2010/12/8 トレイダーズ証券「みんなのFX」

昨日のドル円は東京市場で中国証券報が「中国が今週末に利上げを行う可能性がある」と報道したことを受けて中国の金融引き締め懸念が強まり、上海株や日経平均が一時軟調に推移したことからリスク回避の円買いが優勢になると、82円台前半へと下落してスタート。その後は対ユーロでのドル売りにつれて82.35円付近まで下値を拡大したものの、野田財務相が「為替は偏った動きになりつつあり、市場の動向を引き続き注視したい」と発言したことなどから、82.55円付近へと小幅に反発。欧州市場にかけては中国の金融引き締め観測にも関わらず、上海株が持ち直し、日経平均も下げ幅を縮小する展開になったことを受けてリスク回避ムードが後退する中、米長期金利が一時3.0%台まで上昇したことも追い風となり82.80円付近まで続伸した。NY勢参加後はさらに勢いを増し、米10年物国債利回りが上昇幅を広げたことを受けて日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが出ると83円台を示現。83.00円付近では一目均衡表雲の上限や、本邦輸出企業などからの売り注文が観測されていたが、引けにかけ米3年債入札が不調だった為、米10年物国債利回りが3.1276%まで上昇幅を拡大すると金利差を意識した買いの流れが継続し、一時83.656円まで高値を更新した。終値は83.454円となり値上がり幅は1円を超え、介入が入った9月15日以来の大幅高となった。

ユーロは、スペインやポルトガルも救済措置が必要になるとの観測に加えて、独政府がユーロ圏共同債券の発行に関して消極的な態度を示したことが重石となるなか、日経平均が寄り付きから続落して始まると円買い優勢の展開となり対円は109.90円付近で弱含みとなった。加えて、「中国は今週末に利上げを行う可能性がある」との報道が嫌気されてクロス円全般に上値が重くなると、一時109.563円まで下押しの展開となった。ただ、欧州勢参加後はアイルランド政府が提出する予定となっている2011年の予算案が議会を無事通過するとの報道が後押しとなり110.25円付近へと切り返した。NY時間に入ってもドル円の上昇が下支えとなったほか、ダウ平均が再び上昇していることで投資家のリスク志向が改善し、一時111.110円まで続伸した。引けにかけ利益確定の売りに押されたものの、110.683円で取引を終えた。


本日の展開


ドルはオバマ大統領が「ブッシュ減税」を2年間延長すると発表したことによって国債増発を余儀なくされるとの見方から米債売りが進行し、米長期債利回りがもう一段と上昇する可能性が高まってきた。加えて米ファンダメンタルも雇用を除いた経済指標に復調が見られている事から堅調な地合いも期待できよう。しかし、対円に関しては中国証券報が来週月曜日に発表される中国の11月消費者物価指数は前回の前年比+4.4%からさらに上昇が加速すると報じるなど週末までは中国の利上げ観測が円買いの口実に利用される可能性もあり注意が必要だろう。テクニカル面では一目均衡表が日足先行スパンの雲を明確に上抜けたことで、短期的には雲上限がさしかかる83.20円付近がサポートとして機能しそうだ。レジスタンスはボリンジャーバンド+1σの84.10円付近としてみたい。

ユーロはアイルランドにける緊縮財政の可決(IMFとEUから行われる支援の条件)を巡り上々の滑り出しとなったことでの安心感や、好調なNYダウを背景にリスク選好型の上昇も十分考えられよう。ただし、ユーロ圏共通債券の発行に関しては依然格付けの高いドイツとオランダが難色を示しており、ECBの国債買い入れによる対症療法にも限界がありそうだ。また、市場では債務懸念がスペインやポルトガルに飛び火するのは避けられないとの声もあるほか、CDS市場ではユーロ圏周縁国の国債保証コストが上昇していることから、欧州圏ソブリンリスクに対する警戒はまだ解かない方が賢明かもしれない。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.20-84.60
ユーロ・円 109.80-112.50
ポンド・円 129.50-133.50

【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
16:00 DEM 経常収支
16:00 DEM 貿易収支
16:45 FRF 財政収支
16:45 FRF 貿易収支
18:30 ZAR 小売売上高
20:00 DEM 鉱工業生産
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
22:15 CAD 住宅着工件数
05:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利

≪2010年12月7日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル円は「ブル」
先週の米国雇用統計下振れショックを引きずらなかったことが参加者のセンチメントを
回復させ「ブル」優勢となっている。米金融政策の方向性が注目されるなか、バーナン
キFRB議長が国債買い入れ枠の6,000億ドル超への拡大を示唆しているものの、ラッカ
ー・リッチモンド地区連銀総裁は失業率を目標とした量的緩和策に疑問を呈すなどFRB
当局者の見方も分かれる。米追加緩和の行方はまだ流動的であり要人発言による突発的
な動きに警戒を強めておきたいところだ。


ポンド円は「ブル」
明日予定されている英中銀金融政策委員会での政策発表を控えて、ポジションを傾けづ
らいこともあり、参加者のポジションは拮抗したが僅かに「ブル」が勝った。信用不安
の打開策を巡り、ユーロ圏当局者で意見が分かれており、対ドル、対円下値がぜい弱な
地合いとなりそうだ。一方、欧州PIIGS諸国と比べて比較的安全な英国債に対する需要
が高まりやすく、対ユーロでは堅調な動きとなろうか


豪ドル円は「ブル」
注目された豪準備銀行理事会では予想通り政策金利を現行の4.75%に据え置くことを決
定した。声明では「政策金利は適切。豪ドルの上昇がインフレ抑制に寄与するだろう」
などと当面の金利据え置きを示唆したこともあり、売りが優勢になると一時81.45円付
近まで下落。しかし、声明では将来の追加利上げの可能性を明確に否定しなかったこと
もあり参加者は「強気」スタンスを崩さず、買い戻しが優勢となった。豪準備銀行理事
会が早期の追加利上げに慎重姿勢を示したことや、中国の早期利上げが観測されるなど
調整売りを促す要因が台頭してきている。しかし、一方では米金融緩和策の長期化観測
を背景にNY金先物や米ナスダックは年初来の高値を更新するなど、下支えする要因も拡
大していることからリスク許容度の変化次第でどちらにでも動けるように柔軟姿勢で臨
むべきだろう。


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