元チーフディーラーが明かす FXメンタル強化の極意


 たとえ負けたとしても自分ひとりで責任を負える個人投資家。しかし会社の資金を流用するプロトレーダーたちにとっては、最悪、他人の首まで絞めてしまいかねない。そのような環境下で彼らはどのように精神を鍛えているのか。

 「メンタルって実は、後天的に強化できるんですよ」

 そう語るのはメガバンクでチーフディーラーを務めた経験もあるマット今井氏。その戦績は華々しく、為替ディーラーとして活躍した17年間、年間収支は常にプラス。数々の後輩も育ててきた。

 「自分や相場を常に客観的に見れる人は強いですね。勝っていても興奮しすぎると、突っ込みすぎて結果的には損をします。一流のスポーツ選手にも、好・不調の波があるように、ディーラーでも調子が悪いときはあります。反省を繰り返して、経験値を上げることが相場で生き残っていくための近道。でも、反省と後悔は違いますよ」

 当然ながら「あのとき決済していれば……」と、悔やんだところでなくしたお金は返ってこない。後悔はFXにはいらないのだ。



投資スタイルに合ったメンタルトレーニングを


 反省した先にあるのは、まず「自分がどんな性格なのか」を知ること。

 「結局のところ、性格によって取引スタイルは変わってくるんですよ。自分の性格を理解して、それに合わせて試行錯誤したほうがいい」

 性格は千差万別。おのずと対処法も変わってくる。

 「あるとき、調子に乗りやすい後輩に『半年で2億円まで負けてもいいから』と伝えると、拡大解釈してリスクをたずにチャートを眺めて、ただひたすら取りすぎて、1日で2億負けてしまった。そこで、その後輩にはより細かいルールを作りました。その結果、かなり成績は改善しましたよ」

 そんな今井氏も勧めるメンタルトレーニングがコレだ。

 「一般の個人投資家でも、慣れてくるとポジションを持っていないと落ち着かない、いわゆる"ポジポジ病"にかかる方がいます。そんな人は数時間ずっとマウスを持に取引を我慢します。でも、ただボーッと眺めているだけじゃなくて、それによって『今勝ったらダメだったな』とか、『今は買うべきだったのか』と、考えてください。そうやって、客観的に相場の流れを見つめる能力をつけます。投資のトレーニングだからといって、なにも特別なことをする必要はありませんが、覚悟してほしいのは、『メンタル強化なしにFXで勝てることはない』ということです」

 同じ失敗を繰り返すのは、投資に限らず、人生すべてにおいてもよくある話。それを補正できれば勝利の道は見えてくる。自分に合ったメンタルメニューを取り入れて、欠点を克服すべし!






■マット今井氏
元メガバンクの為替チーフディーラー。
現在は衆議院議員。
近著に「真剣に資産を増やしたい人のためのFX必勝方程」(小社刊)