へ」との報道もあり、欧州の信用不安が後退し109.20円付近へと上値を拡大した。更に注目されたスペインとイタリアの国債入札も平均落札利回りが予想されていたほど悪化せず、市場はユーロ買いで反応。また、その後おこなわれたトリシェECB総裁の記者会見で、幾度となくインフレが加速するリスクに言及したことで近い将来での利上げの可能性があるのでは?といった思惑から一時110.672円まで上値を拡大した。引けにかけても高値圏でもみ合いが続き、前日比+1.636円の110.590円で取引を終えた。


本日の展開


ドル円は、ユーロ円などの上昇にサポートされれば下落余地は限定的と見る事もできるものの、ドル上昇の原動力である米国長期金利が依然3.3-3.5%のレンジ内におさまっており、上値も限定的となろうか。引き続きレンジ内取引を想定し、82.50円付近の押し目買いと83.50円付近での戻り売りの逆張り戦略が有効になるだろう。ただ、気になるニュースとして格付け会社ムーディーズは定期報告で最高水準であるAaaの格付けを維持するため、米国は上昇を続ける債務比率を低下させる必要があるとし、債務状況が悪化すれば、現在Aaaとなっている格付けの見通しが『ネガティブ』に引き下げられる恐れがあると指摘。また、スタンダード&プアーズ(S&P)も米国の財政状況がこのところ悪化していることを理由に、やはり最高水準である「AAA」の格付け見通しを変更する可能性を除外しないとの見方を示している。依然米景気浮揚期待は高いものの、前日の新規失業保険申請件数も市場予想に反して大幅増となって約3カ月ぶりの高水準を記録するなど今後も「雇用なき景気回復」が続くならば米国の信用格付けに警戒しておく必要もありそうだ。

ユーロは、懸念されていたポルトガル、スペイン、イタリアの長期国債入札を無事通過したことや、EFSFの拡大が協議されていることから、欧州高債務国をめぐる過度の悲観論も一旦沈静化している。また、NYダウもリーマンショック以降の高値圏にあってリスク選好も回復するなか、安全通貨のドル、円の需要は後退し相対的にユーロが買われやすい地合となりそうだ。テクニカル面でも25日移動平均線や日足一目均衡の基準線を明確に上抜け、年初来高値である110.239円も更新するなど地合は強く、次のターゲットはボリンジャーバンド+1σの上限である111.00円付近となろう。だたし、1月20日以降スペインが10年債の入札予定、2月、3月にはイタリアが186億ユーロ、280億ユーロの国債償還を控え、今後も懸念材料として残る形にはなっている。また、3営業日で3円以上と早いペースでの上昇から、短期的な調整局面への移行する可能性もあり、一本調子には買い進みづらいだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-83.50
ユーロ・円 109.00-111.50
ポンド・円 129.00-133.00

【今日の主な経済指標】

16:00 DEM 消費者物価指数
17:15 CHF 生産者輸入価格
18:30 GBP 卸売物価指数
19:00 EUR 貿易収支
19:00 EUR 消費者物価指数
19:00 EUR 貿易収支
22:30 USD 消費者物価指数
22:30 USD 小売売上高
23:15 USD 設備稼働率
23:15 USD 鉱工業生産
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数

≪2011年1月13日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
テクニカル面では日足一目均衡表雲の下限や、年末安値からの上昇半値押しの位置する
82.30円付近では押し目買い意欲が強く「ブル」に大きく傾いている。参加者の強気ス
タンスに変化はないものの、米週間失業保険新規申請件数は予想よりも大幅に増加して
おり、今後のドル高を期待するには雇用関連統計がまだ脆弱と考えられる。また、主要
通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時78.994まで低下するなどセン
チメントはやや悪化してるといえようか。


ポンド円は「ブル」
英中銀は市場予想通り政策金利を据え置き、目新しい発言もなかったことで参加者のポ
ジションも拮抗したが僅かに「ブル」優勢となった。ポンド自体の材料はないものの、
ユーロ安の一服で欧州通貨全体にも買い戻しが入っている上、株高・商品高を受けて安
全通貨のドルと円を売る動きとなっており、相対的に底堅い展開となりそうだ。また、
対スイスフランではスイス政府が自国通貨高抑制(介入)に乗り出すとの観測が浮上し
ており、去年11月18日の高値である1.60022フランまで上値が拡大する可能性もある
だろう。


豪ドル円は「ブル」
豪雇用統計は市場の予想(予想2.5万人 結果0.23万人)に比べ振るわなかったため、失
望感から売りが集中して一時82.357円まで値を落とす動きを見せたものの、同水準では
安値を買い戻す動きから「ブル」が優勢となった。一部報道でオーストラリア北東部で
の洪水は本日付でピークを越えたとの報道もあり、これから打撃を受けたインフラなど
で復興作業が進むとの観測から豪ドルへの投資妙味が下値を支えしそうだ。また、欧州
の信用不安拡大が一服していることや、好業績を背景に米国株高期待が高まっているこ
とでリスク選好の流れもサポートとなりそうだ。


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