日経平均がダメでもダウがある!DAXがある!

金脈は海外の“指標”にあり



いつまで経ってもなかなか上がらない日本株を抱え元気のないトレーダーを尻目に、CFDを使って海外インデックスで荒稼ぎをしているトレーダーがいるという。
今回は、そんなスゴ腕トレーダーを直撃取材!
実際行っているトレード手法を聞き出してきた




一番勝てる可能性の高い市場で勝負する


 日経平均はなんとか1万円台を回復したものの、円高の影響もあって日本株式市場はまだまだパッとしない状況。そんな中、「日本がダメなら海外市場で稼げばいい!」と、CFDを駆使して稼いでいるのが個人投資家のランケン氏だ。

 「CFDは、世界中の株や金、原油といったコモディティなど、なんでも売買できます。その時一番儲かる確率の高い市場を探し、そこで勝負すればいいんですよ」

 CFDとは、差金決済取引(Contract for Difference)の略で、数年前から業界でも注目を集めている比較的新しい投資の仕組みだ。

 投資対象が違うものの、基本的なシステムはFXとほとんど同じだ。「通貨を売買するのがFX。日本株から海外株、株価指数、金、原油など、なんでも売買するのがCFD」と考えれば、わかりやすいだろう。

 CFDのメリットも、FXと共通する部分が多い。まずはレバレッジがかけられるので、数万円程度の少ない資金ではじめられること。CFDで売買する株や株価指数は、通貨にくらべて値動きが激しいため、レバレッジのかけ方によってはFX以上のハイリターンを手にすることができる。

 さらにランケン氏にとって大きいのは、FXと同じように「売り」からも入れることだそう。

 「ペアトレード、つまり異なる2銘柄の買いと売りを組み合わせることで、大幅にリスクをヘッジできるのです。ずっとチャートを見ている訳にもいかないサラリーマン投資家としては、ある程度中長期のトレードがメインになります。その際にペアトレードでリスクが減らせるのが、すごく楽です」

 実際、ランケン氏がCFDをはじめたきっかけも、金とプラチナのペアトレードをしたかったからだとか。

 FXにはないCFDならではのメリットとしては、前出のように売買できる種類が豊富なことだろう。CFD業者の中には、4000銘柄以上を扱っている会社もあるほどだ。

 だが、その銘柄数の多さが逆にCFDにチャレンジするハードルを高くしている面もある。あまりにも銘柄が多すぎて、初心者は何をやればいいのか悩んでしまうのだ。

 「その時勝てる市場で勝負すればいいと言いましたが、その意味で今おすすめなのはヨーロッパの株価指数です。僕も今ポジションを持っていますが、順調ですよ」

 株価指数はインデックスとも呼ばれ、日経平均やNYダウなどが代表的なものだ。その国全体の経済状況によって値動きが上下するので、個別株のようにいちいち細かい情報を集める必要がなく、海外投資の初心者にも入りやすい投資対象と言える。

 その中でも今、ヨーロッパが狙い目というランケン氏。その具体的な手法を聞いていこう。



強いドイツを買い弱いPIGSを売る


 「今、CFDをやるならドイツ買ってPIGSを売るペアトレードです」とランケン氏は断言する。

 PIGSとは、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を並べた単語で、EU加盟国の中でも財政破綻が懸念されている国のことだ。

 またペアトレードとは、2つの銘柄の片方を買い片方を売ることで、その価格差(スプレッド)を取る手法だ。売りと買いを組み合わせることでリスクヘッジをしており、例えば地合の急激な悪化などで2銘柄とも急落しても大きな損が出ることはない。

 「ファンダメンタル的に、ユーロ圏の中でドイツは優等生、PIGSは劣等生です。つまり、ユーロ圏全体が買われるときは、PIGSよりもドイツのほうが大きく上がるはず。逆にユーロ圏全体が下がるときは、ドイツの下げよりPIGSの下げ幅のほうが大きい。つまりユーロ圏全体の地合がどう動いても、利益が期待できます」

 取材時にランケン氏が実際に持っていたポジションは、ドイツの株価指数DAXの買い、イタリアの株価指数MIBとポルトガルの株価指数PSIの売り。右上のチャートを見ると、価格差が広がる傾向にあり、利ざやが稼げているのがわかる。

 「ペアトレードの注意点は、買いポジションと売りポジションの金額を揃えることです。ポジションの大きさに差があると、リスクヘッジにならないので要注意です」

 それぞれの数値を見ると、ドイツDAXが約6900ユーロ、イタリアMIBが約2万ユーロ、ポルトガルPSIが約7600ユーロ。つまり、イタリアの売り1枚に対してドイツの買い3枚、ポルトガルの売り1枚に対してドイツの売り1枚で、ほぼ売買額のバランスが取れる計算になっている。

 「決済するときも、買いポジションと売りポジションは同じ額になるよう意識しましょう」

 ただし、取引単位はCFD業者によって異なるので、その点も注意して売買を行う必要がある。

 「ほかに、今、気になっているのはイギリスの株価指数FTSEの買いとイギリスの不動産セクター指数や金融セクター指数の売りを組み合わせるペアトレード。イギリスはそろそろ崩れそうだと読んでいるのですが、その時に真っ先に下がるのが不動産と金融。このペアは、今後十分な利益を見込める可能性があると見ています」

 さらに長期を見るなら、「新興国買い+先進国売り」というペアトレードもアリだという。

 「中国や香港、南アフリカ、インドといった有望な新興国の株価指数を買い、同時にPIGSを筆頭とする先進国の弱いところの株価指数を売る。’11年のGDP成長率の予測を見ると、中国が9%台なのに対して先進国の平均が2・5%。スペインやイタリアに至ってはマイナスです。長期で見たらまず勝てると思いますよ」

 ランケン氏の経済に対するこうした判断は、ネットで読めるニュースサイトや国際機関が発表する資料によるところが大きいという。

 「ウォール・ストリート・ジャーナルは必ず読んでいます。日本の新聞に比べると質が高いし、購読料も年間150ドルくらいと安い。IMFの資料も好きですね」

 ペアトレード以外だと、スペイン株価指数でのデイトレやスイングトレードも面白いとランケン氏。

 「スペイン株価指数は売値と買値の差が狭いから、短期売買に向きです。今のスペインは景気が回復する要素がまったくない状態が続いているので、その下げトレンドに乗れば勝ちやすいと思います」

 海外株価指数に対し、ペアトレードに短期売買と様々な手法で利益を狙えるCFD。これまで日本市場しか見ていなかった人もぜひチャレンジしてみよう!




■ランケン氏
サラリーマンのかたわら、CFDやFXで着実に利益を重ねるスゴ腕トレーダー。
ハンドルネームの由来にもなっている自身のサイト「南アフリカランド研究所」は、豊富な情報量と的確な分析から高い人気がある。