2010/12/9 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は米減税延長措置が景気を押し上げるとの観測を受けた米国債利回りの上昇を背景に、ドル買いが優勢となったNY市場の流れを引き継ぎオセアニア時間から堅調なスタートとなった。東京市場では日経平均の底堅い動きにも支援されたほか、韓国報道機関による「北朝鮮が海上に向け砲撃した模様」とのニュースを受けて地政学的リスクを意識した円売りが持ち込まれると83.90円付近へと上昇した。その後は韓国メディアが「砲撃は演習の一環」と報道したことで一服したものの、米2年債利回りが9月以来の水準に上昇したことから日米金利差拡大観測を背景としたドル買い・円売りが優勢になると、欧州時間には84.00円付近へと上値を伸ばした。NY勢参加後も米政権が大型減税の延長を決めたことで米財政赤字が拡大するとの見方や、10年債入札への警戒感から米10年物国債利回りが一時6月中旬以来の水準に上昇した場面では一時84.299円まで続伸した。ただ、米10年債入札後は10年物国債利回りが3.2780%まで上昇幅を縮めた事で、引けにかけて84.010円まで下押しして取引を終えた。

ユーロドルは、朝鮮半島情勢が緊迫化したとの見方からリスク回避的なユーロ売りが出たほか、欧州市場にかけても米長期金利が一段と上昇する中、1.31794ドルまでじり安の展開になった。しかし、その後は11月の英CBI製造業受注指数は-3と市場予想を上回ったことを受けたポンドドルが一時1.5836ドルまで上昇した影響もあり、つられたユーロの下値は限定的となった。また、NY市場ではダウが比較的底堅く推移すると引けにかけリスク志向が保たれた事で下落分を回復すると前日比+0.00009の1.32615ドルで取引を終え方向感は出なかった。

一方、対円は日経平均の上昇を受けたリスク選好の円売りを背景に東京市場では一時111.00円付近まで上昇したが、その後は米長期金利の上昇を受けたドル円の上昇と対ドルの下落に挟まれたこともあり、欧州市場にかけては概ね110円台後半で方向感に乏しい値動きとなった。その後、欧州時間中盤に発表された独10月の鉱工業生産指数が前月比2.9%上昇し、市場予想の同0.8%上昇を大幅に上回ると111円を上抜け、引けにかけても高値圏でみ合いが続き111.416円で取引を終えた。


本日の展開


ドルは引続き米国債利回りの推移が注目となる中、今夜も30年物国債が130億ドル入札される。米減税措置の2年間延長を受けた米金利の上昇を背景にドル円は上昇しているものの、FRBの量的緩和拡大観測を背景にインフレ期待が高まっている上、昨日の米10年債入札の応札倍率は8カ月ぶりの水準に低下した前月の2.80倍から2.92倍へ改善しており、米債利回り上昇は調整局面入りした可能性も否定できない。また、今回の米金利上昇は財政赤字への懸念や米国債入札の不調を反映した悪い金利上昇の性質を帯びており、先週雇用統計後の買い戻し範囲を超えた上昇に対してはやや疑問が残る。さらに84円付近は本邦輸出企業の売りオーダーが想定されており、仮に同水準を抜けきれない時間帯が続くようであれば、ドルロングを手仕舞う動きが加速する可能性に注意しておきたい。

ユーロはアイルランド議会が2011年予算に関する最初の財政決議案を可決し、EU及びIMFの支援実施に一歩前進しており、アイルランド問題を背景としたユーロ売りにも材料出尽くしから一服感がみられる。しかし、マーケットの関心はアイルランド支援から離れ、スペインやイタリアへの波及やユーロの分裂リスクにも移り始めており、仮に支援が実施されても楽観視はできない状況といえよう。テクニカル面でみると短期的なレジスタンスだった5日移動平均線を明確に上抜け、日足の一目均衡でも重かった雲下限を突き抜けたことで地合いは強く、11月25日の高値11.901円を超えてくれば大台の113円も視野に入ってこようか。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.20-85.00
ユーロ・円 110.80-113.00
ポンド・円 131.50-133.50

【今日の主な経済指標】
15:30 FRF 非農業部門雇用者
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)
17:00 ZAR 四半期経常収支
18:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
18:30 GBP 貿易収支
21:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
22:30 CAD 新築住宅価格指数
22:30 USD 新規失業保険申請件数
00:00 USD 卸売在庫

≪2010年12月8日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
ブッシュ減税延長の決定を受けた米債利回り上昇を手掛かりにドル円が84円台へと上昇
し、10年債利回りは一時3.32%台と約半年ぶりの高水準にドル円と米債利回りの連動性
が意識され「ブル」継続となっている。テクニカル面では一目均衡表の雲の中に一旦入っ
たあと再び雲の上に浮上したことで、雲上限である83円前半は押し目買いを検討してみ
たい。


ポンド円は「ベア」
英CBI製造業受注指数が市場予想の-13に対し、結果が-3と予想を大きく上回ったことが
好感され一時133.008円まで上昇した。2週間ぶりの高値をつけた事で利益確定の売り
や、本日の英中銀金融政策委員会での政策発表を控えたポジション調整から「ベア」と
なった。ブッシュ減税を受けた米景気回復期待と米財政悪化懸念を背景に、米国債利回
りの上昇が続けば、対ドルは下値を探る展開が予想される。しかし、欧州PIIGS(ポルト
ガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国を敬遠してユーロ非加盟の英
国債にシフトする動きも活発化していることから、対ユーロでの押し目買いは面白いだ
ろう。また、対円も130.00円付近をしっかり値固めしており底堅い動きも考えられよう。


豪ドル円は「ブル」
ブッシュ減税の延長合意を受けて米景気回復期待が高まり、株式市場のセンチメントが
上向いていることが豪ドルの追い風となり「ブル」となった。米長期金利急騰のショッ
クを受けて、NY金先物は1400ドル台割れとなっているほか、NY原油先物も87ドル台
後半まで下落しており、目先、資源国通貨は苦戦が強いられそうだ。ただ、FRBの量的
緩和策による過剰流動性流入期待もあり、仮に株高が継続すれば下落局面では買い妙味
があるだろう。


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