2011/1/12 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は、連休明け仲値決済に絡むドル需要に東京市場序盤から強含みの推移となり83.10円付近へ上値を拡大した。その後も豪貿易収支の下振れに加え、豪州の洪水被害拡大を背景とした対豪ドルでのドル買いが継続する中、83.15円付近まで小幅に上昇。欧州勢参入後も日本や中国などアジアを中心にユーロ圏を支援する発言が相次いだ事で欧州信用不安が緩和しユーロ円が上昇するとドル円もつられて堅調な値動きとなった。また、NY時間でも米長期金利が上昇し日米金利差拡大への思惑からドル買いの流れが継続すると、前日の高値83.276円を上抜けてストップロスを巻き込み一時83.489円まで上値を伸ばした。ただ、引けにかけ米10年物国債利回りが3.31%台まで上昇幅を縮小すると83.224円まで反落し取引を終えた。

ユーロ円はポルトガルや、スペインとイタリアといった欧州高債務国の国債入札を控えて、オセアニア時間では107.10円付近まで下落した。しかし、東京時間では野田財務相が「今月下旬のユーロ圏共同起債を、日本政府は2割程度購入する予定」と発言したことを受けてユーロ買いが活発化すると107.85円付近へと急騰した。ただ、野田財務相が「外貨準備のユーロ流動性の範囲内で対応する」とも発言したことを受けて、新たなユーロ買いは発生しないとの見方が広がると、東京市場終盤にかけて107円台中盤での一進一退の動きとなった。欧州時間に移るとECB(欧州中銀)がポルトガル国債を買い入れているとの憶測から、ポルトガルなどユーロ圏周辺国の10年物国債と独連邦債の利回り格差が縮小するとユーロを下支えし、小幅ながら堅調な推移となった。NY勢参加後も日本政府がアイルランド支援に向けて欧州連合(EU)が発行する債券の一部購入を発表したことで、欧州の信用不安が緩和した上、NYダウ上昇に伴うリスク選好の円売りも散見し一時108.266円まで上昇。引けにかけ利益確定の売りが入り108円は割れたものの、107.965円で取引を終え3日ぶりの反発となった。


本日の展開


ドル円は米国の堅調なファンダメンタルズを背景に景気浮揚期待や金利先高観は維持されており、83円台で値固めすることができれば再度上値を窺う展開となろうか。米国では今週から第4四半期の決算発表が本格化しており、主力企業のトップバッターとして発表したアルコアの業績は2年ぶりの高水準で市場予想を上回ったため、今後発表予定の半導体大手インテルや、銀行大手JPモルガン・チェースなどの業績拡大期待から株価の堅調も推測できよう。テクニカル的にも5日と25日移動平均線がゴールデンクロスを完成させており、去年9月16日高値85.926円から11月1日安値80.239円の76.4%戻し84.58円付近までは上値余地が広がったと考えてもいいだろう。ただし、本日はポルトガルなどの欧州高債務国の国債入札が控えている中、警戒ムードも強くユーロ円の下落を通じてドル円にも下落圧力がかかる可能性も排除できない。欧州発のニュースに引き続き注意を払いつつ、米決算などを受けた米株式市場や長期金利の動向に注目したい。

ユーロは本日のポルトガル国債入札や明日のスペイン債の入札控え神経質な展開が予想される。注目のPIIGS諸国の国債入札だが、欧州金融安定化ファシリティー(EFSF)が発行する債券の20%以上を購入する用意があるとする日本の野田財務相の発言や、欧州中央銀行(ECB)が市場でソブリン債を買っているとの報道から無風で通過する可能性もあるだろう。ただし、同国の利回りが上昇すれば、コスト負担増が財政を圧迫するとの思惑につながり、ユーロ売りが加速する可能性は否めず、また、PIIGS諸国の入札後もソブリン債務危機は長引くとの懸念から上値は重たい展開が続きそうだ。テクニカル的には、108.00円付近に差し掛かる5日移動平均線や、109.50円付近の25日間移動平均線が短期的な上値抵抗線として意識されることが予想され、同水準での攻防に注目したい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.30-84.50
ユーロ・円 106.00-109.50
ポンド・円 126.00-131.00

【今日の主な経済指標】

16:45 FRF 経常収支
16:45 FRF 財政収支
18:30 GBP 貿易収支
19:00 EUR 鉱工業生産
22:30 USD 輸出物価指数
22:30 CAD 新築住宅価格指数
04:00 USD 月次財政収支
04:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

≪2011年1月11日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
NYダウは欧州財政懸念が後退したほか、米主要企業の第4四半期決算の発表シーズ
ンに入り、好業績期待から参加者のポジションに変化はなく「ブル」が継続してい
る。テクニカル面では前日の上昇で10日に下抜きかけた一目均衡表の雲を再び上に
突き抜けており、目先の下値不安が後退している。ただし、本日は210億ドル規模
の米10年債入札が予定されており、前日の米3年債入札では堅調な債権需要に米金
利が低下する場面もあったことから入札結果発表後の米長期金利の動向には注意が
必要となりそうだ。


ポンド円は「ブル」
ポンド自体の材料はなかったものの、日本や中国によるPIIGS諸国の支援を背景に
「ブル」となっている。本日からの欧州高債務国の国債入札を控えて欧州通貨を買
いづらいムードとなっており、下値警戒を怠れないだろう。ただし、ユーロを敬遠
してポンドに乗り換える動きがみられる上、一部ではインフレ懸念を背景とした英
中銀の利上げ観測が浮上していることもあり、ポンドは欧州通貨内ではアウトパフ
ォームとなろうか。


豪ドル円は「ブル」
大規模洪水の被害状況や、関連の強い中国株が値を落とすなど豪ドルを取り巻く状
況が悪化に見られるなか、豪貿易収支の悪化(予想20.5億AUD 結果19.25億AUD)
が発表されたことで豪ドル安となった。今回の下押しで直近の安値であった81.87
円を割り込みオシレーター系指標では買いシグナルが点灯し「ブル」となっている。
参加者は下落局面で強気のスタンスを崩してはいないものの、今回の豪洪水が豪で
3番目に大きい都市であるブリスベンにも拡大するとの恐れから、被害は一層深刻
化する可能性がある。また、クイーンズランド州の果物、野菜生産は豪国内の28%
を占め、果物、野菜価格を最大20〜30%押し上げる試算もあり、その場合インフレ
で個人消費が減退する可能性もあるだろう。現状まだ推し量れない面もあるが、一
過性の自然災害と見るよりも、豪経済にどの程度ダメージが及ぶ可能性があるのか
慎重に確認するべきかも知れない。


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